ラブ・パレード 

2007年11月26日(月) 11時57分
開けっ放しの窓から吹き込む、秋の早朝の涼しい風。
額に浮かぶ汗をTシャツで拭う。


君のことを思えばどんなことだって出来るんだ。




ぐっちゃぐちゃ、足の踏み場もない俺の部屋の前に立ち尽くす。
うち開きのドアを開けるのも一苦労。多分ここ1ヶ月は掃除してない乱れよう。

今は午前0時過ぎ。
唯のとこにカテキョにきてた純さんをやっとの思いで誘い出して、2人でファミレスでくだらない話をしてきた。
和哉が迷惑そうにこっちを見ていたけど無視してきた。

ちょうど…純さんが見たがっていたDVDを俺が持ってることが判明して…明日純さんが俺の部屋にそれを見に来ることが決まった。
決まったのはついさっき。

純さんが俺の部屋に来る!
それだけで舞い上がって自分の部屋の状態を考えずにOKしてしまった…。

あ〜…これ終わるかな…。


「…事情はわかったんだけど…なんでオレも手伝わなきゃいけないの…?」
運良くあいていた窓から侵入して眠っていた唯を起こしてきた。
部屋掃除を手伝わせるために。
「明日が土曜日だからだ!」
「理由になってないよ…」
「早起きしなくていいだろ?」
「明日は和兄とデートだもん…遊園地行くんだもん」
「そんなこと俺には関係ねぇ!」
「オレこそ光輝の部屋に純ちゃんが遊びに来ようと関係がないよ!」
その問いかけの返事はせずに唯の手に散らばっていたジャンプを積み重ねていく。
否が応でも手伝わなきゃ帰れない空気作りから。

唯もそれを感じ取った模様。
頬を膨らませながら散らばっている雑誌の整理をはじめている。


「光輝……靴下…」
「あー洗濯物洗濯物」
「これ、いつの靴下?」
「ん〜…わかったら苦労はしない」
「……じゃあこのパンツは…?」
「あぁ、それは大丈夫。昨日か今日」
「……ホントに…?」

多分…多分大丈夫!
汚くない汚くない(笑)




なんとか見られる部屋の状態になってきたころ、真っ暗だった窓の外はうっすらと明るくなってきていた。
時計をみると午前四時過ぎ。
涼しい風が窓から吹き込む。

散らばっていた、俺の服を膝の上でたたみながら唯はこっくりこっくりと小舟を漕いでいた。

あとちょっとなんだけど……俺もちょっとだけ寝ちゃお…。
8時か9時に起きて…純さんが来るのは10時だから…それからラストスパート……。






午前10時の5分前。
光輝の部屋で眠る2人はまだ夢の中。

唯の待ち合わせの時間からは30分たとうとしていた。



多分、ブリザードが吹き込む3分前。

きみのて 

2007年11月26日(月) 0時03分
「なぁ…なんで唯は俺のこと好きなんだ?」
2人でくるまる1つの布団の中、オレの髪を弄っていた和兄が問いかけてきた。
まっすぐと覗きこんでくる和兄の瞳。
優しくて、暖かくて…和兄の愛情いっぱい包まれてる。
この瞬間が一番のオレの幸せで…。
「さぁ…なぁんででしょうか?」
「教える気ないだろ〜コイツめ〜!」
「わぁっ!やっ…やめてやめて〜っ!!」
和兄の体がオレに覆い被さってきて…むにむに〜っと頬をつねられる。
和兄は手加減してるみたいで痛くないけど…なんだかくすぐったいんだよぉ。

「やぁだ…教えてくれないならこのまま泣かせるよ?」
「……いじわる…」
「意地悪じゃないだろ?」
「いじわるだもん…」
頬をつねっていた手がいつのまにか頬を優しく撫でていた。
まっすぐと見つめていた和兄の瞳がいつの間にか近くにあった。

言葉を、続きを、紡ごうとする前に唇を塞がれた。


瞳を閉じる。

オレの髪、体、全てに触れるその手の優しさをオレは昔から知っていたんだ。

和兄は知ってた?
和兄のその手の優しさと強さにオレは小さい頃から憧れていたんだよ。
手を繋いで公園へ連れて行ってくれた。
幼稚園児だったオレをいじめようとしていた小学生に殴りかかっていった和兄の拳。
オレの涙を拭ってくれた手。



和兄のその手がオレに触れる度、オレは和兄の虜になっていくんだよ。





優しいまどろみの中で感じる暖かい手のぬくもり。
そのぬくもりが側にある限り、オレは幸せでいられるんだ。

コイスルオトメ 

2007年11月26日(月) 0時03分
「純さん」
「何?」
「もっとゆっくり歩かねぇ?」
「しょうがないだろ寒いんだから」

純さんは歩くのが早い。
寒い日は特に早足になる。
ポケットに手をつっこんでスタスタ歩いて行ってしまう。
手をつないでくれとは言わないけど、せめてとなりに並んで歩きたいんだけどな。
そう思う俺は女々しいのだろうか。

「光輝君」
「ん?」
「手」
「手?」
「寒くないの?」
「んーいや別に?」
「…そっか」

俺が手袋してないからだろうか。
寒そうにみえるのかな。
純さん冷え症だもんな。

…いや待てよ。
ひょっとして今のは『手をつないでもいいよ』っつうことか?
前を歩く純さんの耳は真っ赤に染まっている。
寒いからなのか、それとも…

「…純さん?」
「何だよ」
「手つながねぇ?」
「やだよ」
即答かよ!!
あきらめずにねばってみる。
「やっぱ手が冷たいんですつないでください!!」
「さっき平気だって言ってたじゃないか!!」
そう言って振り返った純さんの顔はやっぱり真っ赤だった。
「ポケットにつっこんでればいいだろ!!第一手なんかつないだら歩きにくいじゃないか早く帰りたいのに」
「じゃ早く帰ろ!!」
純さんのポケットから手を引っ張り出して、その手を取って走り出した。
純さんはふぎゃーとか叫んでるけど気にしない!!

家につくと殴られた。
「嫌だって言っただろバカ!!」
「純さんが最初につなぎたいって言ったんじゃん」
「そんなこと言ってないだろ!!頭おかしいんじゃないのか君は!!」
「手が寒くないのかって聞いてたじゃん」
「あれは寒いのに君が手袋もしないでいるから、一つ編んでやろうかと思っただけだよ!!」
「えっマジで!?俺のために!?」
「と思ったけどやめた!!帰れ!!」
「えぇ!?泊めてくれるんじゃないの!?」
「うるさい!!今日はもう帰れ!!」

…俺の思い違いだったか。
なんか損した気がするけど、純さんのかわいい顔が見れたからいいや♪


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七瀬とねぎがお送りします、オリジナルBL小説のブログです。
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