第九話 

January 03 [Thu], 2008, 21:24
「小町様」
「ん?ああ紀伊じーさんか。だからいいかげん敬語はやめろって・・。・・まあ別にいいか。で、どーしたんだ?」
「初代様の事ですが、ツクヨミに送ってよろしかったのですか?」
「ん?何が?俺はシスコンではないよ?」
「今はそう言うことを申し上げているのではありません。初代様をツクヨミへ送られたことです。このままあの少年に初代様をまかせておいて大丈夫なのですか?」
「・・いーんだよ別に。まあ、今・・はな。でも初代にもしもの事があったら・・・・」
「あったら?」
「あいつぶっ殺ス。から別にいいさ。」
「・・・・。」
紀伊が小町の事を、やはりこの方はシスコンではないのかと考えている頃。

「・・・えっと、あなたは月読命様・・ですか・・?翡翠の事教えてくれるって本当ですか?翡翠の事知ってるんですか?」
一気にまくしたてる初代。
「まぁまぁ。あわてないあわてない。そんなにまくしたてないでくれよ。まだ寝起きで頭がぼーっとしてるんだから。」
マイペースな月読命。
「とりあえず私の部屋で茶でもどうかな?」
* * * * *
「ふぅ・・・・」
初代は今、月読命の部屋でお茶をすすっている。
(・・・。っていうかお茶ごちそうになってどうする自分・・・)
「うまいか?その茶は捌伊姫から頂いたのだが、そうかうまいか。」
「はい、とっても。」
「じゃあ、あとで捌伊姫に礼を言っておかねばな。」
「・・・あのー・・・、月読命様、そろそろ本題に入ってもよろしいですか?」

第八話 

January 02 [Wed], 2008, 22:22
「・・・ぐっ・・・・」

苦痛のため、悲鳴はうめきとなって翡翠の口からもれた。
肉体の痛みではない。これは魂のきしむ音だ。

「があッ・・・!!この・・・・・・!!」

=モウ ソロソロ カナ?=

頭の中いっぱいに響く声。翡翠の限界を知ってか知らずか、その声は弾んでいるようにも思えた。

『かわいそうに』

女の声がした。ぎりり、と痛む胸の辺りを押さえ、翡翠はにらみかえす。それだけが精一杯だった。
『それが”紅蝶”(せきちょう)にゆがんだ願いを捧げた愚か者の末路・・・』
女ー美美ーは淡々と語る。
昔に、翡翠が犯した罪を。
『あの時のあなたの、なんと情けなかったことか。あなたは使い捨てとして堕ちた己に気づき、世界に絶望して恐れ多くも炬紅真君(こうくしんくん)の領地に侵入し、その歪んだ願いを”紅蝶”に捧げた。

ー違う者、自分ではない者になりたいと』

 ー俺の居場所はどこにもない・・!!ー

忘れるハズがない。領地に侵入したことも、願いを捧げたことも。だが、願いは叶うどころか翡翠を呪った。
「・・っ俺・・は、こんな・・こと、望まなかった・・・!!」
『何を言っているのですか、少年よ。あなたは己以外になりたいと願い、同時に死にたくないとも願った。だから”紅蝶”はあなたの魂に、あなたが望むタマシイを与えた。全てあなたが望んだことでしょう?』
違う、と言いたかったが声が出ない。魂が、心が、肉体が喰われていく。怖い。一人は・・独りは嫌だ。
『泣かないで、少年よ。後味が悪い・・・・。少年よ、生きたいですか?』

「・・・っ・・・・ぃ・・・・いき・・・たい・・・・・・!」

第七話 

January 02 [Wed], 2008, 21:51
「他の邦の姫も来てるの?」初代が聞き返す。
「そ。丑の邦の弐奈(にな)姫、辰の邦の伍(いつ)姫、未の邦の捌伊(やつい)姫がね」

翡翠と氷雨につれられて、初代は神々しい宮へと移動した。
そこには三人の姫達がいた。
「初めまして。あなたが初代姫?私は弐奈と申します」
「私は伍!!よろしくッッ」
「私は捌伊です。よろしくね」
弐奈姫はおっとりしていて、とても優しそうだ。
それと反対に、伍姫は男勝りで元気そうな感じである。
捌伊姫はとても大人っぽく背が高い人で、初代を上から見下ろしている。
「丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥・・・そして猫。この十二の神姫がそろったとき、ツクヨミの國は救われるんだ。」
「・・待って。その・・神姫って・・どういうこと?この前あなたは私をカミサマって言ったよね。どういうことなの?私が・・神なんてわけが・・・・」
「あら、あなたもカミのムスメのシルシをお持ちじゃないですか」
弐奈姫が言った。
「カミのムスメのシルシ?」
「ほら。あんたの指にはまってるやつだよっ。」
伍姫がつんっと初代の指をつつく。
「・・え、この指輪のこと!?」「そうだよ」
「で、でもこれは・・・小町に・・・・」

「その指輪は神の娘しかはめることができないんだ」

氷雨が初代に近寄り、言った。「それ、ちょっと貸して」
初代は指輪を氷雨に渡してみた。”美美”と彫られたそれを氷雨が指にはめようとすると、バチッと音がし、指輪が床に落ちた。
「・・分かった?」
「・・・うん。」
うん、と答えたものの、初代はまだよく理解していなかった。
普通のどこにでもいるような自分が、神の娘?(いや姫だけど)

さっぱりわからない。

「とりあえずそうだな・・・お前は着替えたら神殿に行かねーとな」
翡翠が言った。

ごめんなさい 

April 06 [Fri], 2007, 18:51
最近更新がやばいくらい少ないorz

第六話 

January 16 [Tue], 2007, 18:53
「え!?行くってどこに!?」
「ークヨー」
小町の声が聞こえるか聞こえないかのうちに、初代は自分の体が腹のあたりからひっぱられるのが分かった。周りは真っ暗。上に上がっているような感覚がする。
「うわっっきゃあっ!!」下半身だけが強くひっぱられた。
「痛い痛い痛い痛い痛いーっっっ!!ちょっ・・・・誰か!!」ガシッ。
後ろから誰かに抱きつかれた。
「もう大丈夫だ。はーびっくりした 気が付いたら落ちてんだもんよー
「ひっ・・翡翠・・・」「俺がおさえてるから。こうすりゃ下にとんでかねーよ」
(そっ・・それは分かるけど・・・・近いよっ・・!?)
翡翠の息を吐く音が耳元で聞こえる。心臓の音もかすかに聞こえる。
初代の緊張の糸が最高潮にまで張った時、急に目の前が明るくなった。

「大丈夫かーい?」
気が付いた時に聞こえた第一声。目の前に翡翠の顔があった。
「ぎゃあああああっっ!!」初代は悲鳴を上げてのけぞった。その時、後ろの何かにぶつかった。
「痛ってー・・」ぶつかったのは翡翠であった。「何してんだお前っ」
「あれ?翡翠?でも今私の前にー・・・・・」
「それは俺の事かなァ?」
振り向くと、翡翠と全く同じ顔の少年がそこにいた。翡翠と違うのは目と衣の色。空のような水色である。

第五話 

January 16 [Tue], 2007, 18:24
「・・ああ、そうだ。」翡翠が呟くように言った。
「それ・・・。!?・・・・・・!!??」
初代は驚きの為か、その場を動くことはおろか、声を出すことすら出来なかった。
翡翠が、どうした?と呼びかけると。
「っ小町・・・!?どうして!?」「な!?」←翡翠
「ご機嫌麗しゅう、『人さらい』さん?」
小町が妖しい笑みをうかべ、扉にもたれかかってこちらを見ている。
「女の子の部屋に、しかも人の妹に対して失礼じゃない?」じわりじわりと小町が近づいてくる。
「なっ・・・お前いつから居た!?おま・・・。

っ・・・お前・・・まさかあの時の・・・!?」

「君が来るだろうということは薄々気付いてたよ。フフフ・・・何かご用?ウチの妹に」
やばい。と初代は思った。
「こっ小町っあのっえとっ・・・その子悪い人じゃないの!(きっと)翡翠っていうの!あっ翡翠、この人は小町。私のお兄ちゃんで猫邦の王よ。だから・・・えーと・・とりあえず仲良くしよ!?ね!?」
そう言って二人をなだめた初代は妙なことに気付いた。ー小町が浮いている。
何もない空間を軽やかに跳躍している。・・・いや、違う。小町が足をおいた空間に歪みのような、まるで水面に広がる波紋のようなものがわずかに見える。
(何あれ・・?)目をこらすが、ぼやけてしまう。
しかし、なんだか聞きづらくて、というかなんだか怖くて、小町にそのことは言わなかった。
とりあえず初代は小町に今までの事を話した。(時々翡翠も口をはさみつつ)
しかし小町は無言のまま、二人の方に近づいてくる。

あひゃー 

January 16 [Tue], 2007, 17:54
今日めっちゃくちゃ寂しかったです・・・(←は?
だっれもしゃべる人いないうえに恥ずかしい思いをしてもた・・!!
もう卒業したい!!!でもしたくない!?(どっち

第四話 

January 15 [Mon], 2007, 19:15
(・・・カミサマ?)
何を言っているのだろうかあの少年は。初代はぼうぜんとそこに立ちつくしていた。
「どうした初代?」小町がひょこっとやってきた。
「さっき・・窓から人さらいが・・・・・」といってももうその人さらいはいないのだが。
「何言ってんだ?立ちながら寝てたのか?」
「初代様ァァァァァ!!」紀伊がつっこんできた。
その勢いはすさまじいもので、その勢いで窓につっこんでいって外に飛んでいってしまうのではないかと初代は思った。
「人さらいは!?人さらいはどちらに!?」「あ・・ええと」
その時、初代は思い切ってさっきのことを話そうと思った。しかし、信じてもらえるはずもないし、話したってどうなるわけでもない。
それに、なんだかあの翡翠と名乗る少年が気になる。もう一度会ってみたい。
「・・・白昼夢だったみたい。ごめんね紀伊じいちゃん、小町。」

また初代は夢を見た。
この前と同じ夢だった。何かに追われる夢。ただ、少し違ったのは、追っている「何か」の声が聞こえた。
”ツクヨミヨリモサキニ・・・コノカミノムスメヲワガアマテラスニ!!”
(ツクヨミ・・・たしか翡翠が言っていたやつだ。でもアマテラスって・・!?)
初代はこの前と同じように、足をとめ、後ろを振り返った。

何だこれは。                                    
     . . . .
この前黒いものと感じたもののすぐ後ろに強い光があり、逆光が激しい。それでより一層黒く見える。
その光は強く、ギラギラとしていて、何者もよせつけぬかのような力を持っていた。
初代は、確かにその光はすごいものだとは思ったが、あまり良いものにも思えなかった。
それが近づいてくる。ーけれど体が動かない。
初代はもう終わりだ、と感じた。

肩に、何かが触れた。

第三話 

January 15 [Mon], 2007, 18:34
しばらくして、初代は仕事を終わらせた。
「紀伊じいちゃーん。仕事終わったんだけど、何か他にやることないー?」
それを聞いた紀伊はカッと目を見開き初代の方を向く。
なりませぬ!!初代様は姫様でございます!!これ以上は何がなんでも仕事をさせるわけにはいきません!!」鬼の形相である。
「でも、内殿に居てもつまらな」「いけません!!もしなにか仕事をさせて初代様がケガでもされたら私はどう小町様に言えばよいのですか!!」
「・・分かったよー・・・。」(敬語直せって言ったのにー)
初代は渋々部屋に戻ることにした。

内殿の初代の部屋に戻ってもやることは何もない。とてもヒマである。
「・・退屈だー・・・。」つぶやく初代。
「・・こうなったら紀伊じいちゃんの仮装でもして強盗事件起こしちゃ」ゴンッ。
「痛っ!!」後ろから殴られた。「ちょっと小町何す・・・・・」

「なーに言ってんだおめーは」

その声の持ち主は小町ではなかった。後ろをふりむくと、記憶にない、知らない少年が立っている。
雪のような白い髪で、緑の衣をまとっている。その衣よりも深い緑の二つの目が初代を見ていた。
「・・・だっ・・誰!?マサカ拉致とかもくろんでる?もしそうだったら人呼ぶよ!?」
「違ェよ馬鹿。俺はお前を拉致りに来たわけじゃねー」「じゃあ何!?何しにきたの緑さん!!(←仮名)」
「誰だ緑さん!!俺の名前は翡翠(ひすい)だ!!よーく頭ン中刻みこんどけ!!」
というか、誰なんだろうこの人は。
                   
「俺はあんたを迎えに来たのさ、初代姫。」

(迎えに来た・・・・?というか、なぜこの人私の名前を知ってるの・・・?)

第二話 

January 15 [Mon], 2007, 17:55
初代は目を覚ました。(・・・さっきの夢は・・・)
窓を見るとまだ東雲らしく日は出ていない。
「・・あー。眠いけど眠れない・・・・。しょうがないし、起きよ」
あれから十年の月日が流れた。ここにはもう戦乱の炎はない。”白子の乱”は三年前にようやく終了した。この乱で生き残った邦は全部で十二。子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の十二邦のみ。
その他の邦は文字通り消滅した。
 ねずみ
ー子の手によってー

初代は絹を思わせる黒く長い髪を束ね、部屋を出た。夏になったとはいえ、まだ肌寒い。はだしで歩くと、その寒さが体を冷やす。
「小町〜・・いる?」「んー?・・ねむ・・あ、おはよう初代・・・いつも早起きだな」
「おはよう小町。ごめんね起こしたりして。」
小町と呼ばれた十五、六歳の少年は笑って手を振る。
「いいってそんなことォ俺そんなの気にしないから。」にっと無邪気な笑みを向ける。それにつられて初代も微笑む。
「ねえ小町。私・・夢見たの。多分昔の夢。きっと・・小町が私を拾ってくれた時の夢」
「なっつかしいねぇそりゃ。今から十年前の話だろ?」
「うん。小町が泣いてる私を助けてくれたから私は生きられたの。小町が、私の手をとってくれたのがすごくうれしかったんだよ。小町の言う「当たり前」があの時、・・・。”白子の乱”の時に言ってくれる人、いなかったんだから。」
「そりゃ違うな。初代の両親なら絶対言った。俺、覚えてるし。言わなかったっけ?俺を助けてくれたの初代の父ちゃんと母ちゃんだぞ?」ー初耳だ。
「そう、なんだ・・・。」そう言って、初代は幸せそうに笑う。
P R
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なんだかもうだめな小学10年生です。
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