声優はAI(人工知能)に取って代わられるのか。

January 10 [Tue], 2017, 12:12
人工知能 ( AI ) は、声優を超えるのか

コンピューターについてはシロウトの私が、声優である自分に都合のいいように、人工知能 ( AI ) を勝手に解釈するのではなく、毎日、朝日、読売新聞の記事から公平に読み解いていきます。

まずは・・・毎日新聞の社説 「歴史の転機 人工知能 人類の将来を見据えて」 2017年1月10日付より抜粋させていただきます。

◇ ◇ ◇

<ここから>

年末から年始にかけ、ネット上で謎の囲碁ソフトが日中韓のトップ棋士らに60連勝し、「神的な強さだ」と話題になった。正体は米グーグル傘下の人工知能(AI)「アルファ碁」の改良版だった。


昨年3月に韓国の イ・セドル 九段 を破って世間を驚かせた時の能力をはるかに超え、「もう勝てる人間はいない」とまでささやかれる。AIの進化の、恐るべきスピードを実感させられる出来事だ。

<中略>

「やがてホワイトカラーの仕事の多くがAIに奪われる」。早くからそう警告してきたのは、国立情報学研究所の数学者、新井紀子さんだ。

東大入試に挑戦するAI「東(とう)ロボくん」の開発を進める中で、改めてわかったのは「AIの弱点は本質的に『意味』を理解せず、今は読解力に限界があること」だ。

裏を返せば、意味がわからなくてもできる仕事は早晩AIに取って代わられる。だから人間はAIにない能力を身につけることが大切だと訴える。

<中略> 

AIには何ができて何ができないかを研究し、人間にしかできない能力を育成する重要性も強調した。取り組むべき目の前の課題だろう。

<ここまで>

◇ ◇ ◇

【読解力に限界があるって、どういうこと?】

東京新聞のコラム 筆洗 が明瞭簡潔に説明しています。

<ここから>

人工知能(AI)システムの開発で、人の使う矛盾もある自然言語をどう理解させるか▼恋する女性がお相手に「バカ」とささやいてもそれはバカの意味ではない。

<ここまで>

人工知能 ( AI ) は、恋人たちがささやくバカと、相手を侮蔑し罵倒するバカの区別ができないんですね。

声優の仕事は、「台本に書かれた文章の意味を読解し、演技で表現する」ことです。

現在のところ、声優の仕事がAIに取って代わられることはなさそうですね。

また声優には、アイドル的な要素も出てきて、イベント出演などの仕事もあります。
声優の将来は安泰だと考えてもいいでしょうね。

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それでは、外国映画の吹き替えはどうでしょうか。

どうやらそれも心配なさそうです。
次は、朝日新聞のコラム 「天声人語」 より抜粋させていただきます。

◇ ◇ ◇

<ここから>

「同時通訳という営み」


2017年1月10日


「71年前、明るく雲一つない晴れ渡った朝、死が空から降りて」。広島でオバマ米大統領が演説を始めた時、東京都内にある英BBCの一室で通訳袖川裕美(そでかわひろみ)さん(59)は不安に包まれた。

この文の主語は何か。格調をどう伝えるか。17分間、夢中で日本語に訳した▼

政府間の租税交渉、企業提携、来日芸術家の随行など通訳として20年あまり。著書『同時通訳はやめられない』で数々の修羅場を紹介した▼

「下調べをして臨みますが、話すこと聞くことは本能的で瞬発的な営み」。例えるならスケートに近いという。3回転半ジャンプが決まる日もあれば、いきなり尻もちの日もある▼

訳の巧拙はときに外交をも混乱させる。古くは佐藤栄作首相の「善処します」。これを米政府が確約と受け止め、繊維摩擦がこじれた。

日中間では田中角栄首相の「迷惑」が有名だ。中国語で「麻煩(マーファン)」と訳され、「戦争の謝罪になっていない」と中国側を怒らせた。軽すぎる言葉だと受けとられた▼

ベテランでも冷や汗はかく。袖川さんが英訳に詰まったのは「蚊取り線香」。とっさに「蚊対策のための円」と説明し、指で渦をグルグルと描いた。モスキート・コイルという語を思い出したのは会談の後だった▼

人工知能が様々な領域を脅かしつつあるが、「人類滅亡の日まで通訳の職は消えません」と袖川さん。なるほど価値観と世界観のぶつかり合いを機械が語感もふまえて適訳できる日は先の先だろう。通訳という営みの人間くささに少し安堵(あんど)した。

<ここまで>

◇ ◇ ◇

実は、「テッド」<2012年アメリカ映画>の日本語版字幕を担当された町山智弘氏も、これと同じことを語っておられました。

どうやら英語の翻訳と直訳は似て非なるもののようです。

また、映画評論家の淀川長治さんは生前、次のように語っておられました。
「外国映画が日本語に吹き替えられるおかげで、目の不自由な方たちも外国の映画を楽しむことができるんです

外国映画の吹き替えという文化の火も消えることはなさそうですね。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

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【こぼれ話】

英語の音声を日本語に変換するソフトが開発中であるという話を、10年以上前に生徒から聞きました。
つまり、映画 「タイタニック」 のディカプリオが、ディカプリオの声のまま日本語をしゃべりだすというソフトです。

ですが今回、毎日新聞の社説と朝日新聞のコラムを検証した結果、心配ないことがわかりました。

<理由その1> 英語の翻訳と直訳は、そもそも違うものである。
<理由その2> 日本語と外国語のアクセントやイントネーションも同じものではない。
<理由その3> 日本語に変換した音声に意味を持たせる作業も、AI(人工知能)は不得手。

ディカプリオの声を日本語に変換し、平坦に (まっすぐ無感情に) しゃべらせることは可能でしょうが、演技をさせるのは難しいでしょうね。
なんにせよ、良かったです(笑)。

◇ ◇ ◇

〜生徒たちと、AI(人工知能)について話し合った、過去のブログ〜
2016年11月6日(日) 本日のレッスンと雑談と
2016年5月29日(日) 2045年問題

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【追記です】

2017年05月12日 読売新聞の社説 「自動翻訳 上手に使って言葉の壁破ろう」 より抜粋させていただきます。

<ここから>

 外国人との円滑なコミュニケーションのため、上手に活用したい。

会話の内容を認識し、日本語と外国語に瞬時に翻訳する自動翻訳サービスが広まりつつある。

 救急現場で重宝されそうなのが、総務省消防庁と情報通信研究機構が外国人対応のために開発したシステムだ。4月から全国の消防本部に提供している。

 救急隊員がスマートフォンに「どこが痛いですか」などと話しかけると、翻訳された内容が画面に表示される。音声で伝えることもできる。英語や中国語、タイ語など15言語に対応している。

 先行して導入した札幌市では、「さっぽろ雪まつり」会場などで、外国人観光客への迅速な救急対応が可能になったという。

 人工知能(AI)の目覚ましい発達が、自動翻訳の性能の向上をもたらしている。トップ棋士を破った囲碁プログラムにも使われる高度な計算手法が自動翻訳にも応用され、正確な音声認識と自然な翻訳が可能になった。

 日本マイクロソフトは4月、インターネット電話で、日本語対応の自動翻訳を始めた。米グーグルのスマホ用アプリも人気だ。

 短く平易な内容であれば、違和感のないレベルに訳せる。仕事やレジャーなどの様々な局面で役立とう。窓口で、住民向けの各種手続きに活用する自治体もある。

 複雑な内容の翻訳では、人間の通訳に遠く及ばないものの、多言語に対応できるのが、自動翻訳の強みだ。使用者が、その特性をうまく引き出す必要があろう。

<ここまで>

毎日、朝日、読売、大手新聞3社の見解がすべて同じですね。

特に、正反対の視点でニュースを報道することで有名な、朝日と読売の意見が一致していることに安心感が漂いますね。よかったです。



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Voice actor laboratory 声優演技研究所
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