象と同居する最善の方法 

August 12 [Fri], 2005, 12:37
第4群 幸せじゃないのは誰だって同じ

小さい頃、あまり笑わない友達が居た。
否、よく笑う子だったけど、あれは偽りの笑顔ってヤツだと思う。
そんな笑顔を見通していた私も、偽りの笑顔をこの幼さで作っていた彼女も、
きっとどこかで大人びていたのだと思う。

きっと、どこかで。

「ごめん、遅くなった」
すこしうつろな目で笑いながら彼が笑う。
両手にはもう何も無い。黄色いジョウロも、少しの希望も。
いつから
いつからそんな風に笑うようになったのか
きっと聴いても誰も答えてくれやしない
だって人の内面は堅い殻の中に閉じこもってる物だから。
誰も気付いてくれないよ どうせ
「うわっ!」
急にヒカルが変な声を出した。
「な、何よ??」
「黒猫」
指の先には、何も見えない。
振り向くと、ヒカルは居なかった。


「ヒカル・・・?」

ジョウロにやっぱり未練があったの。
それとも私の家にお世話になるのが苦痛になったのか。
いやいや、もしかしたら先に家に帰ったのかもしれない。


でもあっちは家の方向じゃない。
ジョウロだって、きっともう・・・
別に
私にとってあいつは所詮オマケ。だから良いのよ、どうだって。
「もしもし亀よー」
歌いながら
歌いながら
歌いながら

「地球の海でー」

ただ、笑う




「ちっとも、楽しくなんか、ないじゃない」
私とヒカルの出逢いは何の意味も持たなかった。
彼を幸せにするんじゃなかったの?
所詮人と人とのつながりなんてこんなものだ。
私の心に何の余韻も残さず過ぎ去っていく
私と出会ってアイツはどうだった?
大切な物を奪われて
あんな悲しい思いをして
歌を歌って
きっと、偶然だったんだ

偶然




なのに悲しい気がするのは何でだろう




「ようこちゃん、わたしおひっこしするんだ」
「なんで?」
「えへへへへ」

象と同居する最善の方法 

April 26 [Tue], 2005, 19:10
第三群  形を成さないままで

朝の光が眩しい。こんな日常がいつか無くなるとしたら・・・。
私から日常が消えるのか。日常から私が消えるのか。
そんな事をぼんやりと思いながら風で揺れるカーテンを見ていた。

「おはよう」

急に光がでかい影によって遮られる。
「おはよ。あんた今日は早いのね?」
少し嫌味っぽく言ってみる。それでもオマケは笑顔で返す。
「今日は種買いに行くんだよね」

・・・・。

・・・・。
え?
いつからそんな話に?
その笑顔を裏切るのがちょっと怖くて、しょうがなく話をあわせておいた。
コイツ、オマケはでかい図体してるくせして花が好きなようで。
ジョウロ持ってきてうちの家の前で佇んでる時はどっかの宗教かと思ったけど。
「ちょっと用意してくるから、玄関で待ってて。」
「うん♪」
「あ、そのジョウロも持っていくのよ!」
「・・・一個残しておいてもいい?」
オマケの言う事を無視して私は顔を洗いに行く。
玄関からガッシャーンという何かが崩れる音が聞こえたのは言うまでもない。

「もしもしカメよーカメさんよー」
なにやらオマケは歌っているらしい。音痴とはこういうものを言うのか、音程が片っ端からはずれている。「地球の海でーおまえこそー」
「歌ってる最中悪いけど、もうドア閉めるわよ?」
「〜〜〜♪〜♪〜〜♪」
歌詞がわからないところは、鼻歌で歌うオマケ。そんなところがちょっと可愛くて笑ってしまった。

象と同居する最善の方法 

April 25 [Mon], 2005, 18:29
第二群 飛ぶ日常

昔は良くグ○コのおまけを集めるのが好きだった。おまけを集めては人と交換したりしてね。
でもまあ、それも一人暮らしするときにゴミへと消えたけど。
でも今はゴミ、否ゴミ以下と言ったところか、そんなおまけを家においている。
私はコイツを人間扱いしない。
人間のように扱えばそれこそ私の落ち着いた休日は完全に奪われてしまう。
それは絶対に嫌だわ!
だから私はコイツを「オマケ」と呼ぶことにする。
三日もひとつ屋根の下で(だが此処はマンションだ)二人で暮らしていたというのに、お互いの名前をまったく知らない。ああ、でも向こうは知ってるのかもしれない。
なにせジョウロを売りにくるぐらいだから。

「あのね。。」

ふいにオマケが口を開く。

「何?」
洗濯物をたたんでる手を止めずに私は返事を返す。

「俺だまされたのかも」
私はあんたに騙されまくりだよ、という言葉を小声で返す。もちろんこいつは気づかない。気付いたとしても早口だから「なんて?」と聞き返すだろう。
それぐらいオマケはマイペースな人間なのだ。
「なんで?」
積み上げられたジョウロをひとつ取ってくるオマケ。
「これ、全部売ったら俺に幸せくれるって」
「幸せじゃないの?」
「たぶん幸せじゃない」
「どうして?」


「空が青いから」


「海が綺麗だから」


「月が明るいから」



オマケはジョウロを愛そうに見つめる。

でもすぐジョウロの山を崩した私に視線を移した。
ガラガラーンと音を立てて地面いっぱいにジョウロが転がる。
静かな余韻を残しながら、消えていく。
「このジョウロ、明日処分しましょ?」
「え?」



もう半ば意地だ。



「こんな物に頼らなくたって、私が幸せにしてあげるわ。」




象と同居する最善の方法 

April 24 [Sun], 2005, 16:51
第一群 私の家にやってきた貴方


いつでも別れと出逢いは唐突で
その日は、悔しいくらいに晴れた空だった

一人暮らしというものは気楽だけど、少し寂しい。
その寂しさに慣れた私も、もう一人前の大人だと思う。
ただ、その時だけは少し違った。
無意識に、人を求めてた。
そんな時、私の家にやってきたのは、貴方だった。


「ちょっと!いい加減起きなさいよ…こら」
「まだ大丈夫じゃん・・・ていうかぁ・・・今日日曜日でしょお」
眠そうに目をこすりながら起きて来る貴方。
「日曜日だからこそ!掃除するのよ掃除!あんたそんなにデカい体してるんだから少しは働いてよね!」
「じゃあ・・・・あれする」
「あれってなによ」
「これ」
「これってなによ」
「水やり」
「ああそうですか・・・」

と、黄色いジョウロを持ちベランダに向かう。
でも心底悲しそうな顔して戻ってくる

「花、枯れてた」
うん、三日前と同じ会話だけど。
「あ、そう。また新しいの買わなきゃな」
「こんどは枯らさないようにしよう、そうしよう。」
と決意をし、布団にまた戻る。
「こら!あんたは水遣り以外することないの?」
「・・・・・。」
無視ですか。
私は会話を諦め、掃除機を取り出す。少し使い古した掃除機だけに、音も鈍い。
「ぶおーん」
やっと口を開いたかと思えば、こんな調子だ。
「どうしてそんなにマイペースかなあ・・・」
ため息混じりに言ってみる。
「ぶおーん」

大きい体してるのに、中身は赤ん坊のようだ。
表情がコロコロ変わったり、やけにマイペースだったり、変な言葉言い出したり。
同居人、とか言ってるけど正確には私の家に男が居候させてもらってるというだけ。
此処は私の家なのに。この男がやって来てからすべてがぐうたらになってきている。
そう、はじまりはこいつが来る前の三日前だった。

せんないラジオ 

April 21 [Thu], 2005, 18:54
せんない とは 広島弁か山口弁で「面倒くさい」という意味でございます。
決して船内とか線内とかいう意味ではありませんよ!(*_*)

※せんないラジオはゲストが居るときハイテンションになります。りきやがタンバリンを叩き出したらボリュームを下げよう!(-ω☆)キラリ

というわけで、質問・ご意見などお待ちしております!
せんないラジオ りきやでしたー!!
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