プロローグ

February 28 [Tue], 2012, 22:05
春。

それは別れの季節であり、または出会いの季節でもある。
まぁ僕のような高校生という学生の身分にとっては新学期という憂鬱な気分にさせてしまう場合もあるんだけど。


というか、そもそもなぜ春休みというのはあんな短いものなのだろうか…!!!
もっとあってもいいんじゃないか…
はぁ〜憂鬱だ…


「お〜い、ウサミミー」
「誰だ僕がせっかく感傷に浸ってる時に僕の名前をどこぞのコスプレグッズのように呼ぶ奴は!」
「おぅ…今日も調子はいいみたいだな…」
「なんだ…圭吾か…」


このとてもとても失礼極まりない馬鹿野郎は僕の唯一の親友(と言っていい程仲の良い友人)椎名圭吾(シイナケイゴ)だ。なんでも彼の両親は柔らかい名字に反して名前は男の子だとすぐに分かるような名前をつけたがったらしい。確かに『椎名』と聞けば女の子のようなイメージがある。


「なんだとはなんだ、失礼な奴だな」
「人のことをそんなあだ名で呼ぶのは失礼じゃないのかな?」
「いや、うん。そうだな、悪かった」
「分かってくれたならいいよ。そんなセリフを聞くのも聞き飽きたところだし」
「おぅ…相変わらず冷たいお言葉だこと」
「そんなことよりなにさ?せっかく今日は入学式のおかげで早く学校終わったから帰って睡眠と洒落込もうと思ったんだけど」
「お前は相変わらず面白くない生活を送ってんのな…」
「それは人の勝手です」
「まぁいいや。これからゲーセンに行かないか?新しい格闘ゲームが入ったからやりに行こうぜ」
「む…それは良い話…分かった、お付き合いしよう」
「さっすが!宇佐見は話が分かるぜ」
「宇佐見という名字はさっきのあだ名を思い出してしまうので弥生と呼んではいただけないでしょうか?」
「…思わず敬語になってしまうほど先ほどのことをお怒りだそうで…」
「それはもう、ね」
「じゃあとりあえず駅前に集合でいいやな?午後3時に駅前で」
「うん、分かったよ」
「じゃあまたあとでな」


そう言って圭吾は走り去っていった。
と、今予期せずに紹介されてしまったんだけど…僕の名前は宇佐見弥生(ウサミヤヨイ)。高校2年生になりました。ちなみにさっきの圭吾も同級生。
さて、3時集合ならまだ2時間ほどあるからあの『桜』を見てから行こうかな。




と、考えた僕はあの『桜』に向かって歩き出す。でもこの時はまだあんな切ない恋が始まるなんて知る由もなかったんだ。
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