猫は秘密の場所にいる(2)|波津彬子

June 20 [Mon], 2011, 13:05

猫は秘密の場所にいる(2)
著:波津彬子(小学館)
読書期間:6/20
満足度:★★★★

セレブ・ロマンスコメディの頂点!!

伯爵家の跡取りで、文句無しの美男、富も地位も申し分ないのに何故か結婚が決まらないコーネリアス・エヴァディーン。双子の花嫁候補の不可解な要求、元婚約者からのワケ有りな誘惑、父からの説教などなどに振り回され続ける彼の将来は一体・・・!?
そして謎めいた猫・ヴィルヘルムの活躍はいよいよヒートアップして・・・?
必読「うるわしの英国」シリーズ第2弾!

え、結婚しちゃうの!?
びっくりびっくり
自分の中では、坂田靖子の「バジル氏の優雅な生活」が底本としてあったので、ヴィクトリアのように「彼」以外を選ぶものだと勝手に思ってました

相変わらずの安定感で、収まるべきところに収まるのが心地いいなぁ

謎解きはディナーのあとで|東川篤哉

June 15 [Wed], 2011, 13:46

謎解きはディナーのあとで
編集:東川篤哉(小学館)
読書期間:5/27-6/15
満足度:★★★

執事とお嬢様刑事が、6つの事件を名推理!
ミステリ界に新たなヒーロー誕生! 主人公は、国立署の新米警部である宝生麗子ですが、彼女と事件の話をするうちに真犯人を特定するのは、なんと日本初!?の安楽椅子探偵、執事の影山です。
彼は、いくつもの企業を擁する世界的に有名な「宝生グループ」、宝生家のお嬢様麗子のお抱え運転手です。本当は、プロの探偵か野球選手になりたかったという影山は、謎を解明しない麗子に時に容赦ない暴言を吐きながら、事件の核心に迫っていきます。
本格ものの謎解きを満喫でき、ユーモアたっぷりのふたりの掛け合いが楽しい連作ミステリです。

連作短編のくせになかなか読み進めず時間がかかってしまった
はーやっと読み終わった
本屋大賞1位!
このライトな語り口は時代が求めているものなのか?
本屋大賞の基準がいまいちわからない
書店員が「売りたい本!」を選ぶんじゃなかったっけ?
メディア展開が決まって売りやすいから押しちゃうってことなのか?
「このくらいの軽い本ならお客さんでも読めるっしょ〜」と言われてる気がしないでもないと、穿った見方をしてしまう

初期の赤川次郎を思い起こすなー
面白くない訳じゃないけど、これを1位と言われると、他にもあるでしょと思わずにいられない
有能な執事の割には執事描写が弱いし、推理ものとしてはトリックがあっさり
これはこれとして、割り切って楽しむと面白いかもね

特設サイト開くと、櫻井ボイスで流れるように罵倒されますけど、これはいいねー
中村祐介キャラデザでアニメ化して欲しい

逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成<F>|アンソロジー

April 18 [Mon], 2011, 18:00

ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<F>
編集:大森望(東京創元社)
読書期間:3/27-4/18
満足度:★★★★

「西暦2000年を境に日SFは不死鳥のように復活し新たな春を迎えた。新しい動きや時代の空気を実感していただければさいわいです。本巻には、現代を舞台にした“すこし・ふしぎ”系の物語を軸に、幻想小説や寓話系のものも含め、時間を扱ったSFや、世界の成り立ちをめぐる奇想小説を収録しました。現代SFの豊かな広がりと多様性を示す12編をお楽しみください。」──大森望

恩田 陸「夕飯は七時」
三崎亜記「彼女の痕跡展」
乙 一「陽だまりの詩」
古橋秀之「ある日、爆弾がおちてきて」
森岡浩之「光の王」
山本 弘「闇が落ちる前に、もう一度」
冲方 丁「マルドゥック・スクランブル“−200”」
石黒達昌「冬至草」
津原泰水「延長コード」
北野勇作「第二箱船荘の悲劇」
小林泰三「予め決定されている明日」
牧野 修「逃げゆく物語の話」

こちらもチマチマ読みました
本を読むのは非日常にいきたいから
忙しいときの方が本を読みたくなるんだよねー
今日本全体が「非日常」ななか、物語の「非日常」に「こんなもんじゃねーんだよ、現実は」と突っ込み入れたくなる気持ちもなきにしもあらず
特にSFはね
でも<S>よりはこっちの方が精神的には良かったな

大森望『逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成〈F〉』序

ではなた簡単な寸評を
■恩田陸「夕飯は七時」
恩田陸らしい短編
投げっぱなしの結末ENDも、この短さなら気にならないな
いのちのパレード」は今度読んでみよう

■ 三崎亜記「彼女の痕跡展」
自己憐憫全開
なくしてしまった「彼女」を思うのではなく、彼女をなくしたボクの方がかわいそうでしょ?って感じがする
「喪失」に対して絶対喚いたり走り回ったりしないで、ひとり顔を覆って泣きながらも、指のスキマからチラチラこっち見てる感じがうざったいなぁ
となり町戦争」「失われた町」と読みましたが、三崎亜記はあわないことを何度目かわからんけど確認しましたよ

■乙一「陽だまりの詩」
ZOO」で既読
あくがないと言えばない
これって延々ループしていく話なのかな
乙一といえば「切ない」だそうで、これは確かに切ないお話なんだけどね
それ以外の話にはあんまり興味持てなかったので、アンソロジーで再び読めたのは貴重

■ 古橋秀之「ある日、爆弾がおちてきて」
リリカル!
やっぱりSFには「空から降ってくる美少女」は必須なんですよ!
ちょっとひねた主人公、学校の屋上、おせっかいの幼なじみ、晴れ渡る空
さぼってるのに絶対誰か迎えにきてくれるってのがもうね!

■ 森岡浩之「光の王」
その昔、岩明均が描いた「ネオ・デビルマン」思い出した
いや、思い出したらいかんのよ

■山本弘「闇が落ちる前に、もう一度」
時間ものの中では恐怖なんだけど、これ読みながら「あー、だったら私24歳くらいの時でいいな」と思った
どうせならそのくらいの年の頃のがいいじゃんか!

■冲方丁「マルドゥック・スクランブル“−200”」
マルドゥックシリーズは、バロットにあんまり興味ない
ボイルドとウフコックの方が燃えるっしょ
のわりにはまだヴェロシティ読んでない
このコンビで事件解決連作短編がしがし書いて欲しい

■ 石黒達昌「冬至草」
うーーーん
男の人が書く物語
女だと、いくらでも退廃的に幻想的に耽美に書けそうな気がするところを、あえて泥臭くというか

■ 津原泰水「延長コード」
これがSF?といわれると違うような、言い張られるとそうなような
でもイマイチわかりませんでした

■ 北野勇作「第二箱船荘の悲劇」
四畳半神話大系のアニメ観たあとだとすんなりわかる気がするぞー
増殖する建物って、やっぱり楽しいなぁ
私の最初の「増殖建物」との遭遇はもちろん「うる星ヤツら2 ビューティフル・ドリーマー」の夜の友引高校
北野勇作はものすごく好き!という作家ではないのだけど、実家帰るとついつい本棚の置きっぱなしの「かめくん」を再読してしまう
何度読んでもわかったようなわからんような不思議な気持ちになる本

■小林泰三「予め決定されている明日」
え、えげつない
ホラーで有名な方だそうで、そっちは範疇外なので、初小林泰三ですね
世界の構築そのものより、「彼女」の今後の人生を考えると、もう悲しくなってきた
いや、ある意味誰よりも幸せなんだけど

■牧野修「逃げゆく物語の話」
思い出したのは、「クレヨン王国新十二ヶ月の旅」に出てきた「手紙」
解放する羊に抗う重い重い足取り
やっぱりこの手のものはヒトガタが萌える

叫びと祈り|梓崎優

March 26 [Sat], 2011, 13:09

叫びと祈り
著:梓崎優(東京創元社)
読書期間:3/18-26
満足度:★★★★

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第五回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。大型新人の鮮烈なデビュー作。

これはぶっちぎりなのも納得
最初の「砂漠を走る船の道」が衝撃的

Why done it ?

なぜこの状況下で殺人を犯すのか
色々考えながら読んだけど、まさかそんな真相とは!
異文化とはかくも異なるものなりき
自分の持っている「先入観」を思い知らされる

ただ、一番最初の「砂漠を走る船の道」が衝撃的だっただけに、その他はちょっと失速気味だったかな
「叫び」でまたおおっ!と思ったけど、「祈り」でわりとメンタルよわよわなのねって思ったし
ま、若いしな!
この設定で続けようと思えばいくらでもいけたのに、あっさり1冊でまとめたところもぐー
本当に本物の「期待の新人」でした

進撃の巨人(1)-(3)|諫山創

March 25 [Fri], 2011, 12:51

進撃の巨人(1)-(3)
著:諫山創(講談社)
読書期間:3/24-25
満足度:★★★★

巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

話題のマンガを一気読み
確かにこれは衝撃!
絵は下手だし見づらいし主要キャラ3人以外は何が何やら見分けつかないし
欠点あげればきりがないけど、設定と勢いだけで乗り切っちゃえカモーン!
面白いなぁ

よくわらない敵が、理由もなく、攻めて来る
それに抗う残された人類

巨人の出現によってライフラインが途絶え、食料も安定確保できなくなり、城壁都市を築いて立てこもらざるを得なくなった文明的に退化した人類の崖っぷち感と閉塞感
そんななかでも根拠なき楽観論が幅を利かせること
共通の敵を持ってしても、人類が一致団結することなどあり得ないこと

この設定だけでいくらでも行けますわ
確かにこれは誰かと語り合いたくなる本
謎もドンドン出てくるし、続きが楽しみ

ハルシオン・ランチ(1)|沙村広明

March 22 [Tue], 2011, 15:07

ハルシオン・ランチ(1)
著:沙村広明(講談社)
読書期間:3/22
満足度:★★★★☆

『無限の住人』の沙村広明氏、超待望の最新作!!
会社が倒産し、職も家族もいっぺんに失ったさえない男・元(げん/38歳)の前に現れた、ちょっと寡黙な美少女・ヒヨス。彼女の特技は、リヤカーだろうが何だろうが、食べちゃうこと。
この、使えなさそうで本当に使えない特技の美少女と38歳無職(オトコ)のふたり組のロードムービーの行く手には、ちょっと壮大なSF的展望が待っているはず!!

くだらねぇ
なんたるくだらなさ
でも面白いぞ
ノリツッコミを一人でこなす元が可愛い
あいかわらずオッサン描かせたらうまいなこの人
脳内妄想、おっさん、ツルペタつり目美少女、グロ、ひねくれ文学青年、エロ
なんか好きなもの全部つっこんだんだろうな〜
サブカルネタも全然わからないんだけど、わからないまま突っ走って「サブカル?オシャレ?なにそれ」なままなのが面白すぎる

1話で登場したときは単なるモブキャラだと思っていたメタ子ちゃんがドンドン可愛くなっていくのがみどころ
嘔吐少女ヒヨスもいいけど、絶対メタ子でしょ〜
あとAA犬はフィギュア欲しいね

乙嫁語り(2)|森薫

March 21 [Mon], 2011, 12:26

乙嫁語り
著:森薫(エンターブレイン)
読書期間:3/21
満足度:★★★★

しあわせも不安も越えて結ばれる、遊牧民と定住民の昼と夜。
遠くからやってきた騎兵の群れは、アミルのお兄様と、おじ様たち。結婚式以来のなつかしい顔ぶれに、大きな笑顔を見せるアミル! しかし馬上から見下ろしたまま、おじはこう言った「逆らうつもりか、村へ帰るんだアミル」……!!!
悠久の大地を舞台に描かれる、20歳のヨメと12歳のムコとの恋愛、そして……。人気絶好調、第2巻!

花嫁奪還に兄襲来!
面白いしスゴいのはわかるんけど、どうもアミルさんを好きにも嫌いにもなれない私
アミルだけじゃなくて、森薫作品の登場人物全般だけども

嫁心ついてきたアミルにしろカルルクにしろ、ドラマチックなんだけど感情的にはそんなドラマチックじゃないんだよな
家族愛(一族愛)強いけど性愛の要素が薄いせいか、子作りしてる夫婦に見えないもんね
だからカルルクの奮闘が、やっぱり雄として弱く感じちゃうんだよな
少年の通過儀礼的な戦闘、そして大人になるための段階をがっちり見せるなら、ここは逃げずに「男と女」で描いていただきたかった

でもそれは追々で、次はガッツリ描くんでしょうねー!と思っていたら、どうやら舞台が変わるらしいとの噂が
ファンタジーのように読んでいたけど、このままガッツリ歴史や政情を盛り込んでいくのかしらん
それはそれで楽しみ

ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成&lt;S&gt;|アンソロジー

March 18 [Fri], 2011, 15:51

ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S>
編集:大森望(東京創元社)
読書期間:3/11-18
満足度:★★★★

「00年代(西暦2000年〜2009年)の10年間に国内で発表されたSF短篇から、歴史に残る作品をよりすぐった傑作選。2冊セットで通読すると、この10年の日本SFの動向が実感できる仕組みです。本巻には、SFの求心的なベクトルを代表する、主に宇宙と未来(もしくはテクノロジーと人間と機械)を描いた11編を収録しました。直球ど真ん中の現代SFをご賞味ください。」──大森望

野尻抱介「大風呂敷と蜘蛛の糸」
小川一水「幸せになる箱庭」
上遠野浩平「鉄仮面をめぐる論議」
田中啓文「嘔吐した宇宙飛行士」
菅 浩江「五人姉妹」
上田早夕里「魚舟・獣舟」
桜庭一樹「A」
飛 浩隆「ラギッド・ガール」
円城 塔「Yedo」
伊藤計劃+新間大悟「A.T.D Automatic Death■ EPISODE:0 NO DISTANCE, BUT INTERFACE」
神林長平「ぼくの、マシン」

1.2編読んだところであの大震災
読み進むのに凄く時間がかかった
押井守のファンだけど、押井守的状況に陥るのはもちろん好きじゃないのよ

ゼロ年代SFの集大成!というよりは、エッセンスを掬いとってちりばめましたって感じ
一編一編は短編だったこともあり「代表作?なのかな…」と思うも、全部読み終わるとギュッと濃縮還元の「バラエティに富んでるなー」とわかる1冊
SFをそんなに読まない私にとっては美味しい本だった

しかし読むの辛かったなぁ
震災前はひねくれた設定が好きだったはずなのに、そんなの吹き飛んじゃった
SFには未来や希望や人類の英知を語っていただきたい
「大災害後or大戦後に混乱を極めた世界、その後を生き抜く人類」って、SFのテーマとして鉄板だったはず
けど自分がその状況に陥るとは思わなかった
だいたい「終末後の世界」というのは、俯瞰した視点で語られるものなのだ
物語では数ページ、数行で語られるはずの「混乱」が、まっただ中ではこんな風に感じるんだな

「大惨事」が起こった時、パニックになったりデマが飛び交ったり、大混乱が起こるものだと思っていた
そうじゃないんだ
皆がみんな、自分たちが正しいと思ったことを言い、恐ろしいから目をそらし、逃げる人に石を投げ、でも表面上は淡々と……
事態が好転してるのか膠着状態なのかすらわからない状況で、でも日常は送らなきゃいけない
あと10年経って、何を思うのだろうと他人事のように考えながら過ごした1週間だった
あれはあれで、私の心が逃避中だったのかと思う

大森望『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉』序

では簡単な寸評を
■野尻抱介「大風呂敷と蜘蛛の糸」
トップバッターだけど一番最後に読んだはなし
あー、これ最後にとっておいて良かった
大風呂敷は宇宙に舞うのだよ
いいお話

■小川一水「幸せになる箱庭」
老ヴォールの惑星」で既読
小川一水のロマンチストっぷりはあまり好きじゃないのだけど、1編くらいなら楽しめるんだな
神々の暇つぶしですよ

■上遠野浩平「鉄仮面をめぐる論議」
ブギーポップ、ED以外で「ナイトウォッチ三部作」があるのは知っていたんだけど、これは番外編
虚空牙とかスタースクレイパーとか、いちいちネーミングがカッコよすぎて身悶えちゃう
ラノベテイスト万歳!
絶対的な異端児であり孤独だけどイノセントな人の物語って好きだなー
その人が幸せそうなほどにかわいそうで、イラッとしながらニヤニヤしてしまう
シリーズ初出は2000年ということは、10年以上前の物語なんだ
これも一気に読みたいけど、他作品とリンクしてるみたいだし、また読み直し作業から始めるか

■田中啓文「嘔吐した宇宙飛行士」
タイトルどおり、嘔吐しながら宇宙を漂う宇宙飛行士
想像以上のくだらなさ
これぞ「読みとばし推奨」ですな
小川一水の「漂った男」とも似ていると言えば似ているのかな
ただこっちは誰も助けたがらないという悲しさ
個人的には、目を蚊に刺されるというのがどれほどのものかと想像して参った
こんなアホ話なのに、ハッピーエンド?なのも凄い

■菅浩江「五人姉妹」
五人姉妹」で既読
臓器提供のためのクローンとレピシエントの物語を、こんな風に描けるんだと改めて感嘆
菅浩江は品のあるの叙情的になりすぎない女性らしさが好きだ

■上田早夕里「魚舟・獣舟」
初・上田早夕里
魚舟・獣舟」の表題作
選者の大森望が大絶賛していたこの作品
たしかにこの短さでこの世界の引き込みっぷりは素晴らしい
子供のイタズラから大罪、彼女の絶望までが少ないページでずっしりとのしかかるような重さを伝える
彼の仕事って「上弦の月を喰べる獅子」のあの一家に似てない?
殺し続けるけど結局は無意味だってところもね
私、海洋世界の物語けっこう好きなんだよな
これは一冊どっぷりつかりたい

■桜庭一樹「A」
少女アイドルに対して、かわいいね〜と大人視点で見ることができるようになったのはいつのことだか
可愛く無邪気に愛らしくイノセントであること
でもがんばり屋で負けず嫌いであぶなっかしくて放っておけない
そんな「アイドル」はいついかなる時代も必要なものなんだなー
彼女たちがメディアの中でキャピキャピやってくれてるだけで癒されるってことはあるんだよ
スポットライトを浴びる彼女たちの「非現実」を見ることで、私たちの「日常」を確認する
偶像は作られるものか、神はもともとおわすものか
たしかに今時の神は48人と多すぎるけどな

■飛浩隆「ラギッド・ガール」
グラン・ヴァカンス―廃園の天使」に至る物語
仮想世界誕生秘話ということらしいのだけど、未読なのでちょっとわからない
「彼女」の異質さが、陵辱という非道に対して非現実的な目でしかとらえられなくなってくる
これ、ずっと読みたいと思って手を出してないだよなー
文庫で読みたい

■円城塔「Yedo」
くだらないのか壮大なのかわからないけど、世界が瓦解する最初の最初のひとかけらとはこんなものなのかもしれない
短編集の中で、さらに少ないページ数の本作だけど、なんというかこうコメントに困ってしまう
ものすごく面白いんだけど、ジョークの裏の意味を探ってわからないまま笑っちゃう……え、深い意味なんてないよね?って感じ
本当は「Self-Reference ENGINE」を収録したかったそう
こっちもチェック!

■伊藤計劃+新間大悟「A.T.D Automatic Death■ EPISODE:0 NO DISTANCE, BUT INTERFACE」
割と直球ハードボイルド
伊藤計劃は読もうと思ってもなかなかページを捲れない、私にとっては苦手な作家さんでした
いい加減読みたいとは思っているのだよ

■神林長平「ぼくの、マシン」
零がいた!お久しぶり!
あなた本当に子供の頃からこんな感じだったのね!
もう、頭わしゃわしゃなでまわしたくなった
「ぼくの」マシンを得ることは、異端への第一歩
いいぞ零!

猫は秘密の場所にいる(1)|波津彬子

March 16 [Wed], 2011, 23:18

猫は秘密の場所にいる(1)
著:波津彬子(小学館)
読書期間:3/16
満足度:★★★★

待望の刊行開始。華麗なる「英国社交界」ストーリー。
社交界きっての美男子、コーネリアス・エヴァディーン。伯爵家の跡取りで独身の彼はいつだって注目の的。そんな彼のもとに現れるのは、花嫁衣装をまとった「幽霊」、東洋の美しき鳥を携えたワケありの淑女等々・・・。お洒落でミステリアスな英国を舞台に描く大ヒット連作。もちろん「猫」も活躍しています!!!

「うるわしの英国シリーズ」文庫化!

震災後、ささくれだった心がホッとした
ウェルメイドでお約束の物語にここまで癒されると思わなかった
自分が被災したわけじゃない
でも緊張状態にあったんだなーと色々実感した
事態が今も不気味に進行中という、放り出されるような状況に耐えるのは辛いなぁ
終結が見えないのが辛い
なにかこう「結論」というか、だれかに「断定」してほしがっている
答えを貰いたくて、でも誰もがいろんなことを言っていて、その中から「自分で選びとる」ことが恐ろしくて仕方なかった

自分が「緊張している」ことに気づけただけでも、かなり意識は変わったのかな
「物語の力」をここまで身に染みて実感したのは初めてかも知れない

英国を舞台にした連作短編
私が森薫の「エマ」にイマイチ乗り切れず、坂田靖子の「バジル氏の優雅な生活」や波津彬子の英国作品の方が好きなのは、力の抜け加減なのかなぁ
英国風俗に対する愛情というか執着というか、調べたもの書きたいことを全部突っ込みました!というような過剰さは、少々息苦しく感じる
あくまでも「舞台装置」とした英国での物語の方がすんなり胸に染み入る
良かった良かった
続きも買おう

ふたりの距離の概算|米澤穂信

March 08 [Tue], 2011, 2:01

ふたりの距離の概算
著:米澤穂信(角川書店)
読書期間:3/7-8
満足度:★★★★

春を迎え、奉太郎たち古典部に新入生・大日向友子が仮入部することに。だが彼女は本入部直前、急に辞めると告げてきた。入部締切日のマラソン大会で、奉太郎は長距離を走りながら新入生の心変わりの真相を推理する!

謎がイマイチ謎じゃないと言うか、しょぼい心理を引っ張りすぎな気がする
と、思うのもわかる
でも「田舎の閉塞感」をどこまで身近に感じているかいないかで、この物語の評価は違う
些細なうわさ話、ご近所さんの評判がどれだけの威力を持って長期間潜伏するか
身を以て知っていると、「彼女」がおびえてしまう理由がものすごくわかるのだ
心配だからこそ、いろいろ謎な行動をとってしまうのもわかるんだ

ほろ苦青春小説
このほろ苦さを過去のもの、関わりのないものとして楽しみたかったけど、たぶんそれだと凄くつまんなく感じたんだろう
人それぞれ
やっぱり小市民シリーズより古典部のほうが好きだ
早く次も出ろー
P R
プロフィール
  • アイコン画像 ニックネーム:shino
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「満足度」を★5点満点で付け始めましたが、極私的な評価ゆえ作品の善し悪しを示すものではありません
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