■松永天馬最後のあいさつ・家畜の国を遠くはなれて
2012.01.02 [Mon] 00:21

或いは前衛都市のアーバンギャルドより。



さらば2011年。
君は厳しく、冷たく、酷薄で、非情な奴だった。
獰猛で、野蛮な獣。君は我々を罠につきおとし、檻の中へと陥れた。
君は物理的にも精神面でも我々を揺さぶり、現実をつきつけ、絶望へと晒した。
僕らの病気は常態化したよ。
いや、しかしながら、だけど、初めから気づいていたんだ。
我々の病気は治らないって。
だけど生きていくしかないって。

こんにちは2012年。
君にはまだ、顔がない。
君の顔を、僕らは未だ想像できない。
君の肌はガラス細工だ。遠くに闇が透けている。
或いは、遠くから見つめると、君は鏡のようでもある。
君を見つめようとすればするほど、君の瞳に映った自分の顔ばかり気になってしまう。
君の瞳の奥にある闇に火を灯そうとすると、自分の心が晒されるみたいだ。

ウェブログ勃興期にヤプログ!を選び取り、ブログを書き始めたのは、当然のこと『家畜人ヤプー』の連想からだ。
この国、家畜の国では、今日も誰かが記憶を記録し、鏡のように反射する窓の外へと投げあげている。
時間を経て、方法は「つぶやき」や「つながり」へと敷衍したけれど、基本的な態度は変わらない。
我々は記憶を記録する。
「日記は他人に読ませるためのものではなく、自分で読み返すためのものだ」と、小学校で習った。
だから人の日記は盗み読みしちゃいけないし、自分の日記をみだりに見せるものじゃない。
しかし先生。だとすれば、現代人にとっての自分とは何でしょうか。
記憶の記録が共有されることによって、私はいつか我々になり、やがて誰かになる。
僕は僕かもしれないが、書かれたものが僕自身である必要はない。そう考えている。
この記録は、いずれ私のものではなくなる。
ワールドワイドウェッブの波を漂流し、いずれ誰かにでもなればいい。そう考えている。


松永天馬のヤプログ!における記憶の記録は、ここで巻末となります。
この続編は、アメーバブログへとジャンプする。

アーバンギャルド松永天馬の記憶の記録
http://ameblo.jp/zeneitoshi/



神様、もし願いが叶うなら、
生が長大な死の予告編でありますように。
お楽しみはこれからだ。

家畜人よ、
R.I.P.



松永天馬(アーバンギャルド)


P R



2012年01月
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松永天馬(アーバンギャルド)


1982年、東京生まれテクノポップ育ち。同志社大学で神学を、早稲田大学でロシア文学を学ぶ。演劇活動を経て、アートEDにか患るがなんとか完治。現在ポップユニット・アーバンギャルドでヴォーカル、作詞作曲、アートワークなどを担当。詩の朗読や映像を盛り込んだパフォーマンスはポップにしてシニカル、 童貞的執着と処女的情熱に満ち満ちている。

また個人の活動では詩のボクシングへの出場(第一回選抜式全国大会チャンピオン)やヴィデオアート制作などがある。


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