まず前置きしておくが、私は、「ジャニーズがショーの途中で上半身を脱いだ写真」は、「児童ポルノ」として扱うべきでないと思うし、個人的には、現行法上、「児童ポルノ」に該当しないのではと考えている。というのは、ジャニーズのショーは、そもそも、歌唱・ダンスを見せ、聴衆を元気づけるもので、ストリップショーのような性的なショーとは明らかに異なり、ジャニーズのショーの過程で、上半身裸となって歌う写真が撮られたとして、それは、「1つの思い出」であり、「性欲を興奮させ、刺激する」ものでないため、「児童ポルノ」から除外される
と考えるからだ。
ただ、あくまで改正案の提案者である私は、改正対象でない現行法の定義規定について
権威ある答弁をする立場にはないため、質疑答弁では、現行法についての個人的見解は
述べなかった。
http://www.hanashiyasuhiro.com/modules/news/article.php?storyid=194
ところが、民主党案は違う。
民主党の案では、18歳未満の者の性器等(男性の乳首を含む)を殊更強調する描写物は、
性欲を興奮させ、刺激させようがしまいが、全て「児童ポルノ」となってしまう。
これについて、民主党案提出者の枝野衆議院議員は、「ジャニーズの場合は、
上半身裸であって(乳首が特に大きく表現されていて)も、それは『殊更露出したり
強調したりしたもの』ではないため、民主党は『児童ポルノ』から除いたつもり。
ジャニーズでなければ当たる。」旨の、私には良く分からない答弁を繰り返していた。
ただ、少し法律をかじった者からすれば、民主党の法案は、すなおに読めば、
ジャニーズの上半身裸写真を児童ポルノの対象としてようとしているとしか思えない。
だから、私は、質疑の中で、「(民主党さんの案では)、民主党が除外したと称している
『ジャニーズの上半身裸』も『児童ポルノ』になりますよね。」としつこく質したわけだ。
枝野氏の答弁は、何が当たるか、何が当たらないか、答弁を聴けば聴くほど極めて
あいまいで、多分民主党案が成立すれば、警察権力が市民生活に介入するきっかけを
与えてしまうかも知れないという印象だった。
「誤解による決めつけ」派は、私がジャニーズ上半身裸規制を推進しているかのような
喧伝をしているが、事実は全く逆で、私は、6月26日、民主党案ではジャニーズ上半身
裸の除外ができないのではという強い疑問を呈し、民主党案の危険性を指摘したわけだ。
なお、民主党案は、枝野氏の答弁では、私には、「たとえ性器等が露出してなくても、
おしりや胸が描写されていれば、着衣でも児童ポルノになり得る場合もある」と解釈
せざるを得ず、これでは、現行法よりもあいまいになってしまう。また、枝野氏の
答弁によらず、参考人(法律家)の答弁によれば、民主党案では、性器等が露出・
強調されていない児童の盗撮画像や緊縛画像は、児童ポルノから除かれることになる。
いずれにせよ、民主党案の定義は、かなりアブナイ。
2 「『サンタフェ』を廃棄しろ」って誰が言った?
先にも述べたように、宮沢りえさんの「サンタフェ」が、
「児童ポルノ」に当たるのか否か、見ていない私としては判断のしようもない。
「児童ポルノ」に該当するものは、どんなに有名な女優であってもアウトだし、
「児童ポルノ」に該当しないものはセーフとしか言いようがない。だからそう答弁した。
さらに、今回の与党改正案は、現行法の定義規定に変更を加えていないため、
改正案以外の定義規定の解釈について、私が有権的な解釈・答弁を行うことができる
はずもない。立法時、児童のヌードは基本的には「児童ポルノ」にということで検討し、
その上で、「性欲を興奮させ、刺激するもの」に限るという限定を付したが、
立法時考えられた医学書、家族の記録のほか、施行後、裁判所により、「性欲を興奮させ、
刺激するもの」の具体的内容が判示されるに至っている。判例の詳細な引用は省くが、
具体の書籍が「児童ポルノ」に該当するか否か、私は、第1義的な解釈権を持つ所管
省庁が判断すべきと思うし、ミリオンセラーにもなった有名な書籍であれば、
政府も、問い合わせに対応する位のサービスはすべきであろう。なお、「サンタフェ」
については、私も後で聞いたが、衆議院法制局によれば、「判例に基づけば『児童ポルノ』
に該当しないのでは」とのことで、私が「『サンタフェ』を廃棄しろ」と言ったなど、
誤解に基づく決めつけも甚だしい。