犬も食わぬは夫婦の特権 

March 29 [Mon], 2010, 0:21
一言で言えば喧嘩をした。

結果が、半壊。

ボスはただため息を一つついて「程々にしてくれてどうも・・・」といったっきり口をきいていない。

「原因はなに?ママ」
「知らない」
「それじゃわからないわよ」

愛娘と半壊した僕に割り与えられている部屋で事態の整理をしていた。
けれど、愛娘は整理よりもまず原因を知りたがっているようだ。

「またママの勘違いじゃないの?」
「またってなに?」
「ほら、パパの取引先の女の人の・・・。半年前の話」

半年前。
そういわれて思い出すのは今よりも酷い惨状。
あの時、僕はキレて全壊寸前まで暴れたのを思い出した。

「あんなんじゃない。あれは、確かに僕が悪かったけど今回は違う」
「違うのに・・・半壊?」
「いいから、早くそっちの書類をまとめて」

まるで事情聴取だ。
僕は何も悪くないのに。
悪いのは全部・・・。

「雲雀さん、ちょっといいですか?」
「なにボス・・・僕暇じゃないんだけど」
「えぇ、俺も暇じゃないんですけどね」

珍しくボスが怒っているのがわかった。
喧嘩する場所を間違えたのは認めるけど、別にいいじゃない。
修繕費用は全部あの人もちなんだから。

「・・・用件は?」
「修繕費用ですが」
「それは全部キャバッローネに申請して」
「いえ、それは全部ボンゴレで持ちます。ただ、条件を飲んでいただきたくて」
「僕と取引?」
「ママ、私席をはずしたほうがいいかしら?」

重い空気に耐えられなくなったのか、愛娘は笑顔で、けれど冷や汗を浮かべながら顔色を伺ってきた。

「いや、いいよ。ハッキリ言ったらどうボス」
「別に変な条件じゃないですよ。明日のパーティーに出席してって言うお願いだけですから」

明日のパーティー。
それは半月前に突然知らされ、その場で断ったものだった。

「それは困る。僕は群れるのが嫌いだからね」
「・・・そうですか・・・けど、そんなの理由にはなりませんね」
「何を言うの君は?僕が出ないって言ってるんだから出ないの」
「ちょっと、ママ・・・」

娘の心配をよそに、大人二人は子供みたいな言い争いを始めようとしていた。

「いいえ、出席してもらいます。これは、ボンゴレ守護者全員の参加が義務付けられてるからです。
「勝手に決めないで。何様?」
「雲雀さんの上司様です」

昔の弱虫だったボスが嘘のようだ。
修繕費用の領収証を突きつけられ、どうすることもできないといえばそうだったが。

広がる波紋 

July 05 [Sun], 2009, 0:08
一枚のメモが、教科書に挟まっていた。
なんでもない、ただの連絡が書いてあった。

『放課後屋上で待ってる』

いつものことだった。
メールを送れば済むだけのことなのに、いつも同じ。
けれど、僕はそのメモを一枚も捨てることなく持っている。
そんな自分が気持ち悪いと感じる反面、そのメモを見るといつも嬉しくなる。
そして、今日もまたそのメモをそっとかばんに入れている自分がいる。
ため息が思わずこぼれた。
仕方ない。
好きなんだから。

直線が曲線に見える。 

June 09 [Tue], 2009, 23:48
「ねぇ、優一見なかった?」

化粧が派手で、髪の毛を巻いている子に話しかけられた。
半年前に優一と付き合ってた女の子だ。

「知らない。なんで?」
「なんでって、考えたらわかるでしょ?」

グロスが塗られた唇がいやらしく笑う。
この女は優一は忘れられないみたいだ。
まるで鏡のように見えるその女は、僕の腕をつかむと耳元にその唇を寄せささやくように言った。

「優一の今の彼女って、あんま可愛くないんだね?」

香りが嫌でも鼻につく。
吐き気がする。
優一がなんでこんな女と付き合っていたのかわからない。
階段の踊り場で、思わず彼女を突き落としたくなる衝動に駆られながらも僕は、笑顔で彼女の言った。

「そう?」

僕は優一の親友。
僕は優一の親友。

「え〜目が悪いんじゃない?アハハ」

パッチリしたその目を縫ってやりたかった。
テカテカと光るその口を縫ってやりたかった。
その顔を、一生見なくてすむようにつぶしてしまいたかった。

僕の目がおかしいんじゃなくて、世界がおかしいんだ。 

June 09 [Tue], 2009, 23:35
歪んだ世界で生きる僕にとって、これくらいの恋愛がちょうどいいって知った。

「お前が食いたいって言ってたアイス。買ってきたぜ?」

笑顔でそういうあなたは、何も知らない。
本当の僕を。
本当の僕の気持ちを。
別にいいんだ。

「ありがとう、優一。これ、お金」
「いいって!俺もコンビニに用事があったからさ」

そういって無償で優しくしている優一は、また僕を傷つける。
けど、僕は傷つくことをわかっていながら彼から離れない。
離れられない。
6月だというのに雨は降らず、太陽の光が燦々と照りつける学校の屋上で、僕と優一はアイスをただ食べている。
特に話すことはなく、けれど、離れることはなく。
この関係をただの友人関係だと優一含む周りの人間は言うだろうけど、僕の中じゃ違う。
とてももどかしい関係だと僕は思う。
何度考えても、何度思い直しても、結局答えはいつも一緒。

「好きなんだ」

優一が。
恋愛感情っていう意味で。

「は?」
「アイス。すごい食べたかった。ありがとう優一」

けど、僕には勇気なんてものは微塵もない。
一向に進まない関係。
もどかしいけど心地いい。

「あ、昨日行ってたDVDゆりが持ってるって言ってたんだけど見るか?」
「それあの後レンタルしたんだけど・・・言うのおせぇし」
「ハハ、ごめんごめん」

彼女がいる優一の恋人になんか一生なれない。
男が好きな俺と、女が好きな優一とは一生交わらない。
この関係が、まるでぬるま湯のようで心地いいけど。
俺はいつこの関係を壊してしまおうかいつも考える。模索する。
けど、結局このまま。

「つーかお前も早く彼女作れよ?んで4人でデートしようぜ!」
「彼女かぁ」

あぁ、俺はお前が好きなのに。
俺はお前が好きなのに。

いつもいつもいつもいつも考えるのはお前のことなのに、お前は知らない。
お前には知られたくない。
屋上に風が吹く。
生暖かい、まるでぬるま湯のような風が。

あぁすばらしき歪んだ愛情 

October 28 [Tue], 2008, 1:26
与えられた部屋にはキングサイズのダブルベットがひとつ、置かれていた。

「いいか、これからここがお前の家だ」
「い、え・・・?」

無数の注射跡が残る腕をつかまれ、僕はそのままベットに投げ飛ばされた。

「お前は病気なんだ。わかるか、恭弥?」

病気。
そんなんじゃない。僕は病気なんかじゃない。
けれど、目の前のディーノは心配そうに僕の顔を覗き込み、額にキスをした。

「可哀相に。けど、ツナにはきちんと話をつけておいたから。草壁も、お前が治るまできちんとお前の不在を穴埋めするって言ってたぞ」

だから早くよくなろうな?
そういって僕は真っ白な部屋に閉じ込められた。
ガチャリと鍵のしまる音がして、いよいよ僕は一人になった。

「なんで・・・」

こんなことになってしまったのだろう。
羽目殺しの窓は防弾ガラスで作られており、足には枷がついていた。
この部屋の鍵も、枷の鍵も、すべてディーノが持っている。
持ったまま、彼は僕を一人きりにしていなくなってしまった。

「・・・・・・・・・逃げなきゃ」

枷についている鎖をたどるとベットの足にくくりつけられている。
長さは5メートルといったところだろう。
引っ張ったところでびくともしない。
何か使えるものがないか部屋を見回すが、何もない。
何も。
あるのはキングサイズのダブルベットと羽毛のフトンと枕だけ。

「っ・・・」

暴れるくらいしか僕にはできない。
一生懸命鎖を引っ張り、枷が足に食い込もうが、爪が割れようが、声がかれようが関係ない。

逃げなくては。

この世界から、

逃げなくては。


でなければ僕はこのまま一生閉じ込められたままになってしまう。

あぁすばらしき窓の外の世界 

October 27 [Mon], 2008, 0:08
誰も僕の言っている言葉なんて信じなかった。
僕が眠っていた、正確には眠らされていた6ヶ月の間にディーノは、周りの人間を都合のいいように丸め込んでいた。

「おめでとうございます、雲雀さん」

抱えきれないほどの花束を持って、溢れんばかりの笑顔で沢田はやってきた。
目覚めてから1ヶ月。僕はディーノの子供を生んでいた。

「可愛いですね、男の子ですか?」
「よぉツナ!来てくれたんだな」
「お邪魔してます、ディーノさん」

目の前で、沢田とディーノが話しているのがすごく不自然に見えた。
おかしい。おかしい。おかしい。

「恭弥が頑張ってくれたおかげで、俺はいっぺんに3つも幸せを手に入れることができた」
「3つ・・・ですか?」
「あぁ。一つ目は可愛い奥さん。二つ目は可愛いわが子。三つ目は、キャバッローネの跡取り」

瞳を細め、ディーノは子供の頭を撫でた。
そうだ。ディーノは、跡取りが欲しかっただけなんだ。
そのための道具に僕は選ばれてしまったんだ。


「恭弥、見ろよ!こいつの目お前にそっくりだぞ」
「ディー・・・ノ」

涙がこぼれていた。
しかし、ディーノの腕に抱かれているわが子を見ると、どうしてだろうか。涙を止めなくてはいけない気がした。
笑顔を見せなければいけない気がした。

「可愛いなぁ、恭弥」

涙の止め方なんて知らないけれど、僕はわが子を笑顔で抱こうと手を差し出した時、僕は間違っていたことに気がついた。

「これからこいつは俺の跡取りになるんだ。ボンゴレの、お前の血濡れの手なんかで触るんじゃねぇよ」
「え・・・?」
「俺の血を濃く受け継ぐこの子に、お前の血のにおいなんか残すんじゃねぇって言ってんだよ」

豹変、とはまさにこのことを言うのだろう。
ディーノの顔から笑みが消え、まるで獲物を狙う獣のように鋭い目があった。

「言ってなかったっけ?恭弥、ここでお前とこの子はお別れだ。これからこいつには乳母がついてキャバッローネ11代目になるべく教育を受けていかなきゃならねぇんだよ。勘違いすんな」

突然しめられる首に、僕はどうすることもできず、涙をただ流し続けるしかなかった。

あぁ素晴らしきわが人生 

October 21 [Tue], 2008, 1:12
空白の時間が存在する。
その時間、何が起きているのかは分からないけれど、決まって気付いた時にはディーノの部屋にいる。

「また…」
「あぁ、まただ、な」

大きなベットに何故か裸でいるのに最初は疑問を抱いていたけど、ディーノがわざわざ医者を呼んで見てもらったからだと聞いて、一時は安心した。
しかし、これが頻繁に起こると今度は別の心配が頭をよぎる。

ひょっとしたら何か病気なんじゃないのか。

目覚めた時に下腹部に鈍い痛みがある位でそれ以外の一切の異常が無いため何とも言えないが、けれど不安は残る。
普段の風紀委員としての仕事があるから自分では病院には行けない。
一応ディーノが言うには医者は特に問題は無いと言っていたらしいからそれを信じるしかない。


しかし、そんな不安はいつしか自覚症状が起こり初めて増大した。
突然の吐き気と目眩。
食事が喉を通らない。
応接室のソファーに横になり、ダルい体を休めるが吐き気は続く。

「恭弥、」

うっすら開いていた瞳に金色が見えた。
そしてまた、僕は意識を飛ばす。













「…と……しかし、…赤……えぇ」
「……から、…まで……た……堕………関係……な…」

声が聞こえた。
聞き覚えの無い声とある声。
ゆっくりと瞼を開くと、ディーノの医者の姿が映った。

「ディ、…ーノ」

声が上手く出せない。
けれど、僕の声にディーノは振り返り、笑顔で僕の手を握り締めた。

「恭弥、お前半年間眠っていたんだぜ?けど安心しろ、お前もこの子も何の問題も無いから」

この子と言われて、最初は何を言っているのだろうと思った。
しかし、視界ぎりぎりに見えた僕の腹部が異常に盛り上がっていて、ゆっくりとそこを撫でるディーノの手とディーノ瞳が、今までの謎の答を語っていた。

「あと1ヵ月位で俺の跡取りがここから出て来るんだ。頑張れ、恭弥」

狂気の瞳に映る僕の顔は、いつの間にか涙で濡れていた。

男女交際の説得 

October 05 [Sun], 2008, 1:35
「ボス、今日君を呼び出したのはすごくくだらない理由なんだけど」
「言わなくてもわかります。こっちも手を焼いていたところですから・・・」

キャバッローネ応接室に、上司であるボンゴレ10代目をわざわざ呼び出した。


「そっちはザンザス?」
「えぇ。まだ1人なだけそっちよりはましだと思いますが」
「こっちは2人だからね」

用意させたコーヒーを飲みながら、僕達はため息をついた。
原因は僕達の家族問題だった。
幼い頃から、僕の娘とボスの息子が恋仲だということは周知の事実。
しかし、それをよく思わないのが夫であるディーノと息子のアルフレード、そしてボスの旦那ザンザスだった。
3人は、何が気に入らないのか2人を引き離そうといつも必死だった。

「このあいだ、あの2人がデートしたのが昨夜ばれちゃって、もう大喧嘩ですよ」
「彼はなんで反対なの?」
「自分より弱い奴がいっちょ前に恋にうつつぬかしてんじゃねー!って。そちらは?」
「あの2人はたんに親ばか妹ばかなだけ。理由なんて全部後付のものばかりだよ」

いい年をした大人たちが、子供の恋愛に文句を言うしかくはない。
そう何度互いに説得しても、納得してくれるほど彼らは大人ではなかった。

「僕としては別にいいんだけどね。どこぞの馬の骨とも知らない奴らに持っていかれるよりだったら、まだリオの方が全然いいのに」
「俺もです。むしろ、もったいないくらいなのに」
「「なにが気にいらなんだか」」

こうやってボスとこの話をするのは何度目だろうか。
いつも、結局いい解決法なんて見つからない。
見つからないけれど、こうやって集まってこの話題をすることで、僕達はストレスを発散しているのだろう。

「ちゃちゃっと婚約でもしちゃえばいいのに」
「障害が多すぎます」
「まったく」

用意させたコーヒーがなくなりかけていた頃、屋敷には爆発音と、叫び声が響いた。
また始まった。

男女交際の自由 

October 05 [Sun], 2008, 1:12
「ママ、明日買物に行ってきていい?」
「別にいいけど・・・リオと?」
「え、まぁ・・・そうだけど」

今年で15になる娘が、なにやら人目を盗んで僕のところへやってきた。
内容は何の変哲もないことだったけど、詳細を聞いたらコソコソしている理由がわかった。

「あの人達に見つからないようにしてね。うるさいから」
「ママァ、ママだけ味方なんだから、そんな悲しいこと言わないでよぉ〜」

あの人達とは、夫のディーノともうすぐで19になる息子のアルフレードのことだ。
リオとミーアは同い年なため、小さい頃からいつも一緒にいた。
それが気に食わない二人は、特にここ数年あの二人の邪魔ばかりしている。

「そんなこと言っても、どうしろって言うの?散々僕だって説得してきたんだけど頑固だから」
「う〜変なところで似てるね」

最初は、僕もそんな二人をただの親ばか妹ばかと思ってみていたけれど、ここ最近はなんだか意地になっているように見える。
あまりにも理不尽かつ自己中心的な考えで二人の仲を反対するものだから、灸を添えてはやったけれど。
そんなんで納得する二人ではなかった。

「とりあえず、明日は二人をなんとか抑えてあげるから。デート、楽しんできな?」
「うん!」

笑顔でこちらを見る娘の頭を撫で、僕はため息を漏らした。

青春虹色純情恭弥@ 

October 01 [Wed], 2008, 0:56
顔しか知らない外人の男に、突然好きだと言われた。
校門の前で、真っ赤なフェラーリで待ち伏せして告白してきた男を、普段の僕だったら噛み殺しているところなのに、なぜかあの時、ただ一言付き合って欲しいと言われ、はい、と答えてしまった。
結局僕も、一目ぼれだったんだ。

「恭弥、お帰り」
「ディーノ!」

男の名前はディーノ。
イタリアンマフィア、キャバッローネファミリーの10代目ボスで、半月前から事業のため日本に来ている。
ディーノは、告白してきた日から毎日僕を迎えに来てくれる。
そのままドライブをして、夕食を食べて、家まで送ってくれる。
僕は、誰かと付き合ったりするのは初めてで、どうしたらいいかわからないけどいつもディーノがエスコートしてくれるから、すべてまかせっきりにしていた。

「迎えに来てくれてありがとう。仕事はいいの?」
「俺がやらなくちゃいけないことは、恭弥が学校言ってる間にすましてあるから大丈夫」
「ならよかった」

僕が笑うとディーノも笑う。
その笑顔を見ると、すごくドキドキする。すごく嬉しくなる。
これが恋なんだなって実感できる。
すごく幸せな気持ちになれる。

「今日はどこに連れて行ってくれるの?」
「んー内緒」

運転するディーノの姿はとてもカッコいい。
時折煙草を吸っている姿を見るが、その姿も格別かっこいい。

「今日は学校でなにをしたんだ?」
「最近1個下の子が群れをなして校内を歩き回ってるから噛み殺してやったよ」
「ハハ、恭弥は女の子なのに強いんだな」
「当たり前だよ」

他愛もない会話をしていたら、いつのまにか海沿いのレストランに到着した。

「ここって・・・」
「昨日恭弥が食いたいって言っていたレストラン」
「ありがとう!」
「どういたしまして」

予約の時間よりまだ早いからといわれ、僕たちは車内で時間つぶしをしていた。
夕日が半分ほど海に沈み、きらきら輝いていた。

「きれい・・・」

輝く海もきれいだが、その光で輝くディーノの髪もきれいだった。
ふと、ディーノが黙ってこっちを見ているのに気づき、どうしたの?と見上げれば、ディーノは僕の手を握り締めてきた。

「恭弥・・・」

ドキドキする。
だんだん近づいてくるディーノの顔。
心臓の音が聞かれそうなほど近い。

「目・・・閉じて?」
「・・・な、なんで?」
「いいから」

言われるがまま、ゆっくりと瞳を閉じると、ディーノは僕にキスしてきた。
スルリと腰に腕を回され、空いているもう片方の腕で頭を押さえられた。

「ん・・・」

初めてのキスだった。
薄く開いた唇から、ディーノの舌が口内に入ってくる。
歯列を割り、僕の舌を絡め取り、向きを変えながら唾液を注がれる。

「ぁ、ん・・・ディ・・・ノ」
「、恭弥」

頭がボーっとした。
いつのまにか、僕はディーノにすがるように服を握り締めていた。

「そろそろ、時間だ」

ゆっくりと離れていく唇に、僕は虚無感を覚えた。

けれど、ディーノは何事もなかったかのようにいこうぜ?といって車を降りた。
初めてのキスで、その後のことはよく覚えていなかったけれど、僕はしばらく唇の感触が忘れられず、その日はなかなか寝付けないでいた。
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