20世紀少年〜21世紀少年とつづき、とうとう終わりを迎えましたが、終わってなお謎が残るのがこの作品だと思います。
そこで私なりにこの作品について、考察してみたいと思います。
物語の結末について、ネタバレがあると思うので、まだこの作品を読んでいない方はこれ以降読み進めないことをおすすめします。また私は単行本読者のため、スピリッツ本誌だけに掲載された事実があったとしてもそのことは知りませんので、目を瞑っていただけたらと思います。
やはり、この作品でもっとも謎なのは“カツマタ君”の存在です。
カツマタ君は本当にいたのか?また本当にいたとしたら、ケンヂたちの同級生だったのか?本当に理科の実験の前の日にしんだのか?さまざまな謎が残ります。
ここからは私なりの解釈ですが、カツマタ君はケンヂたちの同級生であり、本当に理科の実験の前日に亡くなったのだと思います。
この物語は過去と未来が交錯するので、古い時代から紐解いていこうと思います。
まず、バッジ盗難事件、ここで濡れ衣をかけられたのは、カツマタ君でしょう。そのあとサダキヨにキリコが誰かとたずねた相手もまたカツマタ君でしょう。ここまでの話はおそらく、サダキヨとフクベエがともだちになる前の話だと思います。
このあとカツマタ君はいじめられ、死んだ同然の扱いを受けた描写があり、本当はカツマタ君は死んだのではなく、このいじめが発端で死んだことにされたと取れなくもないですが、私はこのあと何らかの理由でカツマタ君は本当になくなったのだと考えます。
理由としては、いくらなんでも生きている同級生が、死んで幽霊になっているといううわさを、いじめに加担していた人間ならまだしも、関係のないケンヂたちもしているのはあまりに不自然だからです。
カツマタ君が死んだのならばフクベエ亡きあとのともだちは誰だったのか?という話になりますが、私は非科学的ではありますが、カツマタ君幽霊説を唱えます。
なんらかの理由でなくなったカツマタ君は、理科室の幽霊となります。
そして、ドンキーが理科室の水槽のポンプの電源を入れに行った日、事件は起こります。
あの時、ともだちの首吊りショーを見たドンキーはそれを否定し、迫ってくるヤマネとサダキヨから逃げようと窓に向かいました。そしてそのあと何か恐ろしいものを見た描写があります。おそらくそれがカツマタ君の幽霊だったのではないでしょうか。首吊りのトリックが外れたフクベエはそこで死にかけ、幽霊になったカツマタ君に憑依されたのではないかと考えます。
その後、二重人格に近い形でフクベエは成長し、カツマタ君はフクベエの人格の影に隠れて存在していたのだと思います。
そして、また理科室に集ったあの日、フクベエの死と同時にカツマタ君は表舞台に出ることができたのではないでしょうか?そのときにフクベエの肉体を使ったのか、別の肉体を使ったのかは分かりませんが、おそらく前者で、一度フクベエは死に、そのあとカツマタ君として息を吹き返したのだと思います。
ここで疑問なのは、最後に出てくる屋上の覆面は誰かということです。
おそらくこれもカツマタ君だと思います。
まず、ここで出てくるカツマタ君はバーチャルアトラクションないの存在であり、実際のこの時代にカツマタ君が生きている必要はありません。
ヨシツネと、響子とカンナがバーチャルアトラクションに入り、ともだちと万丈目にあった理科室の首吊り事件のときに、ともだち、つまりカツマタ君によりフクベエは足を引っ張られ殺されています。
おそらくこれ以降、バーチャルアトラクションのなかの、フクベエの人格は消え、カツマタ君がフクベエとしてこの世界を生きていたのではないかと考えます。
ともだちが「ぼくこそが20世紀少年だ」というシーンがあったと思いますが、これは自分が20世紀にしか生きていない存在であることのあらわれのような気もします。
ほかにもこの考えに至るにはいくつか理由がありますし、この考えでもやはり納得のいかない点も多々あります。
ただ一つこの物語を読んで思ったことがあります。
“小さい頃の友達のことはちゃんと覚えておこう”
同級生が揃いも揃って、子供の頃の秘密基地のマークを見てもピンとこない…
カツマタ君が死んだか死んでないかも分からない…
フクベエが当時仲間の輪の中にいたのかもわからない…
ひどすぎます…