透明 

2013年06月16日(日) 1時57分
遠く離れた街で
無責任な息をする
すると
何をしても消えない
鎖がほどける気がするの
 
この街の
温度も生活も空も
不可思議も横顔も
永遠の秘密も
根付いた感情、漠然の意思も
私は知らない
 
何が行き交う街なのか
何が蠢く街なのか
ここ数千年の営みの上に
何がビルディングを建てたのか
その屋上から、
あの灰色の
何が下を覗いているのか
何も知らない
 
真っ逆さまに真っ逆さまに
燃えた手が、道路を直しては壊し
壊しては嘆いてる日常
 
けれど
知らない街がいつも通り
普通にまわっていけばいいなぁ
雨が降ってさ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

帰り道 

2013年06月16日(日) 1時50分
雪がなべて等しく光を分け合い
染まって辺りの輪郭を無くし繋ぐ
 
その様は世の果て
結び目は神さまの祈り。
 
生活は速度を落として
蝋燭の周りに集まり出す
あんまり綺麗で眠くなるくらい
橙色のまばゆい夜の底
 
白い息を呑んで
冷え切った瞬間を神聖にする
求めるものを持って生まれついた
だから私達は繋がる
 
 

水彩 

2013年06月16日(日) 1時39分
白紙に落ちる色水の花
滲むようなざわめき、波紋
そうしてまた、余白を汚していく
なんて妖しい色、水溜りの世界で
 
とっくに赦されたけれど
まだ怯えて目を伏せて
途切れ途切れの息が、肺腑に水を呼ぶ
悲しいくらい甘い海に溺れて
「もう二度と立てなくてもいい」
 
何のための私なの
あなたの宇宙の星が全て笑い出して
きらきら輝き出しますように
一途なつもりで、
実は昼も盲目で飛ばない
 
いつかどこかで
言葉に見合う自分になれるなら
それなら、もう一度
混ざり、汚れながらでも
歩こうかしら
 
最初の色を失くして
 
カラフルな砂を山盛りに背負って
 

長い日 

2011年01月27日(木) 0時21分
すました顔で並ぶ数字に
追い詰められていく

白くて息をしない部屋
額の裏に秘密を貼り付けて
知らんぷりしてる兎

浅くなって浅くなって
止まってくれないか

0.1秒の間にも
この宇宙は膨らんで
瞼の裏まで星が騒ぐ
うるさいよ
君は知らないだろ
花瓶の底に沈む思い
ここは月より彼方

勝手を言うけど
だって
勝手を言うなよ
ならば
手にある物すらもう
10億光年遠いんだ

伝播する空気もなくて
何が僕を繋ぐんだ
叫べずに
この鉛を脱ぐ瞬間に
恋をして
逃げられずに続いた
長い長い今日もまた
ねぇ何を思った?


こわいこわいこわい 

2007年10月23日(火) 15時33分
指輪を外すとその左手は枯れる
暴かれると真っ赤に怒る秘密が眠っている
そうして爪には時間が懸かって切り離す
骨には場所が懸かって奪い取る
時計壊しが中で暴れて、秘密は怯えて生きている
ひとりは悲しい
仕組みも寂しい
そうあるように作られて、そうあるしかなくて無意識に俯く

痛みの音楽に似ていること
自分に肯くことの出来ないまま歩く
見渡す夕陽は全く、真っ赤に燃え尽きた
今は終了に焦がれる
終わればきっと、始まりが懐かしい

貴方の内に、その時間を失くしてはいけない
ゆき止まりの空の下、滞る舞台のような靄を溜めて
ひとりで死んではいけない

透明しかない場所に生きて色を思いつくことは、私にきっと起こらない
戯曲はいつまでも平行を走る
ここだけがゆき止まり

ありたけ叫んだ途端、急速に縮みあがる欲
だから臆病な暮れだと気付いた空
何もかもが長くもたずに終わった後で全てを知ってしまう貴方に
街は根付き、蔓延って広がる
変化を恐怖しながら
止められず増えていく

たった昨日のこと 

2007年03月09日(金) 22時40分
世界中の車輪を全部海に沈めたら、壁の涙はとまるの
海が浅くなったら、この揺れは終わるの
天辺はね、どうにか土に追い付けたみたいだし
深い場所を隠して奥を速さで埋めて
時間が破壊にくる日まで、救い続けるために
手を伸ばせる全ての姿をここに集めたい思いで、黒く焦げている

目覚めに咲く堕ちた気持ち
在る場所を変えて、足りないところは羽で塞いで
違ってもいいと意地を張る
正誤じゃ抑えられたくない駄々を、どこまで捩じ込んで、滅ぶの

古い秋のおぼろげな影が迷う場所
暗い空へ歩くこの町がいつか
誰も信じない神話に出てくるような未来に

倒錯を呼ぶ 

2007年03月07日(水) 11時22分
今一度絶対期待美化、その差-168゜対偶
綺麗に置いて来れた失敗の名「つ、もりの」
こんな設計図は実在しないんだから
卑しくなってしまったら楽じゃあないの?
美しく詐称したくなる
堪らない
誇ったら怪しい証拠
抑え込めば溜まるものを知りながら既に今は
_____依存性不眠
忘れて眠れる訳がない
狂うくらいで丁度楽しい
なくす覚悟ばっかじゃあ趣味悪いもの
清々しくぶちまけてみれば
戻れない分だけの中毒症
この道で一途、決して悲しまない

冴えて髪引く 

2007年02月27日(火) 11時40分
見落としたもの、逆説の言い訳がいとしい
「君さえいれば」
世界中が私の頭の上に収束する
終わることを起こせるように、呼吸に似せてすれ違う
欲しいなら
やってみせればいいだけ
回線内を全てと信じては儚くなる虫を思うことなんか
瞬もせずに

だって
「君さえいれば、」
すべてある
または
なにもない
そして同じ
夜はもどらない
しかし朝になる
それと同じ

たとえ違っても私に意味はない
君さえいれば

中身のわけ 

2007年02月18日(日) 21時24分
失くしたのは
無い方が亡くさずに歌える始まりの為に
視界に這う根を ままで 億劫をのぼす高いところ
憧れなんて神経に巣食う空に等しい
喉に首に輪を掛けて折ってくれたら
私はここで自由なのに
何がこうして咲く遠いあの窓は今
割れているなら終わりを逃した色を壊して
もうどこにも戻らない

迫る日が酸素を奪いに今日へ
この目の前から場所を吸い上げて
見えない距離の先に作り上げた街に棲む
淡い指がますぐに指す
地下に埋まった思いを知って

愛してる 

2006年08月19日(土) 23時58分
か弱き咆哮 残虐な神聖
鋭敏な痛覚を乗せて枝先を空へ
伸びるほどに肥大し 痛みに煌めく目
痙攣の鼓動が棲む瞼
空気が全ての色を呈して酷い
世界を始める二つの空洞
絶える事なく揺らす風に血
それでも、痛みが、愛しいどうしても

この重さが世界なら
雨が降り出す前に疑ってもきっと
旋律は
生きられない端を跨ぐ

それならば

なぜ枯れ果てたあの腕が
美しい十二の指が
なぜ虚構に喰い千切られなければならなかった?

雨の止む日を
この先必ず望まない
■プロフィール■
name:古
GOD:Chihiro Onitsuka
like:ICO、BOF5、大神                   ワンダと巨像、DEWPRISM                   ロング・ラブレター、                   銀河鉄道の夜
love:夜、夕焼け、絵をかく                   ひとり、文字をかく                   話す、哲学、読書                   息をする