HERO
2008年05月24日(土) 12時20分
彼の名はニュースくん。昭和という時代を駆け抜けたヒーローだ。
今ではその役目を全うし、ひっそりと新聞屋の駐車場で暮らしている。
そんな彼にも淡い思い出がある。
今日はそんな彼の思い出話を。
昭和35年。カラーテレビが世に出始め、カップヌードルという商品が誕生したころ、彼は小さな商店街の一角で毎日生まれたての新聞を吐き出していた。
毎朝仕込みが終わると新聞を買っていく豆腐屋のオヤジ。
ヒマを見つけてはスポーツ記事を楽しみに読む畳職人の見習い。
芸能の噂が気になってしょうがない米屋のおばさん。
みんながニュースくんに集まったのだ。
ある日の昼下がり。
いつものように新聞を吐き出していると、綺麗な格好をしたお姉さんが現れたのだ。
ニュースくんはドキドキした。
ってゆうか一瞬で恋をした。
お姉さんは財布から小銭を取り出し、ニュースくんに投入した。
ニュースくんはいつものように新聞を吐き出すか………それとも自分の携帯番号を吐き出すかクッソ迷っていた。
お姉さんは朝日新聞のボタンを押す。
ニュースくんはまだ迷っている。
ここで番号を渡して夜にでも連絡がくれば良いが、お姉さんが自分にまったく興味がなく普通に新聞が読みたかったのに携帯電話の番号が出てきたら、お姉さんは間違いなく怒って、ここの新聞屋にクレームの電話を入れるだろう。
自分に電話がかかってくるか、それとも新聞屋にかかってくるか。
ニュースくんは激迷いした。
お姉さんは朝日新聞ボタンを連打する。
ニュースくんはまだ迷う。
お姉さんはイライラし始め、ニュースくんのお腹のあたりをドンドンっと叩く。ボタンを連打する。
痛い。
しかしここで番号を渡さなければお姉さんは二度と姿を現さないかもしれない。
そして、さんざん迷ったあげく、ニュースくんがとった行動は…………。
次回に続く。
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