止まる、時計(攻殻・バト素) 

June 24 [Sun], 2007, 14:52
それは多分、ささやかな事で。
左手首に長年の間落ち着いている銀色の時計の針が動きを止めた。
義体の腕に不釣合いな程輝いていた、それが。





「なんだ、止まったのか」

「・・・バトー、貴方見てたの」





止まった針を凝視していた私にバトーが声をかけてきた。
バトーは、バトーも、とまった針を見た。
3:42、この時計の動かなくなった時間。
今の正確な時間は5:19。室内の時計を見る限りでは。







「・・・不思議なものよね」

「何が」

「今の時間とこの時計の差」

「止まったんだからな。さっきまでは会議だったんだから気付かないのは当たり前だろ」

「そうじゃなくて、現実では進んでいるのに、きっとこの時計の中では3:42で時が止まっているんだと考えただけよ」








けして止まる事の無い時が、こんなに近くで止まる。
いや、私は、いつも見ていた。
人が死ぬ。
それはその人にとっての時が止まった瞬間。
私は見ていた。
そして加担した。
何度も、何度も。










「あのな、お前が何を考えてるか知らねぇが」






バトーはいつもの低い声で囁く。





「お前は正しくもねぇが、間違ってもいねぇよ」

「…何だか随分曖昧ね」

「そんなもんだろ。お前も、俺も」

「……」

「勿論、周りの奴も」

「……そうね、」







どうしてこいつの言葉は何時も的を得ているのだろう。
いつだってそう。
何度もその言葉に掬われるような、救われるような気がして。










「まぁ、今のお前に必要なのは電池を買ってくることと顔を洗ってくるこったな」

「何で、」

「お前、ひでぇ顔してやがる」








気が付くと私は何時の間にか泣いていた。
火照った頬に伝う涙が落ちていった。






end.

さよなら地平線 

June 24 [Sun], 2007, 14:46
何て愚かな御伽噺
夢にまで見た王子様は幻像
求めていた腕は枯れ木の枝
触れていた唇は林檎の甘い蜜



何も、何も信じられないこの世界で
正しくなど無くても、少しだけでも
信じられるようになれたら



瞳が、真実を見抜かないうちに
指が、真理に触れないうちに
口が、虚像を紡がないうちに
足が、硝子の破片を踏まないうちに



貴方が放り投げたただ一つの愛が私の唯一の命綱だった

腹式呼吸と彼岸花 (TOAアシュルク) 

May 28 [Mon], 2007, 16:05

息をする
息をする
呼吸する
腹式呼吸

生きている意味を探す
そんなのは無いと悟る
夢で遭えたらと思う
そうして眠りに就く

どうすれば、なんて
何時だって考えていたけれど
何時だって役にたたなかったさ

何時だって夢を見た
赤い紅い彼岸花
それが何時か手向けられるのを
恐れていたんだ
こんなにも綺麗なのに


「お前は模造品
お前はレプリカ
代わりなんていくらでもいるのさ」


嘘だよそんなの
だってこんなにも俺達は
違うのに
だって ねぇ

そうして腹式呼吸
そうして彼岸花
知ってるよ 本当は
彼岸花の花言葉
腹式呼吸の意味
だけど知らない振りをしていたかった
そうすれば貴方が教えてくれるから

少しでも二人でいられた、のに




テイルズオブジアビス アシュルク。
最近某サイトの某イラストを見てはまった
強烈に素敵な話だね!
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