葬儀に最初に気がついた

September 14 [Wed], 2016, 19:41
「こういうの、良いっすよねえ。」
私とリューヤ、トマさんはゲラゲラ笑ってしまった。
ちょうど全員、彼女とのデートを抜け出してきての腕相撲大会だったので、
さながら浮気中のような罪悪感が妙な連帯感を生んだようだ。
まあこの後は、すみやかに撤収せねばならないが。

するとここでもうひとつ、楽しそうな出来事がやってきた。
「あっキメさーん!」
葬儀に最初に気がついたのはトマさんだった。
会場の中庭を、なんとキメさんがニコニコとこちらへ歩いてくる。
ずんぐりむっくりした体型に似合わぬ軽快なステップで、
子供みたいに手を振っている。実はかなりのお祭り男なのだ。
近づいて来たキメさんに、我々3人は勢いこんで声をかけた。
「キメさん、キメさん!腕相撲やらない?」

週末の夜のちょっとした楽しみとして、
リューヤは新しく買ったWRCセリカで金谷峠を走っていた。
新車のため、慣らし運転も兼ねてマメにギヤを換えたり、
ブレーキをゆるくかけたまま走ってみたりと操作が忙しい。
それはそれで楽しい仕事ではあったが、それが不幸のはじまりだった。
P R
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