「アサッテの人」芥川賞受賞作品の曖昧な位置を思う

2007年09月02日(日) 0時28分
「アサッテの人」★★★特にはススメない
諏訪哲史著、189ページ、1.500円



群像新人賞と芥川賞のダブル受賞の本作、
「アサッテ」は写真とか撮ったとき
正面でなく、どっか横の方を向いてたりすると
親が「オマエ、アサッテの方向を向いてるね」なんて
いってたから、そんな感じかなと思いながら読んだ。

読み始めて、「これは最後までいけるかな」と危ぶんだ、
なんというか物語を語らないからで、
主人公はカレの叔父の「アサッテ」的生き方を
自分の言葉と叔父自身の残したノートから
語るが、それは解釈が殆どで
なんとも進まない物語に
本に集中できないでイライラするのだ。

この本は好きだという人は少ないだろうな、
はっきり言ってつまらない。

でもこの本を正面きって「つまらない」とはなかなかいえない雰囲気だ。
まさに踏み絵のよう。

文学だから色々なアプローチがあり
それが世界を広げることは確か、
でも読んで面白くないのはだめとしか言いようが無い。

理屈をこねくり回す部分を面白いと思う人もいるだろうし、
文学をかじった人ならなおのこと
これを分からないとは言えないだろうな。

しかしオレは一般の本好きな人間、
次のページをワクワクしてめくる、あの快感は
この本では味わえなかった。

前回の青山七恵の「ひとり日和」もっといえば
彼女の「窓の灯」が面白かったから
やはり分かりやすいのが好きなんだと実感。

心のうちを揺すぶり、しばらくは他に何も考えられない

そんな気分を味わいたくて本を手にする、
そう思うと今回の芥川賞はふさわしいのかな。
最近の一番は「悪人」まだこれを越えるのは最近は無い。

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読み終わるのもったいなくて、読めない
でも読みたい。そんな気分は皆無で終わりのページでほっとため息。

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「アサッテの人」 諏訪 哲史 第50回群像新人賞 及び 第137回芥川賞受賞作 書籍の詳細情報はこちら ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 突然失踪をした叔父のことを、語り手である「私」が読者に説明していく小説なのだけれど、その形態が変わっている。 もともとは「私」が叔父の事を小説にしようとしたらしいのだがまとまらず、「自身の語り」「叔父について書いた小説の草稿」「叔父の亡き妻による話を元に書いたエピソード(書いているのは「私」だが、妻の視点で書かれている)」「叔父の日記」を部分部分つぎはぎし、そのまま読者に向かって投げ出しているのだ。 つまり、「私」の語りの合間に「・小説草稿より(浮沼団地の叔父の部屋)」などというタイトルとともに、草稿が一部挟まれるのだ。ただこの草稿というのが(中略)などと途中端折られているし、非常に退屈な内容だなぁと思っていたら、「事実を写すことに逸りメリハリを欠いた文章、中略による風通しの悪い断絶、・・・草稿のもどかしさをあげつらえばきりがないが」など、「私」が私が書いたとされる草稿に突っ込みをいれていたりするわけである。 「私」が「メリハリを欠いた文章で小説を書い...
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