イタリア留遊 67日目

June 27 [Fri], 2008, 6:50
6月26日(木) 67日目 晴れ
giovedi 26 giugno bel tempo

 これまでにもタクシーには何度か乗ったが、このところの暑さのせいで乗車回数が増えている。なにしろミラノでは地下鉄も電車も冷房がきいていないのだ。冷房がきいているのはデパートやショップ、国鉄の新しい鉄道車両、ホテル…そんなもんか。この家にも冷房はなく、かなり寝苦しい。
 俺が日本でタクシーに乗って嫌だなーと思うときは、運転手が怖そうに見えたとき、運転手の態度が悪かったときなどであるが、そんなことを言っているとミラノのタクシーには乗れない。
 今日乗ったタクシーの運転手は、ドクロマークのTシャツに、オレンジいるの短パン、サンダル履きで、完全にヴァカンス・スタイルだった。そして腕にはド派手な入れ墨が、おまけに目が全く見えないサングラスも着用していた。前にも書いたが、ミラノのタクシーではCDやラジオがデカデカと流れていることが多い。もちろんそれは運転手の好みである。「俺の愛車に乗っけてやってもいいけど…」みたいな感じだ。怖かったのだが、頑張って会話を試みてみた。
それでは本日のやり取りを、思い込み翻訳でお楽しみください。ちなみに彼は俺と話すとき、どんなに飛ばしていても、バックミラーごしに俺を見ながら話していました…怖いよ。

M(モッシモ)「○○までお願いします」
T(タクシー)「○○な…合点承知の助…と…」
前の車が急に停まる。T「チッ、危なぇーなー、何、停まってんだよ」
M「気をつけて…」
T「あの爺さん84歳だからよ…すぐブレーキ踏むんだよ…」
M「84!? イタリアでは84歳でも働いていいの?」
T「知らね。辞めねぇんだよ、あの爺さん。アンタ、日本人? 何しに来た?」
M「日本人だよ。ヴァカンスに来たんだ。イタリアは初めてさ」
T「フーン、この暑いミラノにヴァカンス? ま、いいや。寿司食ったか?」
M「寿司!? 何でミラノで寿司!?」
T「ミラノで寿司は大人気なんだぜ。寿司、美味ぇーよ。あと日本の女の子は可愛いよな」
M「ミラノの女の子も美人が多くていいよ」
T「俺のダチさ、日本人と付き合いたくて、ようやく付き合えたと思ったら韓国人だったんだぜ、ダッハッハッ…ミラノはどこ行った?」
M「昨日、スカラ座でオペラを観たよ」
T「フーン、スカラ座か…。あそこでトロンボーンを吹いてるのはダチでさ…」
M「本当!? 君もオペラ観るの!?」
T「全然観ねーよ。寝ちまうから」

…そうこうしているうちに着き、チップを含めて払ったら
「いらねーよ。これで寿司でも食ってくれ。それか日本人の女の子を紹介してくれ」
と言って、少し多めに戻してくれた。

 ミラノにお越しの皆様、もしもタクシーご利用の際は、運転手を決して見かけで判断してはいけません。そして片言で十分ですので、頑張って話しかけてみましょう。きっと彼らは喜ぶでしょうし、皆様の旅の良い思い出になることでしょう。

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