クレイモア 小説 〜No,1〜

August 19 [Sun], 2012, 14:04

   
夜空に星ひとつない漆黒の森の中・・・・。
ラキは得たいの知れない気持ち悪さで目を覚ます。
その視界に飛び込んできたのは、2、30mほど先でクレアが複数の妖魔と戦う姿だった。
クレアは、額から血を流していた。

「クレア!」

その叫びにクレアは少し反応し、こちらを見た。
「動くな!じっとしてろ!」
クレアの周りには妖魔の死体2つと、片腕失った妖魔1匹と無傷の妖魔が2匹・・・。

「クレア・・・。」

ラキは呟いた。その表情には少し不安がつのつていた。
実は・・・シーレの山でエレナを粛清した夜のことだからだ。
その日のクレアは悲しみに暮れていた。
粛清とはいえ唯一の友を自分の手にかけた事は、彼女にとって相当の事だろう。
無表情の中でも彼女のその張り裂けそうな心中を、兄が妖魔だったラキは痛いほど共感していた。
それを察し少しでも元気づけようと色々考えたが・・・
結局何も出来ないままだった。
どうしてこうも、俺はいつも何も出来ないのか・・・。
自分自身に歯がゆさを感じていた。
その時!

「ぐがっ」

クレアが妖魔の首を落とした刹那、後ろから片腕ない妖魔がその鋭い指でクレアの右肩を貫いていた。
「クレアァ!」
だがクレアは素早くそれを斬り落とし、また妖魔へと向かう。

「・・・くっ・・・」

ラキはたまたまそこにあったガラスを拾い上げた。
大きさは手の甲くらいだろうか・・・。
ラキはそれを妖魔めがけて投げつけた。ラキは肩には自身があり、そのガラスは見事妖魔の目に突き刺さる。
「なっっ」
突然の出来事に少し戸惑うクレアもその一瞬のを見逃さずその大剣を振り下ろした。
あと、1匹。

「!!」
「ラキッ!逃げろ!」

その1匹の妖魔がクレアの隙をつきこちらに猛突進してきた。

「がっっ」

ラキは意識を失った。

「ラキィィィィ!!!」
    
    ・
    ・
    ・

目が覚めると、ラキは目でクレアの姿を探した。
クレアはすぐ隣で俺を心配そうに見下ろしていた。

「起きたか?」
「ク、クレア・・・俺・・・」
「あのあと、私は妖魔の力を使い、ラキを突き飛ばした奴の首をすぐ刈ってやった。」

そうクレアが言い終えるとラキはクレアの右肩を触った。

「・・・既に傷口は塞いで−」
「クレアが無事でよかった・・・。」
「!」
「俺、クレアが戦っているのを見ると、自分には何も出来なくて、すげー悔しくなっちゃってさ・・・
でも、今回も結局はクレアの足を引っ張っちゃって、それで・・・」
「ラキ・・・私は・・・」
「え?」
「私は半人半妖の身だ。妖魔を刈ることが私達の仕事であり、それをこなす為だったら死んでも本能なんだよ。
私達はそれ以外では存在する意味がないんだ。」
「クレア・・・?」
「だから私と旅をしていてもお前が危険なんだよ。
・・・早くお前が落ち着きたいと思う街が見つかると−」

そう言い掛けた時、ラキはクレアを抱きしめた。

「なっ」
「俺はね・・・俺は、そんな事ないと思うんだ。
クレアは心の優しくて綺麗で、普通の人間だよ。俺が危険な時見捨てないでしょ?
俺、こうやってクレアと一緒に旅できて本当に嬉しいんだ。
俺だって、いつ死んでもいいよ。クレアと一緒に居られたのなら、俺だって存在する意味なんてないよ。」
「・・・ラキ・・・」

自分の胸くらいの身長の少年を抱きしめながら、自分は一体なんなのかを考えた。
プリシラを殺す為に半人半妖の身になり、今自分がしてることは・・・
あの時のテレサと一緒だ。
あの時のテレサはきっと私の抱くこの感情と似ているものをもっていたのだろう。
この少年を死なせたくない。不幸にさせたくない。


「ラキ・・・」
「ん?」
「ありがとう。」


朝の柔らかい光が2人を包み込んでいた。


 





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