後ろ姿の 

January 25 [Fri], 2008, 22:09
「新入生の諸君――」

聞き飽きた台詞を聞き流しながら先程出会った人物を思い出した。
二年か、三年か――
どちらにしろ自分よりは年上なんだろう。
それにしてもあの馴れ馴れしい態度は一体なんなのだろう。
思い出すだけでも苛立つ。
ただ、どうしても頭を過るあの時の眼差し。

「俺、小動物好きだから」

その時の眼差しがとても優しかった。
だけれども、小動物が好き?
人のことをバカにしているのだろうか。
あ、苛立ってきた。
忘れよう、忘れようと心の中で呟いた。

漸く長い始業式が終わった。
クラスに着けば担任の自己紹介と今後の予定が発表される。
特に大事そうなこともないので、ぼうっと窓から見える空を見つめる。
(長閑だなぁ…)
柄にも自分らしくないことを思った。
どうしたものかと自問するが答えは自分自身でさえ、わからない。
考えるだけ無駄だと気付けば、何もすることがないことに気付いた。
始業式というものはなんでこんなにも退屈で仕方がないのだろう。
(早く野球がやりてぇな…)
そう願っても仮入部は来週からだ。あと数日またなければならない。なんていう
地獄だ。
ため息を吐くと同時に担任からの話が終わったようで起立と号令がかかった。
慌てて立ち上がり、言葉通りに身体を動かせば、ぞろぞろと皆帰ってゆく。
それに倣い、鞄を肩にかけ、教室を出る。
校門に続く道程を歩き、足を止める。この直ぐ近くに野球部の練習所があるのか、カキーンとバットでボールを打つ音が聞こえた。
辺りをキョロキョロと見わたす。そして目の前にある校庭の奥のほうに金網で敷き詰められた球場を発見。
練習を観るだけなら大丈夫だよな、と自分に言い聞かせ、練習場に近づく。

あまり目立たないような場所から観ようと、草木で生い茂った場所から覗くことにした。
桐青の練習着を来て、練習している部員がこんなに沢山もいる。
今はポジション練習をしているらしい。皆が自分のポジションに立ち、監督からのノックを受けていた。
それはゴロだったり、フライだったりと様々だ。ゴロをキャッチし、華麗にファーストまで投げる。
少しでもミスをすれば監督からの怒声を受ける。その声に少しだけびびったのは内緒だ。
漸くポジション練習を終えたのか、次は打球の練習だ。マシーンで投げ出されるボールを打つ練習。
その中でも特に綺麗に外野に飛ばしている人がいた。後ろ姿しかわからないが、綺麗な音を出し、飛ばす。
(すげぇ…これが桐青なんだ。)
ごくりと唾をのんだ。だが、それと同時にわくわくとした気持ちになった。
あの凄い人たちと一緒に練習が出来る、それは何て言う幸せなのだろう。
技術も磨けて、良いことずくしではないか。それに今の後ろ姿しかわからない人にもしかしたらバッティングを観て貰えるかもしれない。どういう人なのだろうか、やっぱり野球部!って人なのだろうか、考えるだけでも楽しい。
(くぅ〜…今からでも練習にまじりてぇ…!!)
高鳴る鼓動をなんとか抑え、その練習姿に後ろ髪をひかれながらも家に帰ることにした。

出会い! 

January 19 [Sat], 2008, 21:53
誰かの声に、ふと目を開けると、ブラーンと伸びた見慣れないネクタイが現れた。
それを目で追う。
活動停止を食らっていた脳が、それに必死で追いつこうとする。
片目を擦ると、靄が飛び散る。
その途端、人間の瞳と目が合った。
ビクリと、心臓が飛び跳ねる。
口から音が零れ落ちていく。
ガタンと音が鼓膜に響いて、気味が悪い。

「プッ、あーっはは!」
「え、あ」

さっき目が合った人間は、笑い転げる。
それを尻目に、辺りを見る。
公共の物のくせに、見慣れない机に椅子に青い黒板に茶色い教卓。
(あ、)高校の教室だ。
人の気配がしない。
がらんどうとした空間。
ただ物ばかりが主張して、つまらないと感じた。

「あ、一年は、もう収集掛ってんぞ」
「へ、何が…って、あ!」
「何だよ、栄えある入学式だぞ!忘れてんなよー、一年」

目の前にいる人物の声を右から左に流す。
脳内が勝手に色々な言葉を流す。
入学式。一年。高校の教室。見慣れない制服。見慣れない教室。
(そうかそうか、今日は入学式だったのか、だからか。)
どこか妙に冷めてる自分が存在する一方。
(あぁ!やべっ窓際で陽が当たって気持ち良かったから仕方ないじゃん)
云い訳をする浅ましい自分がいた。
葛藤する中、違う部分の脳は、完全に目を覚まし、俺が何をするべきかきちんと理解し命令していた。
すでに立ち上がっていた俺は、障害物を避けて走る。
後ろから、声がした。

「そっちじゃねーよ、こっち」

ガクンと何か衝撃が起こる。
何事かと思い、急いで振り返る。
そこには、さっきの人がいた。
右腕に何か温かいものが触れ、引っ張られる。
気付けば、その人が俺の腕を引いていた。

「あ、ちょ、何するんですか!?俺急がないと…」
「だから、体育館はこっちだつぅの」
「へっ」
「口で言うのめんどくせーから、連れて行く」

ぐんぐん引っ張られていく。

「陸部か何かだった?」
「え、いえ…」
「何で、勿体ねぇ!足かなり、はぇーっぽいのに」

もぞもぞと唇を動かす。
走る床が見える。
たまに、チラチラと制服のズボンが目に入る。
右腕が、ギチギチと機械の様な音がする。
怖くはない。
怖い、訳じゃない。
けど、なんか初対面なのに、馴れ馴れしいのが嫌だ。
気分が悪い。

「あ、此処だ此処。帰る時は、皆と帰れよ」

パッと腕を離され、ポンと頭を叩かれる。
余裕のある行動が、頭にきた。
背が低いことをコンプレックスに思う俺には、嫌味としか取れない。
気分が悪い。

「なんすか!?さっきから」
「ん、何が?」

憤慨だとばかりに声を荒げる俺に、サラリと返すものだから、殴りたい気分になる。
拳を作り、なんとか我慢する。

「連れて来てくれたことは感謝しますが、さっき笑ったり、いきなり腕引っ張たり、何がしたいんすか!?」
「何って…先輩として当然だろ?」
「じゃあ!子供扱いしたりするのもそうなんすか!?」
「いや、そんなんじゃねぇって」
「じゃあ馬鹿にしてるだけじゃないっすか!」
「んなんじゃねーって、ただ俺小動物好きだから、さっ」
「は、い?」

間抜けな声を出してしまった。
先程の感情が、あっさりと崩れる。
今まで傍らにいた人間を初めてまじまじと眺める。
垂れた目に俺より高い鼻に薄い唇。
その辺にいる奴より幾分もかっこいい、とぼんやりと思う。

「あ、ほら!お前!もう行進始まってる!こっそり列混ざってこい」

ほれ、と言って背中を押される。
何が何だか解らない。
頭が混乱する。
押されるがままに、列へと紛れる。
チラリと見やれば、手をヒラヒラと振っている。
それを、体育館に入るまでずっと睨んでいた。






\(^o^)/ 

January 19 [Sat], 2008, 21:43

ついに島迅プログ作ってしまいましたーv
あわわ、愛しの凌様に我儘を言って、出来上がったものです(…
我儘すみませんっ!!
でもめちゃ感謝してます愛し…べぎ(石があぁ

島迅めーいっぱい語ってくださいっ><

ってか、島迅らしくねぇよプログ!(おい
P R
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