薔薇の月 

2007年10月13日(土) 4時03分
路地裏にしゃがみこんで見上げる
薔薇の月が昇る
ざわめく不穏な街角
あなたはどこへ消えたの

絡みつく湿った風が
むきだしの腕を逆撫でる
横切る黒猫の爪先
秘密を持ち去っていく

きらりと光る棘
月があざける

早く帰って
全部消して
あたしの胸がただれる前に

したたる赤
ぬるい風と
深い夜が あなたを連れ去る

ひとりきり生きていく未来
枯れていく
棘だけを残して
あなたを隠した暗闇
息を殺して見つめる

輝く千の星と
赤いあたしの胸

戻らないならあたしを消して
薔薇の月へ祈るわ

月が放つ千の槍は
まっすぐに この目に

はやく帰って
全部消して
あたしの胸がただれる前に

泣いても まだ
枯れない まだ
からっぽにもなれない
あの日から

ネル 

2007年10月13日(土) 3時59分
思い出すのは
いつかの君の声
名前もない丘と
いつも強い風

次の季節はいつも
あの山のむこう
雲が動く音がする
ねぇ、聞こえるでしょう?

果てしなく広がる空の間
天使のかけら
風が大地を呼ぶ
丘の上で

大人になった僕は今
あの山のむこうで
ここに季節はないと知る

次の季節はいつも
あの山のむこう
雲が動く音がする
ねぇ、聞こえるでしょう?

果てしなく広がる空の間
天使のかけら
風が大地を呼ぶ
丘の上で

氷河 

2007年10月13日(土) 3時57分
日々、
微々蓄積される
疲労を
辛労と名付けるばかりに
心労と化す
甘えた思考により
欠勤の言い訳を
病欠とする

自主性に委ねられた日常は
週末の惰眠のためだけに機能し
また運命線が変容する

太股の付け根が
あの感触をまた蘇らせて
否応なく濡らす
器官

読み返した物語は
まだ序章で
あの日暗転したまま
はるかに期待を
下回る冷酷さで

あのふくよかな唇は
未だ、
さよならとも動かない

モールス信号 

2007年10月13日(土) 3時55分
限りない空の下
あなたの呼吸が
風になって
あたしの髪を撫でた

笑い声が
微かに聞こえる

まあるい愛は花車
花びらのひとつひとつに
ひともじずつ刻んで
7枚を丁寧に
読み上げましょう

あいしています

言葉は桃色になって
あなたの指にふれるでしょう
そのたびに
あなたとあたしのまぶたの裏で
ちかり、
ちかり、
と、光るでしょう

それは蛍のおしりのような
静かなモールス信号です

あいしています

あいしているよ

夢の指先 

2007年10月13日(土) 3時53分
浅い夢の中で
いただいた口づけは
小鳥のように慎ましい
ジャパニーズキス

カラクリだらけの箱庭
実はソフトな君の内側が
感触を伴ってやってくる

夢から覚めない背中
飛べそうな翼
殻から出れないカケラ
溶けそうな甘さ
眠れぬ夜を越えて丸まる

この想いの確かさを
抱き合って知ろう

君がやってくる方角は
軽やかなにおいでわかる
怖がらないから
肌寒い風が吹いたら
何にも似てないふたりになろう

ハナミズキ 

2007年05月11日(金) 1時51分
凛とした
生命力の春がきて
咲き誇るのは、
未来

蘇る
通り過ぎた記憶は
今になっても
甘やかな
芳香を放って
瞬間に
あの時点に
魂を連れていく

右に感じる存在感
右手が知っている
つながる感じ

愛らしい未来は
もうすぐそこ

街中に
花言葉が
咲きこぼれている

灯り 

2007年05月11日(金) 1時49分
薄い胸を
思い出している
もう空想でしかない顔が
笑う

すべらかな腰のラインと
甘い息が
あの日の灯火

連なる結晶を
散りばめましょう
探すと消える未来ならば
歌うように恋のふりで

恋人でならなければ
いけなかった日々は
もう幕を閉じたのだから
もう泣かなくていいよ

愛はひとりでも
灯していけるわ

未来 

2007年05月11日(金) 1時49分
世界の端と端でも
「つながっているわ」
言い切れるしなやかさを
くちびるに刻もう

綺麗事だとしても
「信じたもん勝ち」
の汚れた世界の中ならば
大事なのは
形あるものだけにすがらない事

さあ、未来をこの足で
迎えに行こう。

ジングルベルも聞こえない 

2007年05月11日(金) 1時48分
ジングルベルも聞こえないほど
日常が追い立てる
聞こえるのは
鳴り続ける非常のベル

救出してよ

耳のふちが切れるような夜更けに
ありがちな台詞で
握られた手が幕開け
暗がりのくちびると
ぎこちなく伝う指の先

燃やしてよ、早く

あなたがつけた
左の乳房の跡は
もう、とうに消えてしまった

どうして冬は
いつも長いのだろう

どうしてあなたは
ここに
いないのだろう

天秤 

2007年05月11日(金) 1時47分
同調しては
引き剥がされて
天秤針も中心を見失う
情緒的な目線だけで
召しませ爪先から

遠回しな調教なんて
手に入れてからのお楽しみが
目減りするだけなのに

さあ、旅情的な言い種で
ヌードを差し出してよ
骨張った肩に噛み跡を残すみたいに

時間をくださいなんて言い訳
くだらない

あの地平から太陽が光ったら
あたし、消えてしまうのよ
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