Dearest 

2005年07月16日(土) 8時54分
「…好きですよ、貴方が。誰よりも」




名前を知らない男は、よくこのバーで出会った。
初めはカウンター席の隣、それから会話が弾み何時の間にか気心の知れる仲になっていた。
愛を囁く言葉は甘く、陥落しない女は居ないのだろうかと思わせる声色。
だが、生憎そんな言葉を信じれるほど綺麗な世界で自分は生きていなかった。

そして、この男も。

自分は男の素性を知っているが、男は恐らく自分が誰なのかを知らない。
知ればきっと彼は今囁いた言葉を撤回するだろう。


「…で?」
「あいかわらず、つれない」
「言われた言葉をすぐ信じるような性格じゃないんでね」
「…それでも、私は本気だよ。エドワード」


例え男がどんなに愛を囁いても、自分がその愛に応える事はない。



だって、全ての真相が解ったら、アンタは必ずオレを嫌うだろう?



アンタは軍の人間、オレはアサシンギルドのギルドマスター。
これ以上、つりあわない組み合わせはないだろう?



アンタが、こっちの世界に堕ちるのでなければ。
オレはこの気持ちに答えを付けないまま、封じよう。



「…貴方が、たとえなんであろうともね…」


一房髪を攫い取り、口付ける男の瞳は、どこか闇を思わせるほど昏かった。

無罪モラトリアム 

2005年07月13日(水) 22時49分
噎せ返る血の香りは、蹲る男から。
掌を滑る血の感触は、今でも忘れない。


自分も犯人の一人にさされていたと言うのに、気力だけで追いついて
オレを心配した、優しすぎる人。


致命傷まではいかなかったものの、出血の量と刺された部位のせいで三日間昏睡状態になり、その後四日間は点滴と痛み止め、抗生剤の副作用で朦朧としていたようだった。
彼が目を覚ますまで病院で付きっ切りになり、このまま目を覚まさないのだろうかと本気で思った。


「好きかどうかは判らない。でも、あんたのいう事は信じても良いと思ったんだ」


たったその一言だったけれど、あの人にはわかったようで。


「まずは、キスからはじめようか?」


と腕を引っ張られキスをされた。
徐々に知っていけば良いと、笑いながら。

forbidden love 

2005年07月10日(日) 9時08分
『失礼。お怪我は?』

『…いえ、お気になさらず』




道が混んでいた所為で、開演時間ギリギリに劇場近くに到着し、急いでいた所為で一人の女性とぶつかった。
かわした言葉はたった一言だったが、驚きに見開かれた、あの瞳が忘れられなかった。

化け物を見たような、そんな瞳だったような気がする。


私がピアニストである事を知っていて、あえて感涙というような表情ではない。

見事な金髪、バランスの取れた体躯、整った容貌。
神の手で造形されたといってもいい、そんな美しさを持った女性だった。


演奏に集中できず、ふと視線を観客席の方へ移してみれば、一人の観客が席を立ち、ホールを出て行くのが視界に入った。
見事な金髪、服装からして、遠目で見てもあの時の女性なのだと解った。

追いかけたくても、今の状態で追いかけるわけにはいかず、このまま彼女との繋がりが消えてしまうのだけは嫌だった。





forbidden love 

2005年07月08日(金) 23時57分
月光第一楽章から始まり、男は音を奏でていく。
舞台の上に一台だけ置かれているグランドピアノは、照明で光りながら一つの切り離された空間を醸し出している。

プログラム通りの始まり。
エドワードはそっとプログラムを眺めながら、男が奏でるピアノに耳を傾けていた。
隣に座る父親や、反対隣の女性などはじっと演奏に魅入られているかのように聞いていた。

「……」




何故、こんな時に出逢ってしまうのだろう。
会いたくなど無かったというのに。
恐らく此方にもロイに似た人が居ると思っていたが、こんな所で逢うなんて思いもしなかった。

逢えば、未練がましく自分だけを見て欲しいと叫んで縋り付く。

ストレス発散の為につれ出されたというのに、こんな時に会いたくなどなかった。



無罪モラトリアム  

2005年07月06日(水) 7時04分
「鋼の!!!!私の子供が出来たというのは、本当なのか?!」


病院だというのに廊下を走り、病室の扉をあけるなり、少女の恋人は大声で叫んだ。



各地を彷徨い、賢者の石を探しながらエルリック姉弟は手掛りのない儘この暑さでもめげる事無く旅を続けていたのだが、いい加減手掛りもない儘彷徨うにはアルフォンス視点で姉の弱っている姿が目立ち、そろそろ東方へ帰るべきだと思い、姉に黙ってイーストシティへと戻る列車の切符を購入した。

切符がイーストシティ行きなのにすら気が付かないエドワードに、今回は本当に参っているのだろうとアルフォンスは思う。
いい加減、限界に来ているのだろう。
こんな時こそ、エドワードの恋人であるあの人ならなんとかしてくれるだろう、とアルフォンスは期待しながらシートに横たわる姉を見つめた。





forbidden love 

2005年07月03日(日) 17時22分
「ここ、は?」

目が覚めたとき、エドワードは見知らぬ天井の部屋で寝かされていた。
普段泊まっているような宿のものでもないし、どうやらアメストリスとは違った空気が
室内には漂っている気がする。

身体を起こし、窓から僅かに見える街並みはアメストリスではありえない風景と、
文明の進化に、漸く自分が何故ここにいるかをぼんやりと思いだした。


「あぁ、目をさましたか」

そう広くはない室内の唯一の扉から、幼い頃生き別れた父親が顔を見せ、どこか寂しそうに笑っていた。

「・・・ここ、扉の向こう側だよな?」

真理とのやりとりで自分はある事を条件に扉を潜ったのだ。
五体満足に揃い、生身の右手を見ながらエドワードはホーエンハイムに問い、
彼もまた短く肯定の返事を返した。




エドワードはその後、ホーエンハイムに頼み込み、当時にしては珍しく女の身で大学への進学を希望した。
錬金術は一切使えなくなったものの、その天才とさえ謳われた頭脳に詰った知識は計り知れなく、ホーエンハイムの持つ巨大とさえいえるコネクションを頼りに考古学を学びはじめた。

エドワードは、とにかくアメストリスでの関係を自ら投げ出し、それを捨てたかったのだ。

あまりにも、失ったものがエドワードには大きすぎて。
アメストリスで関係していた事を忘れようとしない限り、エドワードには自分の精神が壊れていきそうな、そんな予感を覚えたからだった。

forbidden love 

2005年07月01日(金) 12時21分
愛しているよ、と囁いたあの人はすでにもう何処にもいないのだ。


生きて、それだけで奇跡だったと言う。
でも、そんな軌跡だったらいっそ起きなくてもよかったのに。

そんな事さえ思ってしまった、罰当たりな自分は。


もう、きっと何処か壊れてしまったのだろう。
あの人を通して、愛を囁いたあの人だけを求め続ける。


秘密だったこの秘めた愛は、誰にも知られること無く



殺してしまおう・・・。

たとえばこんなラブソング 

2005年06月27日(月) 23時06分
時折、とても大人びている表情をするくせに、どうしてこんなにも彼は喧嘩をした時に見せる表情は幼いのだろう、とアルフォンスは思った。

たとえばこんなラブソング 

2005年06月25日(土) 22時55分
14歳差で逆転(されど愛しき日々設定)なロイエド子なネタをリク頂いたので、やってみたり。
ワイルドーは少々おまちください。
ひっそりとリザエド子。




始まり↓

あの人は、とても綺麗な人なんだと思う。
罪人である俺を拾って育ててくれている、優しい人。
だからせめてと役にたてるようにと、国家錬金術師になろうと決めたのに。

あの人は、そんな俺は要らないと言った。

WILD ROMANCE 

2005年06月23日(木) 17時05分
初めての告白は、もの凄く色気の欠片も無く。
もう、人生の中で一番情け無いものだと思う。

P R
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