序章 

2005年12月28日(水) 10時57分

君へ続く

常夏の島へ続く

あの幸せの扉が

もう見つからないんだ

僕の世界は真っ暗だよ

助けに来てよ


ねぇ、カヤ―――――――……

ハジマリ@ 

2005年12月28日(水) 11時01分

どこにでもある風景だった。

街は赤や緑や黄色のネオンで彩られ、
大袋―多分子供のためであろう―を抱えた大人達がせかせかと歩き
恋人同士と見られる若い男女が寄り添いあい、歩く。

もうすぐクリスマス。

世界は幸せ色に輝く。

それでも。
私の世界は闇色だった。




「めい、聞いとる?」

私の前に座る『中崎くん』がそう言った。

「んー?」

聞いていたけれど曖昧に返す。

ガシャガシャと乱雑にアイスココアを混ぜるが
この煩いファミレス内でそんな音は拾われない。

「和風ハンバーグひとつと…」

若い女のオーダーが後ろの席から聞こえた。
それ、美味しくなかったよ。といいたいのをこらえ
再び周りの音に耳を向けると

彼のため息が聞こえた。

仕方なしに其方に目を向ける。

「めい、ホンマに俺の事好きなん?」


「好きやよ」

―――多分二番目に。
あ、友達も入れたらもっと後かも。
それは口には出さない。

「うそつくなや。」

彼の口調が鋭いものに変わった。


「なんで?」

「俺と居たっていつも上の空やんか。楽しそうな顔せぇへんやんか!」

あ。
騒がしい店内に、少し彼の声が響いた。

「…」

「…なんとか言ってや」

「…告ってきたん中崎くんやんか。あたしは、その前から好きな人おったよ。
中崎くんに言われる3年前から。好きな人がおるあたしを好きになったんやろ。
あたしは変わってないよ。自分に非があるんと違う?」


「ッ!!」

彼の目が驚きで見開かれた。


「じゃあ…今までなんで付き合ってきたんや…なんであの日、うんって…」



「自分のものがほしかったから、かな。」


そういった後、サヨナラを付け加えて、お代はテーブルにそっと置き、
レストランを後にした。


彼の声は相変わらず
騒がしいファミレスに消されていった。
P R
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