夜を噛み千切る 

June 16 [Thu], 2005, 6:46
彼女は僕が与えたドライフルーツを少し荒れた唇で食んでいる
僕はまさにこの自分がそのドライフルーツであることに気付く
彼女の唇は決して潤すことはない
渇き切った二つが寄り添って溶け合うこともないだろう
彼女が僕に重なる
僕は彼女とドライフルーツの境目を知る
きっと、僕と彼女の幸せを全部足したって
この干からびた果実よりは不幸なんだろう
横たわるベッドには月の影
まどろみとは遠く掛け離れた闇
噛み締めてみると繊維しか感じない
無力だ

そらとぶひつじ 

May 26 [Thu], 2005, 18:23
そうして夜が来る
僕は羊で空を飛ぶ
羊は何も言わないけれど
ただ黙って僕を乗せる
毎晩毎晩羊を数えて
毎晩毎晩空を飛ぶ

そうして朝が来る
空飛ぶ羊は死んでしまう
それから僕の知らない場所へ
黙ってこっそり帰ってしまう
羊は何も言わないけれど
ただ静かに僕を残す
毎朝毎朝羊を数えて
毎朝毎朝泣きじゃくる

また夜が来る
空飛ぶ羊が僕のベッドに
ゆっくり忍び込んでくる
僕も何も言わないで
ただ黙って羊に跨る
毎晩毎晩羊を数えて
毎晩毎晩罪を重ねる

また朝が来る
空飛ぶ羊はもういない
羊が残したオレンジジュースを
苦々しく飲み下す
毎朝毎朝羊を数えて
毎朝毎朝笑い狂う

殺されたのは僕じゃない
でも羊でもない
じゃあ何だ?

夜が来る
僕は羊を憎んでいる

朝が来る
僕は羊を愛している

[untitled] 

May 22 [Sun], 2005, 12:33
僕の中の彼女は死んだまま時を止め
僕は彼女を与えられないまま年を重ねた
鳩は撃ち落とされた
そして撃ったのはたぶん僕だ

彼女が望んだ物なんて何ひとつ見つからず
彼女が敬遠する物ばかり拾い集め
それでも愛されたいと願うなんて
我ながら馬鹿げていると思うよ

ミルクの入っていた器はもう割れた
後は幾ら継ぎ足しても溢れるだけだ
偽りはそのまま飲み干すには苦過ぎる
それでも彼女を求めてるんだ
どうも馬鹿げてるだろう?

誰にでも愛の台詞を並べ立てる
僕は快楽主義者
認めてくれなくてもいいから
どうかこっちを見ないで

[untitled] 

May 12 [Thu], 2005, 22:44
淋しい淋しくないを繰り返して
気が付いたときには墜落途中
俺の殻はどこに落ちた?
俺の皮はいつ剥がれた?
ぶよぶよの汚い中身が相手に当たる度
今日と明日の境に棲む鳥が
無遠慮に俺を起こしに来るんだ
俺はずっと此処にいるのに?
俺はいつから此処にいるんだ?
俺はいつまで此処にいられる?
俺は此処にいたいのか?

[untitled] 

May 11 [Wed], 2005, 0:16
血統書付きの人間に噛みつかれて感染した病の名を尋ねても仕方がないことだ。無駄に足掻いて死ぬよりもこの馬鹿げた世の中を嘲笑って死のうじゃないか。一人遊びだけは得意な僕は鳴らない電話と長すぎる時間とをささくれた指でくるくると持て余している。死刑囚が人生なんて射的ゲームさと朝のニュースで狂っていたが実は全くその通りだと思っている僕も狂っているのか。撃ちとった食べたくもない合成着色料入りの菓子ばかり横に積んで幸せになれるほど僕は謙虚なんかじゃない。さて今日も相変わらず夜が来るのだが僕にとっての今日がもしかしたら君にとっての明日かもしれないと思うと少し妬けるね。

[untitled] 

May 06 [Fri], 2005, 6:27
赦しを乞う鳩が右肩にとまっても
限りなく残酷な感情は消えないまま
肥大化していくばかりで
もっと楽に生きようとすればするほど
糸に絡め取られていくのを感じている

満員電車の中
この中の何人が幸せかと考える
唇の端は下がるばかりで
気付く度嫌味に吊り上げてみる

苦くて苦しいだけのキスはやめた
ただ一人で月に煙を吹き掛ける

[untitled] 

May 05 [Thu], 2005, 4:26
理想に押し潰されてスクラップ
ひしゃげた俺を美味しく食べ切ってよ
世界に流される前に
巻き取り型の映写機に映る未来
見たくもないのに押し付けられて
抵抗の如き憎きその顔を投げつけろ
タイル張りのシャワールーム
一人篭って生産作業
友達はみんなかたつむりだし
惜しくもないから爆発した
無知の有知とか分かんないし知らない
でもそれも知能だとしたら
世の中って狂ってる
嫌になる気持ちも分かってくれよ
セメントで埋め立てる君の外堀
痛くもないなら叫ばないで
俺の声が聴こえないだろ

FalsehoodSyndrome 

May 01 [Sun], 2005, 1:07
駄目だ駄目だ駄目だばっか繰り返してると
マジで駄目な人間になってく気がする
本気で駄目だなんて思ったことない癖によ
冗談混じりに切り裂いて噴き出せ
もうあの日の声は聴こえなくなっちまった
耳障りなノイズ音は静けさを呼んで
俺はまだ次のページをめくれずにいる
ってのもホントは嘘だけどね
「真実は何処?」
なんて君は聞くけど実際解ってるんだろ?
俺の舌は真っ黒
ってのもホントに嘘だけどさ

[untitled] 

April 21 [Thu], 2005, 20:09
蛍光ピンクの傘はやけに目に突き刺さる。
それを大事そうにさしている君は先の予定ばかり立てたがるけど、明日もし僕が死んだらその予定も全部チャラだね。
そんなことを君の隣でいつも考えている。

もしかしたらなきたいのかもしれない、とおもう。

[untitled] 

April 19 [Tue], 2005, 0:56
水分は出ていくばかりでちっとも僕の中にとどまってはくれない。だからこうして溢れるままにしておくのだけれど。
何故僕の中にはこの血が流れているんだろう。この血が僕の思考も、命さえも支配しているかと思うとぞっとする。僕がどんなにあがいても所詮はあの人達から逃げられないのかな。そう思ったら何だか笑えてきた。僕は籠の中の鳥なんて愛らしい、儚げなものなんかじゃない。僕は道路に横たわる死んだ野良猫だ。
笑い続けていたら寒くなった。僕は身を震わせた。帰ろうとは思うけれど何処に帰ればいいのか分からない。
P R
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