抑えているその少女の優しく緩んだ口元と少しだけ赤い頬が僕の心拍数を上昇させる

August 14 [Tue], 2012, 19:18
僕の上から立ち上がった女の子は、しゃがみこんで右手を延ばして来た。
綺麗な目で見つめられている。
伸ばされた白く細い腕がとても綺麗だった。
長く真っ直ぐな黒い髪を左手で抑えているその少女の優しく緩んだ口元と少しだけ赤い頬が僕の心拍数を上昇させる。
手をとって起き上がると、僕より頭一つ小さいくらいの少女は、微笑んだ。ショートパンツから伸びる脚は、モデルを思わせる。どことなく大人の表情は、心を掴んで話さなかった。
しばらく歩いていると、この辺りで一番大きな商店街だ、と教えてもらった場所に着いた。
少し歩くと、中央の広場には、綺麗なガラス張りのドームがあり、中は人で賑わっている様子である。
近くの店で、ポイントを使いたくさんの食べ物を買った。
懐かしい物を見るとつい買ってしまう、懐古主義というのはこのことなんだろう。
たった一日でものすごく歳をとった気がした。「学校だけじゃなくて仕事?バイトかなんか?」

「バイトってなんだよ。時々良くわかんない単語使うよな、お前。国から言われた仕事をするすることでIDが使えるんだから仕事するんだろ」

バイトという制度はこの時代には無いらしい。
一回、この時代の国語辞典に目をとおしてみたほうがいいかもしれない。考えてはみたが、国語辞典があるかどうかも微妙な気がしたのでやめておいた。
外国人はきっとこういう状況の中文化になれていくんだなぁ、なんて感心したりもした。
目を開ける。
いつの間に寝ていたのだろうか。
起き上がると、見慣れない家具が目に入る。
体を起こすと、徐々に脳が働き出し、何が起こってしまったのかを再確認した。「く、鋭いところを突くな。まぁ説明してると長くなるから割愛だ。必ず元の時代に帰す。だから、今は普通に過ごしててくれ。準備ができたらまた呼びに来る。そして俺のことは……確かにややこしいな。シュウとでも呼んでくれ。」

「どのくらいかかるの?」

「……すまん。見当もつかない」

核心にせまる質問で、はじめてシュウヤの表情が曇った。
あの時に見せた顔と同じ。
責めても問い詰めても意味がないことをわからされてしまった。
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