晴天記 

August 02 [Thu], 2007, 22:30
もう夜だというのに、蝉は時間を忘れて鳴き続ける。
一週間の命を、燃やすように鳴くもんだから、暑くて仕様がないったら。

だから、夏は暑い。

梅雨記 

July 21 [Sat], 2007, 23:31
雨が遠ざかって,ねっとりとした夏がもう其処まで来ている。
テレビから流れる梅雨明け予想を聞き流しながらも,
終わりは確かにすぐ傍にいると分かっていた。

期間だけ無駄に長かった,今年の梅雨。
後少しでも,ほんの少しでも良い。
もっともっと,
ずっと長く。

梅雨記 

July 03 [Tue], 2007, 0:02
天気予報を悉く裏切っていた雨が、遠くから近づいてくる。
このまま宵を眠って過ごすの事が酷く勿体無くて、恐い。
でも、私は同じ位に恐かった。
私の起きている今この瞬間に、目の前で、
其れが向こうへ遠ざかるのをまざまざと聞くのが、
同じに、恐かった。

梅雨記 

June 28 [Thu], 2007, 23:31
漂白剤をたっぷり使って、真白な服たちを外に干した。
嬉しそうに揺れる服たちを見て、
私はそんな日を望んでいるんじゃないと苛々した。

湿っぽいだけの日に。
暑いだけの日に。
たった一滴の水を。

梅雨記 

June 23 [Sat], 2007, 1:37
明け方の、橙の照明の灯かりに満ちた部屋、
雨の音が聞こえていることに気付いた。
窓を開けて雨を部屋へ誘ってみる。
答えるように、独特の湿った冷気にカーテンが揺れた。

深々と布団をかぶって、目を閉じる。
すとんと眠りに落ちた私は、久しぶりに夢も見ず。
ぐっすり惰眠を貪り続けている。
雨の音がなければ、私はぐっすり眠れることすら出来ないのだと、
改めて実感した。
そして、妙に納得した。

雨だけが、私を殺してくれる。

梅雨記 

June 17 [Sun], 2007, 19:16
まだ出されたままの炬燵の中で丸くなって、
私は雨がやってくるのをじっと待つ。
雨音が聞こえなければ、私はゆっくり眠れない。
雨の日が恋しい。
梅雨が憎い。

梅雨がつれてきたものは、
今のところ、たった二日の霧雨と有難迷惑な日照りだけ。

陽射しの中で、 

May 24 [Thu], 2007, 23:42
揺れる洗濯物は、太陽と石鹸の好ひ香りがする。

洗立てのシーツに顔を埋めて其を心一杯に吸込んでは、

「アァ、今日も私は生きてゐる」と、その贅沢さを実感するのである。

躑躅(ツツジ)の薫り。 

May 15 [Tue], 2007, 0:03
「もう、躑躅が満開ね」
貴方はそう云ふが、何処にも其の躑躅らは見当たらない。
訝し気な私に気付いたのだらう、
貴方は空へ詠ふかの如く、甘い香りがするのだと云つた。
「此処には大変美しき翅の蝶が居るのだね」

なるほど、甘そうに咲く桃というよりずつと濃ひ色、
紅色の花が道の向こふ側に見えてゐた。

雨の気配。 

May 01 [Tue], 2007, 2:34
其れは、
しとしと落ちて往く。
粒が瞼にはつきり影を残す程にゆつくり滑り落ちて往く。

だけれども、私の掌に止まる事さえ無く、
だけれども、私の心に留まる事さえ無く、

其れは、
大声を上げて泣く事も出来ぬ私には用は無ひのだと云つて、
あすこを通り抜けて往つてしまつた。

思惟。 

April 21 [Sat], 2007, 2:17
その穏やかな表情の裏に、穏やかなる感情が流れているとは限らないのに、
人はしばしば表情に騙される。

元気な人が元気とは限らない。
そのことを知らない人が多すぎる。
或いは、気付いているのに、知らない振りをしているのだろうか。
もしそうなら、尚悪い。

しかし、社会はそのことを「悪い」こととは教えない。
P R
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