読書

May 06 [Fri], 2011, 20:07

薄情な母に変わっておびただしい量の本を私に読ませたのは

祖母だった。


『五月蝿いから』


という理由で
土曜日の夜と日曜の昼間に見る
ディズニーとジブリのビデオとハウス食品の世界名作劇場以外

一切のテレビを禁止された環境にとって
読書は良い暇つぶしだった


ただそれも
祖母のお下がりの
重くて赤い名作全集みたいなものだったけれど

大宰治
三島由紀夫
古事記
与謝野晶子
フランソワーズ・サガン
ミヒャエル・エンデ
トールキン
ヘミングウェイ
幼い私の手の平の中に

浮かんでは沈んだ
物語たち


『字は斜めに読みなさい』


と口癖のように言った祖母の

その通りにした私は

おかげで今では
そうそう同じスピードで本を読める人がいない



一冊本を読みきる時は
あの頃と同じ


途中でやめたりしないで
必ず最初から最後まで

しおりなんて全否定して

読みきってしまうのが拘り。


厳しい祖母から離れて
もう10年が経つけれど


あの

焦げるような
胸のうちの
果てのない
無為な
一人の時間が出来ると


無性に一冊本を読む

幼い自分の穴埋めみたいに

活字に溺れる


森鴎外の
重い言葉を
胃に詰め込めば


ホラ


大丈夫



世界も思想も私も
至って正常だから。










私は読書が好きなんです。
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