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洗濯用洗剤の成分

洗濯用洗剤には主要成分として「界面活性剤」という成分が含まれています。逆に言えば、洗剤や石鹸は界面活性剤によって汚れを分離させる洗浄剤のことを言うのです。この界面活性剤は動植物油から作られたものと、石油や石炭から作られたもの、そしてこれら両方を合成したものがあります。動植物油から作られた洗濯用洗剤の成分表記は「脂肪酸」「アルキル」「ラウリル」等、石油や石炭から作られた洗濯用洗剤は「ベンゼン」「フェニル」「フェノール」等、両方を合わせて作られた洗濯用洗剤は「アルキルベンゼン」「アルキルフェノール」と表記されています。また、洗濯用洗剤には上記の界面活性剤のほかにも色んな成分が含まれています。たとえば、「酵素」「蛍光増白剤」「pH調整剤」「金属イオン封鎖剤」「再汚染防止剤」などの成分が含まれています。洗濯用洗剤のCMでよく耳にする「酵素パワー」というフレーズがありますが、酵素とは人の体から出るたんぱく質や脂質などの落ちにくい汚れを強力に分解する成分でが、落とす汚れの種類に応じて酵素の種類を選ぶ必要があります。洗濯用洗剤の成分として含まれている酵素の種類はひとつではないということです。酵素の主な種類は4つあって、脂質を分解してくれるリバーゼ、たんぱく質を分解してくれるプロテアーゼ、でんぷんを分解するアミラーゼ、セルロースを分解するセルラーゼがあります。

洗濯用洗剤に含まれる界面活性剤とは?

洗濯用洗剤の成分構成を知るうえで、基礎知識として必要となるのが合成洗剤の主な成分である界面活性剤についての知識とこの成分による洗浄のメカニズムです。そもそも、界面という言葉は「性質の異なる2つの物質の境界面」を意味するものです。つまり、混じりあうことのない物質の間には必然的に境界となる面が存在していて、この境界面のことを界面と呼ぶのです。たとえば、洗濯機の中でまわっている水と衣類と汚れの間にある境界面のことを考えれば、界面という言葉を理解しやすいでしょう。水と衣類の境界面、衣類と汚れの境界面、そして、水と汚れの境界面、すべてに境界面が存在していて、これらすべてを界面ということができます。さて、水と汚れは混じりあわない性質をもともと持っているのですが、洗濯用洗剤に含まれる界面活性剤によって、水と汚れの境界面である界面の性質を変化させ、水と汚れを混じり合わせることができるようになります。この作用で、衣類に付着した汚れを水に溶け込ませて、衣類の汚れを落とすことができるようにするのが界面活性剤の役割です。こんな優れものの界面活性剤という成分の分子構造は、よくマッチ棒の形状で模型化されることが多いのですが、水となじみやすい部分の親水基と水になみにくい疎水基によって構成されているため、水に対しても汚れに対しても様々な作用を及ぼすことができる分子構造となっています。

洗濯用洗剤を使うときの界面活性剤の作用(その1)

洗濯するとき、界面活性剤は汚れに対してどのように作用するのでしょう。衣類などが水に浸った状態にして衣類に付着した汚れをとり、その汚れを水に溶け込ませて、衣類にまた付着しないようにしなければなりません。界面活性剤はそもそも表面張力という力を弱くする性質を持っていて、汚れの成分の表面に界面活性剤がくっついて、汚れと水との境界面にある表面張力を小さくしてくれます。これによって、汚れの成分が水に浮き上がろうとする力が発生します。さらに洗濯機の中で水と衣類がまわる力も加わって、界面活性剤の分子が汚れの成分の表面と衣類の表面の両方にとても安定した状態で付着してゆき、それぞれの表面が界面活性剤の分子で覆われてしまいます。そして、汚れが衣類に再びつきにくくなるのです。こういった感じの作用をもつ界面活性剤の役割を十分に引き出すためには、十分な量の界面活性剤の分子が必要となります。十分な量の活性剤分子が存在すれば、衣類や汚れに付着する界面が存在しなくなって、界面活性剤同士が集まりはじめることになります。このような現象が起きはじめる濃度を臨海ミセル濃度といいますが、この臨海ミセル濃度以上になると、ミセルを形成している分子が衣類から分離した汚れ成分の表面にある新しい界面に吸着して、衣類と水から汚れを分けてくれます。つまり、界面活性剤の働きを効率的にするためには、臨海ミセル濃度以上の界面活性剤量が必要となります。

洗濯用洗剤を使うときの界面活性剤の働き(その2)

界面活性剤は水と衣類と汚れの再付着を引き起こさない働きのほかにも、泡を立てる働きも持っています。洗浄そのものは衣類のような固体と液体の境界にある界面で起きる現象であり、泡立ちは液体と気体の境界の界面で起きる現象です。ですから、洗浄と泡立ちは別々の現象であり、泡立ちが洗浄作用に直接的に影響を与えるわけではありません。でも、泡立ちは一般的に、先述した臨海ミセル濃度以上でよく泡立つといったことが分かっているため、洗浄中によく泡立つ濃度の洗濯用洗剤量を用いれば、効果的な洗浄力があると認識することができます。つまり、泡立ちの状況から洗浄力の程度を把握することができるのです。単純に、よく泡立っていれば、なんか洗濯物が綺麗に洗浄されているような気分になる!といったのがこのことにあてはまります。まあ、特に日本人は泡立ちが大好きな国民性を持っていると聞いたこともありますけどね。とはいっても、泡も固体の汚れを取って包み込む働きをもっていますし、泡は液体と違って軽く斜面などに吸着するため壁や浴槽などの洗浄に便利です。また、少ない液体洗剤量を泡にすることによって広い面積に洗浄剤を付着させることができるといった利点があります。しかし、衣類などの洗濯をするときには、泡が汚れを吸着させてその汚れを包みこむ作用はあまり発揮されません。食器のような滑らかな表面と違い、衣類の繊維などの表面は滑らかではないため泡の大きさでは衣類に付着した汚れを吸着させることができないのです。ですから、洗濯機の中にある泡はあくまで、よく洗浄されているかどうかの目安にすぎないということになります。

洗濯用洗剤に含まれる界面活性剤が環境に及ぼす影響

合成洗剤に含まれる界面活性剤が環境に悪影響を与えすぎていたのは昔の話です。1960年代ころに洗濯用洗剤に含まれていた界面活性剤は化学的に安定している物質で、分解されることがなかったため、洗濯による家庭からの排水が河川の水質を汚染する原因のひとつとされていました。確かに、数十年前までは川で泡立った水を見かけていましたけど、近年ではそのような光景を目にすることはほとんどありません。これは下水道整備が充実してきたことにあわせて、洗濯用洗剤を製造している企業や研究機関である大学の努力によって環境に配慮した製品開発が行われてきたからです。現在は洗剤に利用されている界面活性剤のほとんどが微生物により簡単に分解されるものとなっていて、環境に悪影響を及ぼす危険性はとても低いものとなっています。しかし、環境に優しい洗濯用洗剤が開発されている現在であっても、天然の石鹸であろうとも環境に対する負荷がゼロになっているわけではありません。それぞれの家庭で使用される洗濯用洗剤の量が少量であっても、それらが集まり多量に排水されれば環境へ悪影響を及ぼしてしまいます。この悪影響を少しでも軽減するために、私たち消費者は環境に優しい洗濯用洗剤を選び、それを適正に使用することが大切になってきます。
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