進化する痛み止め

March 07 [Thu], 2013, 14:10
「生理痛は仕五のないこと」と思っている人がいます。

しかし「痛み」は体のアラームサインです。

原因がありますし、その原因を突き止め、痛みを解消したいと思うのは当然のこと。

今はそれが可能です。

生理痛も未熟な子宮が原因で起きている場合は、やがて解消します。

問題はそれ以外です。

「月経時に子宮内膜を押し山すために出る、子宮を収縮させるプロスタグランディンという物質が多すぎると生理痛が起こる」とはよくいわれます。

生理痛の一因ですが、ただそれでは出血が始まった後の痛みがなぜ起こるのか、わからないことになります。

月経が始まってから痛いというのは、おなかの中に悪い月経血がこぼれて炎抗が起きているからです。

細胞からはサイトカインがたくさん放出されて炎症が起き、細胞や血液から何種類もの発痛物質が出て、痛みのシグナルを神経に送っています。

細胞膜のリン脂質からはプロスタグランディンが作り山されて痛みを強め、さらに炎症をひどくしています。

おなかに炎抗が起きているとき、痛みを強めるプロスタグランディンのでき方を見ると、細胞膜リン脂質がアラキドン
酸という脂質に姿を変え、そこにシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素が働くとプロスタグランディンの仲間が、また5 -リポキシゲナーゼという酵素が働くとロイコトリエンという物質ができます。

ふつう生理痛などのときに使う痛み止め(非ステロイド系消炎鎮痛剤)は、COXを止めて、炎症と痛みを抑えようという薬です。

ところがCOXにはCox−1とCOX-2の2種類あることが、1990年代になってわかりました。

Cox−1は人のすべての細胞にいつもあって、円粘膜の保護や腎機能の維持など、体を保護する働きをしています。

子宮を収縮する作用は、このcox−1の働きでできたプロスタグランディンが起こしています。

一方、炎症が起きたときなどに出るCox−2が作り出すプロスタグランディンは、痛みを強くしたり、炎症をひどくさせる働きがあります。

こちらのプロスタグランディンが、炎症という非常事態に過剰に以応し、痛みを強くしていたのです。

出血が始まってからも生理痛が強い人は、このCOX-2が過剰に出てしまうタイプの人だといえます。

cox−2の作作がわかってから、coxの中でもcox−2だけを選んで止める柴「COX2阻害薬」が開発されました。

この薬なら痛みや炎症を抑える効果が高いし、cox−1のいい働きを損なうこともないので、胃を傷めるなどの副作用も少なくてすみます。

生理痛で、これまでの痛み止めが効かなかった人は、cox−2阻害薬を試してみてもよいでしょう。

cox−2阻害薬は子宮内膜症の治療薬となるのではないかという研究もあります。

月経が始まる数日前からcox−2阻害薬を服用していても痛みが軽くならない場合は、おなかの中でアレルギー反応が起こっているのかもしれません。

その場合はリポキシゲナーゼとロイコトリエンに注目します。

これらアレルギー反応を起こす物質が過剰だと与えられるのです。

そこでこれらの物質を止める薬を使う新しい治療も始まっています。

さて、生理痛の強い人はcox−2が過剰で、痛みや炎症を増す、いわば「悪玉」プロスタグランディンがたくさんできる体質だといえます。

プロスタグランディンの原料である脂質に気を配れば、その体質を変えることも可能です。

「悪玉」プロスタグランディンの材料はオメガ6という脂質です。

これはコーン油や紅花油、大豆油などに合まれています。

一方、体を保護する「善玉」プロスタグランディンの材料はオメガ3。

こちらは魚の油であるEPAやDHA、そしてシソ抽や亜麻仁油に含まれています。

オメガ6という脂質も、もちろん体にとっては必裂なものですが、現代の食生活ではどうしてもとりすぎの傾向があります。

そこで、この脂を減らし、オメガ3の脂を取やすと結果として痛みや炎症を増す物質が出すぎることがなくなり、痛みが軽減されるのです。
P R