桐生親子の事件録−1 運命の出会い 

August 14 [Fri], 2009, 0:39
 青く晴れた空を背景に東京の高層ビルとビル群が立ち並ぶ建物が遠くまで続いている。
 その下にはたくさんの人間が一斉にうごめき忙しなく行きかっている。
 ざわざわがやがや…人間たちの話し声が満ち溢れた中にやたら陽気な声が聞こえる。
「君達可愛いねー。もしかしてモデル?俺さあ今日暇だから遊ばない?」
 そいつはスラリと背が高くスマートで髪の毛を明るい茶色に染めた男だった。
 声を掛けられた女達は確かに三人ともとても可愛くお洒落だった。
 ナンパなこの男に対し、しかし女達は少し頬を赤く染めて嬉しそうにはしゃいでいた。
「かっこい〜。」
「仲良くしたーい!」
「あんた達、もう帰んなさいよー。」
 ナンパ男は目がいたずらっぽくクリクリしたとても明るい笑顔のハンサムな奴だった。
 女三人はこのイケメンが一目で気に入って他の友人を出し抜いて
 このイケメンと個人的に仲良くしたくて仕方なくなってしまったほどだ。
「よーし、みんなで仲良く遊ぼうー。」
 ナンパ男はくしゃっと笑って馴れ馴れしく三人の女の子の肩を抱いてさあ行こうと促した。
 このナンパ男は名前を桐生晃と言う。
 今日は久しぶりに仕事を休めたから女好きの晃は可愛い女の子をひっかけに来ていた。 
 晃は面食いなのでちょっと遊ぶんでも可愛い子がいい。
 このあたりはスカウトマンに声を掛けられようと
 タレント志望の可愛い女の子達がたくさん歩いてるからナンパするにも丁度いい。
 今日は可愛い子が三人も引っかかって、かなりラッキーな日だ。
 晃は軽そうな女の子を見極めるのが上手だからさっそくお願いした。
「俺、今凄ーく飢えてんの!これからみんなでホテル行こうよ!」
 女の子達はまだお昼よーと言いつつもはしゃいでいて全然ノリがいい。
 それで晃はいつも使ってるんだろうホテルに三人の可愛い子を連れて行き、
 慣れた感じで一番広い部屋を取った。
 エレベーターの中で晃は三人の中で一番可愛い子にキスをし、部屋に入るなりその女の子を
 壁に押し付けて立ったまま白いフリフリのミニスカートをめくってまず一回楽しんだ。
 女の子はちっとも嫌がらずに受け入れてすぐに喜び出したから晃は簡単な女だな〜と笑った。
 すっかり興奮してる仲間を見て他の二人がブーブー怒ったので、晃は無邪気な笑顔で
「よーし、みんなでオフロはいろ〜。」
 と怒る二人の背中を押して広いふろ場で4人すっぽんぽんで騒いだ。
 平等に残りの二人とも一回ずつ楽しむとまだまだ飢えてる晃は今度はベッドに連れて行った。
 お茶目に笑いながら明るいスケベの晃は
「俺、三人同時にイカス自信あるよ〜。」
 というので女の子達はそんなの無理無理ーと笑うのでさっそく腕前を見せようと
 お気に入りの女の子を真ん中に残りの女の子を両端にして行為を始め出した。
「ちょっとでもずれた子にはなんか買ってあげるよ。」
 そう言う晃に女の子達も最初ははしゃいでいたけどそのうち4人とも変な喘ぎ声や
 呻き声になって最後は3人して鳴き声を上げて約束通り晃は3人同時にいかせた。
 こういう軽い女の子達を集めて一対十でハーレムしてみたいな〜と晃はニヤケた。
 3人の女の子達はハンサムでテクニシャンの晃に裸の身体を押しつけてまだ喘いでいる。
 その汗だくの身体を適当に触っていたけど自分はすっきりした晃は服を着ろよと言った。
「よーっし、みんなで遊びに行ってまた夜みんなでやろうよ!」
 晃と3人の女の子達は飲みに行くことにし大騒ぎをしながら
 まだ4時にもなってない真昼間にホテルから4人で堂々と出てきた。 
 背の高いイイ男が可愛い女の子を三人も侍らしてホテルから出てきた姿はかなり目立つ。
 街行く人々は男も女もうらやましそうに振り返った。
 男たちはいいなーあんな可愛い子たちと…と羨み、女達はカッコイイ男と遊べて…と羨む。
 晃はちょっと目立ちたがり屋だからこうして羨望の眼差しで見られるのはいい気分だ。
 しばらくすると晃達が歩く前方がなんだか人声で騒がしくなった。
 なんだろうと晃がそっちを見ると、
「万里子さん! 僕の何がいけないんですか?」
「万里子さーん、あなたの為に1000万のダイヤの指輪を買いました。結婚してください!」
「貴様、万里子さんをダイヤで釣るつもりか!万里子さんを侮辱している。帰れ!」
「そうだそうだ!金じゃない!僕は貴女の為なら死ねます!」
「君!芸能界に入らないか!君ならトップ女優にすぐなれる!」
「モデルから始めようよー。お姉さん最高だよ!もう俺惚れたー!」
「あんたならうちの店のナンバーワンに今晩からなれる!待って!お願い!」
 男達が10人くらいうじゃうじゃと固まって一人の女の子に群がっていた。
 万里子と呼ばれる女の子はとても澄んだ可愛い声ではっきり言った。
「私についてこないで!ダイヤも芸能界もホステスも興味ないの!近寄らないで!」
 晃の心臓は突然高鳴りその眼は万里子と呼ばれる美女に釘ずけになった。
 万里子と呼ばれる美女も晃の視線に気がついた。
 黒い艶やかな長い髪をふんわりとウエーブをかけて額の真中から分けている。
 額・頬のライン・顎の形、顔のバランスは全て完璧だった。
 眼鼻も綺麗に整って、驚くくらい肌が白い。なんだか内側から輝いているかのような肌。
 こんな肌の人間を晃はかつて見た事がなかった。
 だが何よりも晃の心を虜にしたのは、ゆらゆらと揺らめき輝く黒い瞳。
 吸い込まれる…晃は眼だけでなく心も全て奪い取られた。
 万里子もじっと自分を凝視する男を不思議そうに可愛い表情で見返す。
 とてもしなやかで華奢なスタイルを素敵な淡いピンクの小花柄ワンピースが隠していて
 キレイな胸の形をちょっと強調するデザイン、ふわふわのスカート部分は膝上まで。
 凄く綺麗な足が可愛く覗いていて…もう全てが完璧だった。
 なんて可愛いんだ!なんて素敵なんだ!
 晃と万里子が道の真ん中で止まったので男達も女の子達も立ち止まってしまった。
「ねえ、どうしたの?遊びに行くんでしょう?」
 そう言われて晃はさっきまでまた今晩楽しもうと思った可愛い顔の女の子達を見た。
 びっくりするほどつまらない顔に見える。こんなんだっけ?晃は驚いた。
 別にこの子たちも眼鼻は整い目も大きい。なのに全然違う。全く違う。
「あっ、悪い。もういいや、帰って。」
 晃はもう興味を失った女の子達に笑顔で手を振った。
「ちょっと、何よそれっ!失礼でしょう?」
 女の子達はさっきまでの態度と180度の違いに怒ったがもう晃の目には入っていない。
 そして万里子と呼ばれる女の前にぐいっと立った。
「?」
 万里子は自分の前に突然立ったハンサムな青年を可愛い大きな目で不思議そうに見上げた。
 その顔がまたどうしようもなく魅力的で晃の心臓はきゅーっと高鳴った。
「万里子さん、そいつはなんですか?」
 万里子に群がる男の一人が尋ねた。すると晃は突然万里子の腰をぐっと抱き寄せた。
「俺は桐生晃。万里子の婚約者さ。そうだろう?万里子。」
 晃はそれにどんな反応をしても構わないと思った。とにかく自分を印象ずけたくて…。
 ところが晃に奇跡が起きた。
「ええ、そうよ。わたしの婚約者。わたしたち結婚するの。」
 それを聞いて晃は完全に参ってしまった。運命の手に突然囚われたかのように。




晃と万里子ふたりの人生が変わる出会いにワンポチを
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桐生親子の事件録−2 

August 19 [Wed], 2009, 10:30
「万里子…。」
「…………。」
 万里子はまだ名前を覚えていなかったのでじっと見つめたまま何も言わない。
 晃は万里子を抱き寄せてそのままキスをした。
 そのキスはとても情熱的で、どうやら万里子の心も冗談から本気へと動かした。
 背の高いハンサムな青年ともの凄い美女のキスシーンはまるでドラマのワンシーンの様だ。
 晃は180cmはあるが万里子も170cmはあるようなので遠くからでも凄く目立つ。
 街行く人々はその光景をうっとりと見とれ隣の車道を走っている車のドライバーも
 そのキスシーンに見とれてしまった為に気を逸らし前方不注意で信号待ちの車に追突し
 その後ろの車も次々激突し辺りは騒然となったが
 晃と万里子の二人はそのまま何度も何度もキスを繰り返して止めなかったので
 やじ馬はごった返した事故現場で事故とキスシーンを交互に見比べた。
「行こう、万里子。」
 かなり長〜くキスをしている間に晃が連れてた女の子達も万里子にたかったていた
 男達の群れもいつの間にか去っていた。
 万里子は晃の腕の中でうっとりしながら晃を見つめて可愛い声で言った。
「あなた、名前なんて言うの?」
「晃だよ。万里子、俺は桐生晃。万里子は桐生万里子になるんだ…。」
「あきら…。」
 晃は万里子を抱き寄せてくりくりした目でにこーと笑ったから万里子はすっかり
 晃を好きになった。
 二人で高級ホテルのレストランで食事をし、そのままそのホテルに泊まった。
 その晩は万里子の華奢な身体を抱きしめて晃はとても幸せを感じた。
 こんな気持ちは初めてだった…女好きの晃はたくさん恋人がいる。
 でも実は一度も惚れた事がなかったんだ、あれは恋でも愛でもなかったんだと初めて知った。
「万里子…愛してるよ…。」
 すごくしっとりした肌を抱きしめながら晃は初めて本気で愛を語った。
 万里子は晃を一生虜にするその黒い目で見つめながら吐息を洩らす。
「晃…あなた…わたしを救える?」
「ああ、救ってみせるよ……。」
 と言っとけばウケルだろうと晃は口説き文句として言った。
 万里子はじっと晃を見る。その眼は晃の心を奪う。晃は万里子をずっと抱いた。ずっと…。
 次の日晃は自分の住んでるマンションに万里子を連れて行った。2DKの小さな部屋だ。
 晃はちょっと恥ずかしそうにその辺にちらばる洗濯物やゴミをかたずけて
 万里子にここに座れよとベッドに連れてった。
「今日からここに住めばいいよ。」
「うん…。」
 万里子は可愛く頷き、晃は万里子にそっとキスをしてそのままベッドに二人で転がった。
 晃と万里子はそのままその日からいっしょに暮らすことにした。
 雨が降る静かな夜に二人は手を握りしめ互いを見つめながら互いの事を語り合った。
 晃は小さな頃に交通事故で両親を亡くし、施設で育った。
 万里子も母が亡くなり、実の父とは縁を切っているという。
「わたしの母は父の愛人だったの。わたしは私生児。父は私たちを捨てたの。
 母は優しい大人しい人だった。母は自殺したのよ……。」
「………………。」
 晃は万里子の深い孤独を知った。
 それでわたしを救えるかと聞かれた時、全く深く考えなかった事を晃は悪く思った。
「俺達、寂しい人間同士だったんだな……。」
 寂しい二人は互いに魅かれて運命を感じた。少なくとも晃はそうだった。
 万里子の黒髪がベッドに広がって、綺麗すぎる花の様な顔にかかるのを晃はそっと触れた。
 ただ黙って、晃は万里子を見つめ、万里子は晃を見つめ、二人は朝まで互いを見つめ続けた。
 それからほんの一週間後に晃と万里子は教会で結婚式を挙げた。
 雲ひとつない青空の下、真っ白な教会の中に今二人はいる。
 祭壇の前で純白のウエディングドレスの万里子と黒いタキシードの晃が二人並んでいる。
「貴女は病める時も老いる時も死が二人を分かつまでこの男を愛することを誓いますか?」
 神父の言葉に万里子は可愛い声で答えた。
「はい、誓います。」
 次に神父は晃に向いて尋ねた。
「貴方は病める時も老いる時も死が二人を分かつまでこの女を愛すると誓いますか?」
「はい!誓います!」
 晃はそれこそ満面の笑顔でそう言ったので万里子は恥ずかしそうに笑った。
 晃と万里子は互いに指輪を交換し、
 晃は万里子の顔にかかった純白のベールをあげてそっとその唇に口ずけた。
 教会の豪華なステンドグラスの前で互いに愛の誓いのキスを交わす万里子と晃の姿は
 あまりに美しくまるでドラマのワンシーンのようだった。

 
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桐生親子の事件録−3 

August 23 [Sun], 2009, 11:00
 こうして万里子も晃も互いの事をほとんど知らないまま結婚してしまった。
 晃は実は自分で会社を起こしたばかりのいわゆる青年実業家だった。
 万里子はすごく大人っぽく見えたがまだ18才の女子大生だった。
 万里子はあっさり大学を止めて自分の部屋を解約し晃の家に転がり込んだ。
 万里子の生活・経済的な事情は縁を切ったと言っていたハズの父親が全て面倒みていて
 万里子は実は全く自立した事がなく父を恨みながらも金銭的には依存していたのだ。
 だから晃との結婚は父と遂に完全に縁を切る手段にもなった。
 万里子にとって晃は自分を父の手から救ってくれた存在に見えた。
 晃と万里子は結婚式が終わると二人で区役所に行って二人で結婚届けを書いて提出した。
「これっ、お願いしまーす!」
 明るくて目立ちたがりの晃はどこに行っても注目の的だが、その横にいる万里子を見て
 役所の男どもは全員ぽ〜っと顔を赤らめぼんやりしているので晃は大きな声で言った。
「ちゃんと手続して下さいよ!俺たち結婚したんです!この俺の奥さんなんです!」
「は、はいはい。」
 羨ましいなあ、と男どもの羨望の眼差しを受けて晃はいい気分だった。
「俺の奥さん!俺の奥さん!俺の奥さん!万里子は俺のモノ!」
 届を出して万里子はこれで自分のモノになったんだと、
 晃は歩きながらはしゃいで万里子をクスクス笑わせた。
 晃はほんとに小躍りして万里子の手をひっぱって子犬がじゃれるみたいに万里子にじゃれた。
 夜になったら晃は万里子のお披露目に結婚記念パーティーを友人達と開いた。
「みんな、ご紹介しまーす!この桐生晃のハートを完全に射止めた最高の奥さん!
 桐生万里子で――――――――――――す!」
 晃が仰々しく紹介して万里子は恥ずかしそうにちょこんと現れると、みんなどよめいた。
「か、可愛い……。」
「美し過ぎる……。」
「晃の奴、ちくしょ〜〜!こんな奥さんを…ずるいぞ〜〜〜。」
 万里子がみんなの周りを歩いて挨拶すると晃の友人達は全員真っ赤になってぽーっとした。
「へへへ〜、俺の奥さん、俺のだから、わかる?万里子は俺の奥さん!」
「晃しつこいぞー、畜生ー出会った瞬間さっそく失恋かよー、バカヤロー!
 いっそ万里子さんを見せないでくれた方がよかったー。」
「へへへへへへっへへえへへへへ。」
 晃のニタニタは止まらず馬鹿面で友人達にどーだどーだと自慢して回った。
 晃の側で万里子は黒い艶やかなウエーブのかかった髪をふわふわなびかせて大きな黒い瞳を
 ゆらゆらさせて寂しそうな笑顔で微笑むから男どもはみんな恋をし、ついでに失恋した。
 友人達は晃が子供の頃の不良仲間や大学の友人、晃の会社の仲間ばかりで
 女性が一人もいない事に万里子は気付いた。
「万里子さん、晃は女は全部手をつけちゃうから呼べないんだよ!
 この超遊び人が結婚するってんで晃の女達が泣き騒いですげー騒ぎだったんだ!」
「え……?」
 それを聞いて万里子は凄く不安な脅えた表情をしたので晃は焦った!
「ばっ、ばかっ、ち、違うよ万里子こいつらは大げさに言ってるだけだよ!ほんと信じて!」
 晃は友人たちに黙ってろと合図し、友人たちは舌を出して笑った。
 万里子の心に不安の黒い雲がわいてその白い手を胸においた。
 そういえば初めて会った時も女の子を三人連れて歩いてたわ……。
 万里子が不安そうに黙ってしまったので晃は必死で懇願した。
「お願い!万里子様!この哀れな下僕にどうかお慈悲で微笑んで!」
 晃は万里子に跪きそのハンサムな顔を思いっきり引っ張って変な顔したので万里子は笑った。
 万里子の笑顔を見て晃はホッとした。
 晃はモテまくってきたこの自分をこんなに夢中にする女に出会えるなんてありえないと思い、
 そしてそれがこんなに幸せな事だと知らなかったとうっとり万里子を見つめた。
 万里子は晃を見つめ、晃は万里子を見つめた。
 その晃の様を見て晃の友達はみんな驚いた。
 あのスケベキング晃がまさかこんなにベタ惚れになるのを見る日が来るとは思わなかったと。
 晃は万里子の為に無理して新築の4LDKの高級マンションに引っ越すことにした。
「ほら万里子、この部屋なら全部の部屋が広々してていいぞー。ここで万里子がご飯作って、
 ここで万里子がのんびりテレビ見るんだ。で眺めのいいこの部屋が俺たちの愛し合う部屋!」
 万里子は真っ赤になったが晃は側にいる不動産屋の万里子をうっとり見る目に
 これ見よがしに万里子を抱き寄せてここで俺たち愛し合うわけ、わかる?としつこく訴えた。
 不動産屋のお兄さんは明らかに羨ましそうに晃の新妻・万里子をボーッと見ていた。
 部屋が決まると二人で新しい家に合わせて家具を買いに車を走らせた。
「よし万里子!次はベッドだ!ベッドは大事だぞ〜!」
 何処に居ても明るく自己主張する晃ははしゃぎまくって万里子は恥ずかしい。
「もっと広いのないの?俺と奥さんが愛し合う最高のベッド頂戴!これなんかどうかな?」
 晃はあちこち走り回って、あれこれのベッドに腰掛けてマットレスの弾力を確かめたり
「来いよ万里子!」
 と万里子も一緒に寝っ転がらせて自分が万里子にどんな愛を与えようか考えて悩んだ。
「俺、自分で言うのもなんだけど凄いんだよね、だから広くないと暴れられないからさ。」
 店員は奥さんの万里子の顔を見て真っ赤な顔で妄想しているようなので晃は怒った。
「ちょっと待て、今俺の奥さんに対してイヤラシイこと考えたでしょ?
 これは俺の奥さん!イヤラシイ想像していいのは俺だけ!」
 店員はタチの悪い客に腹を立てながら笑顔で接客した。
「こんなにお美しい奥様で…ほんとーに、ほんとーに羨ましい限りです。」
「へへへ、いいでしょ〜。俺の奥さんだから俺だけはイヤラシイこと考えてもしてもいいの!」
「晃…わたし恥ずかしい。」
 へらへら喜ぶ晃の影で万里子が恥ずかしそうに隠れるので晃は胸がきゅーんとなる。
「万里子、すぐ帰ろう!俺たち今すぐ愛し合うしかない!」
 晃はさんざんあれこれ悩んだ末、気にい行ったベッドを買って急いで家に爆走して行った。
 店内では万里子の残り香を吸いこみちょっとでも旦那の幸運の分け前を貰う店員が続出した。
 2DKの家に帰るともうさっそく晃は万里子にしがみつき、万里子は晃に身をゆだねた。
「万里子…愛してる。」
 万里子も恥ずかしそうにコクンとうなずいた。
 晃は万里子をしっかりと優しく抱きしめ続けた…晃の温かい体温は万里子の心を暖めた。



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桐生親子の事件録−4 

August 26 [Wed], 2009, 1:19
 引越しの昼はよく晴れて、晃は殆どすべて引越センターにお任せの楽なパックで引っ越した。
 妙に広いベッドルームに晃がこだわって選んだキングサイズのベッドを置いて、
 晃の書斎にゲストルーム、28帖の広〜いリビング、
 未来の子供達の為の部屋は玄関から入ってすぐに見えて他の部屋からも
 入りやすくて子供にちゃんと目を配らせられるこの部屋にしようと晃が笑ったので
 万里子はああこの人はきっと子供を可愛がってくれるいいパパになるのねと喜んだ。
 二人で荷物をかたし、夜広ーいベランダに置いたベンチに座って晃は万里子に夢を語った。
「俺、会社を大きくして万里子を幸せにしてみせるよ!」
「わたし、晃が早く帰って来てくれればそれでいいのよ。」
 万里子がそう言っても晃は聞いていないらしく会社の話ばかりしていた。
 晃が熱っぽく語るのを万里子は一生懸命聞いていたら晃の目つきが急に変わった。
 今日は曇っていて月は見えなかったけど晃には万里子が見えていればそれでいい。
「万里子…愛してるよ。こんな気持ちになったのは本当に生まれて初めてなんだ…。」
「晃…一年後も私を好きでいてくれる?」
「10年後も、20年後も万里子を愛してる。」
「30年後も?40年後も?」
「50年後もだ。万里子がおばあちゃんになっても万里子を愛してる。
 死んでもこの気持ちは変わらない…。」
 晃は本気だった。いつもは口説き文句で言うクサいセリフも今は心から語っていた。
 万里子が晃をじーっと見る。そのまなざしは晃の心を奪い取る。
 もう堪らなくなって万里子の艶やかな黒髪に手を差し入れてぐいと引きよせたその時、
 インターホンが鳴りまくった。そして下から野太い男共の声がしてきた。
「アキラ〜〜〜、引越祝い持って来たぞー、万里子さんに合わせて――!」
 晃は焦った!引越し先を内緒にしてたはずなのに!
 しかし晃の会社を一緒に始めた友人たちがいる。
「くそーっ、いいとこなのにいーっ、帰れー、万里子は見せないぞー!さっさと帰れ〜〜!」
「晃ー、なんだよー、お前ちょっとくらいあの美女を見せてくれ―!」
「ばーか、ばーか、ばーか、うりれれれれれれれっ!」
 下にいる友人に大声上げて怒鳴り合う子供の様な晃を見て万里子は笑って
「晃、お友達をいれてあげましょうよ。」
 と言ったが、なんと晃は本気で友人を追い返す気だった。
「だっ、だめだ万里子!あいつらはケダモノなんだ!とんでもないワルばっかりなんだ! 
 部屋に入れたら万里子になんか悪さするに違いない!」
 それは晃であって過去友人の家で飲んで同棲してる女や奥さんに酔っぱらって手をつけた。
 友人に殴られたが晃は悪い悪いと笑って手を合わせた程度の罪悪感しかなかった。
 その後晃に惚れた友人の奥さん達と遊んだこともあるがすぐ飽きてポイ捨てした。
 しかしこれが自分の愛する奥さんだと違う!ちょっとも見せたくない!
 過去晃は自分の付き合った彼女を友人達でまわすような非道な人間だった。
 晃自身は女は喜んでたから別にいいんじゃんと笑っていた。
 しかしそれが万里子にされたら相手を許せない気持ちに変わってしまった。
「晃ー、マジかよ〜、くそー、お前変わったなー!」
 友人たちは晃の様なケダモノではないからごくフツーに憧れの美女が見たいだけだ。
 しかし晃の本気の攻防で諦めてすごすご帰った。
「ふー、ケダモノどもめー。」
 この晃の独りごとを聞いたら友人はそれはお前だろうとツッコむに違いない。
 友人を追い返して晃はさっきの続きにとりかかり万里子を抱きしめた。
 ロマンチックな夜に万里子はうっとりした。
 その後も晃の友人はひっきりなしに奥さんに会わせろコールを続けたが晃はすべて断った。
「ちょっとでいいからもう一回見せてくれ、記念写真とらせてくれ!」
「駄目だ!お前ら万里子の写真をオカズにする気だろー!」
「あったりまえじゃないか、みんなやってるよ!万里子さんでお世話になってるぞー。」
「てめえら許さーん!万里子は俺の奥さんだぞーっ!絶対駄目だ!見るな考えるなーっ!」
「だったら見せるんじゃねーよ、ブアァーカ!」
「カーバ、タコ、ナスーっ!」
 晃は友人たちと毎日激しくやり合った。
 晃の会社はまだ小さくて狭い事務所に野郎が6人で働いてるが全部昔からの友達だから
 遊び人・晃のこの変わりようにみんなびっくりだ。
「変わったな晃。こんな奴じゃなかったのに。」 
 晃は万里子とのドラマチックな結婚と引っ越しが終わると日常に戻って毎日毎日、
 仕事・仕事・仕事に明け暮れ帰ってくるのは真夜中になるようになった。
 帰ってくると晃はひたすら万里子を求めた。
 玄関を開けたとたん笑顔で迎える万里子にキスをしそのまま床に転がって一つになる。
「ハアハア、…晃、ご飯冷めちゃう。」
「万里子、もう俺早く帰ってきたくて、急いで仕事がんばってかたずけたんだぜ。
 ご褒美頂戴!」
 やっと解放されたかと思うと今度はダイニングチェアに座って晃は万里子を抱く。
 ずっとデリバリや外食だったがテーブルの上に万里子が作った夕飯が見えて晃は困った。
 真っ黒焦げの魚、真っ黒焦げのステーキ?黄色いスープ? お、恐ろしい…晃は青ざめた。
 晃が済んで今度こそ解放されたと思って万里子はご飯食べようと言った。
 二人で食べて、同時に吐いて、万里子は泣いてしまった。
「ご、ごめんね晃…わたしご飯作ったことないの……。」
 万里子の傷だらけの指とポロポロ零れるキレイな涙を見て晃は必死で食べた。
「う、美味いよ万里子、ホラ、ううえっぷ、美味い!」
「無理しないで晃、わたしお料理教室に通うわ。」
 晃は飛び上って断固拒否した。
「だ、駄目だっ!万里子は外に行ったら他の男に狙われる!危ない!男はみんな獣なんだ!」
 ケダモノ代表の晃はそう叫んだ。
 万里子が自分の見てない所で誘惑さたらどうしようと部屋にいてほしかった。
「だってこれじゃいい奥さんになれないもん……。」
 万里子の泣き顔があんまりキュートなので晃はまたどーにも堪らなくなって万里子を抱いた。
「晃……。」
「万里子は料理なんかしなくていいよ、そのうちハウスキーパー雇って作らせるさ。
 俺は万里子が食べられればそれでいいんだから。」
 晃は情熱的過ぎて、もう我慢できないとばかりに万里子をベッドに抱えて行くといつまでも
 行為を繰り返して離れず、万里子が今度こそ解放されると思ってもすぐ晃は元気になって
 万里子に自分を埋めるので万里子はずーっと喘いで悲鳴を上げ続けた。
 万里子が驚くほど晃は人並み外れた性欲の持ち主だった。
 晃が万里子と愛しあう為に何故ベッ×の広さにこだわったのかも分ってきた。
 晃は広いベッ×の上をぐるぐる回転したりアクロバチックな運動を取り入れたりで万里子は
 裸で晃の腕の中でクルクルクルクル転がされたりして目が回った。
「晃…お願いちょっと休ませて……。」
 万里子がお願いすると少しは止めるが気が付けば晃が勝手に動いてるからあまり休めない。
 仕事から帰るともうとにかく万里子を求めてくる晃の欲求は果てることがなく万里子は
 ある日なんだかずーっと裸でいる自分に気が付いた。
 仕事のない日曜日は最悪で、朝目が覚めてからカーテンを開ける事もなくひたすら性行為を
 し続けてもうケダモノみたいに喘ぎ続ける晃と万里子がいた。
 万里子も初めのうちはまだよかったのだ。
 実は男性経験がほぼない万里子は晃のテクニックで初めて快感を与えられうっとりしたが
 それが一か月も続くともうすっかり変な感じがしてきた。
 晃とはベッドの上でしか一緒にいなくなった万里子は自分が何なのかわからなくなったのだ。
 しかし女好きの晃はたった一人の女の子だけが欲しくて欲しくてたまらなくなるなんて
 それは晃にとって大変な驚きで晃は人生で最も充実した日々だと感じ最高に幸せだったから
 万里子のそんな気持ちには全く気が付かなかった。
 万里子がどんどん自分好みに敏感になると晃はますます恋い焦がれて夢中になってしまった。
 何しろ以前ならその辺でちょっと可愛い子を見つけると全部ひっかけて遊んでいたのに
 今ではなんと道行くどんな女の子にも全く全然一切興味が持てない。
 一心不乱に仕事をし得意先との付き合いの時間もイライラし、一目散で車を走らせ家に帰り、
 渋滞にあおうものなら早くしろ―っと怒鳴りまくり必死で帰って玄関開けて万里子に
 飛びかかるその瞬間がもうとにかく最高に待ち遠しい。
 まさにケダモノが獲物に喰らいつくかのように晃に万里子は毎日襲われる。


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桐生親子の事件録−5 

August 30 [Sun], 2009, 1:30
 晃にしても自分のこの変化に驚いている。
 もともと女好きだが、今の自分は万里子万里子万里子と頭が変になりそうなくらい
 万里子を求めていて、いくらスケベでもここまでではなかった。
 日曜日は最後には血が出るんじゃないかとわかっていても止められない。
 俺どーしちゃったんだ〜と晃自身でさえおかしいと思ってる。
 本来の晃は飽きっぽいからすぐに飽きて次の女に気が移るのに万里子に対しては
 飽きるどころかなんだか初めの頃よりもうどんどん酷くどんどん欲しくなってきた。
 仕事をしていても万里子の麗しい裸が目に映る…。
 晃はもう我慢できなくなってたまにあーもう駄目だ、一回家に帰ろうかと悩む時すらある。
 晃にとって万里子は初めての本気で、晃の全て全力を傾けて万里子に愛を捧げてる。
 しかし万里子から見れば知らずに恐るべき性欲の野獣と結婚してしまったことになった。
 ある日家に帰った時に万里子がいないことがあり晃は青ざめた。
 もしかして誰かに誘われたか?誰かに襲われてないか?慌てふためいてマンションの
 表玄関に行くとふつーに買い物袋を持った万里子が帰って来て晃は飛びついた。
 万里子はまさかこんな所で何かする気なの?と、
「きゃ…っ!」
 小さく悲鳴を漏らし恐怖で晃から逃げ出したいそぶりをすると晃は土下座して頼んだ。
「お願いだから万里子、出来るだけ外に一人で出ないで俺を待ってて!お願い!」
 と何度も何度も美男が頭を下げ美女に一生懸命頼むこの光景を野次馬が面白そうに見て
「わかったわ、晃、恥かしいからもう帰りましょう。」
 と約束させられるハメになり万里子は約束通り毎日毎日一人ぽっちで寂しい部屋で晃を
 じーっと待ってる暮らしになってしまった。
 晃は生れてはじめて嫉妬心の苦しみをも知った。
 晃はモテるのが当たり前、女は誰でも夢中にさせてきた、そんな自分を愛してた。
 それが今では万里子が誰かにとられたらと不安でいっぱいになっている。
 結婚して法的に安心なはずなのに何故か安心できない晃は万里子を閉じ込めておきたい。
 晃が帰ってくるとすぐに裸にされてまるで動物みたいに絡み合ってばかり。
 万里子が断っても晃は獣だから自分のテクで万里子に無理やり欲しくない快感を与え
 万里子はなんだか晃が怖くなってくる。
 日曜日いつものように晃が離れなくて万里子がへとへとになっていると
 晃は突然日が暮れてから笑顔で出かけようと言った。
 万里子はそれなら朝から出かけたかったと悲しくなったが晃は万里子の気持ちは考えない。
 万里子を買い物に連れて行き素敵な高級フランス料理を二人で食べた。
「万里子に見せたいものがあるんだ。」
 万里子が可愛い顔で晃を見つめるので晃は堪らなくなる。
 晃は万里子を素敵な夜景の見える高台の公園に連れて行った。
「きれい…素敵ね晃……。」
 万里子はそれで夜なのねと晃の思いやりに感じたが、晃の目的はそうではなかった。
「万里子……。」
 うっとり夜景を見ている万里子に後ろから抱きついてくるから万里子は嫌がった。
「晃、夜景を見ましょうよ。」
「うん、万里子と夜景を見るよ。」
 と言いながらすでに万里子の下着を脱がして、万里子は逃げられなくなった。  
 晃はというと外で万里子との思い出をいっぱい作ってみたくなりあちこちの公園とか
 海岸とかちょっとしたデートスポットを二人で制覇する計画に燃えていた。
「晃ー、こら仕事しろよーお前が社長だろうー。」
「うんうん。わかってる。今度ここ行こうかな。ここで万里子を…へへへへ。」
「あんな美女が奥さんじゃなー。おかしくもなるか……。」
 仲間は仕事の合間に奥さんと燃える計画を練る晃に呆れつつ、いいなーと羨ましがった。
 万里子はそんな計画とは知らずに夜連れ出されて晃に外で求められるようになる。
 嫌なのは万里子の本心に関わりなく晃のテクで感じさせられてしまうから、
 晃もこれでいいんだ万里子も喜んでると勝手に思い込まれてしまうこと。
 晃の最高に嬉しそうな幸せそうな笑顔を見ると万里子は何も言えなくなってしまう。
 一度渋滞にあって車が動きそうもないと万里子は疲れてぼんやりしてると
 晃の目付が獣になってると気がついて脅えた。
 晃は渋滞の時間も我慢できず万里子に触り出し、
 無理やり快楽に誘われて万里子は落ち込んでるといつの間にか前の車は動いていて
 晃の車で渋滞していたことがあった。
 後ろの車のドライバーが怒って怒鳴りつけに来るともの凄い美女のしどけない姿を見て
 ドライバーは真っ赤になって興奮した。
「お〜、凄え〜いい女〜の胸が見えるぞ。」
「きゃーっ!」
 万里子は脅え、男が万里子の白い胸を見たので晃は激しく怒り狂った。
「ぶっころすぞこの野郎ーっ!見るんじゃないっ、俺の奥さんだぞーっ!」
 俺の万里子を見せるものかと晃は車を急発進して爆走させたが、
「くすん…くすん…ひっく…。」
 万里子はもうずっと泣いてしまった。
「万里子、怖かったな、可哀想に。」
 晃は万里子をはやく慰めたくて人気のない空き地に車を止めて万里子に伸しかかった。
「大丈夫、もう怖くないよ、俺が万里子を守るから、大丈夫…。」
 そういいながら獣の様に晃は唸り続けた。万里子が恐れているのはこの獣の様な晃。
 晃が怖かった。




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