ヴェネツィア絵画のきらめき
October 15 [Mon], 2007, 0:51

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ヴェネツィア絵画のきらめき」展、見てきました。
やはりパンフレットにもなってるティツィアーノの《洗礼者聖ヨハネの首をもつサロメ》は良かったですね。
去年のプラド美術館展にも、ティツィアーノの同主題の別の作品が来てましたが、それよりもいいと思います。
「サロメ」というと、ギュスターヴ・モローやオスカー・ワイルド、ビアズリーなど世紀末の芸術家たちが描き出した「ファム・ファタル(運命の女)」のイメージが強いですが、それから遡ること約450年前に、ティツィアーノが描いたこのサロメにも、「ファム・ファタル」の片鱗が見えます。
ティツィアーノが描いたサロメは、盆にのったヨハネの首から少し顔を背けています。
しかし、目線はしっかりとその首を捉え、恋する乙女のように頬には赤味が差しています。
ワイルドやビアズリーのように、ヨハネの首に口づけをしているわけではないですが、ティツィアーノのサロメは首を手に入れることができたのを喜んでいるように見えます。
元々、伝説では、ヨハネの首を要求したのは母親の命令によるもので、サロメが自ら望んだわけではありません。
伝統的にサロメは、ヨハネの首から顔と目を逸らし、嫌そうに首を持つ姿で、あるいは、無知で恐れ知らずな単なる母親の操り人形として、描かれることが多いです。
そして、19世紀末にそのイメージが変わるわけで。
ルネサンス期にサロメを「ファム・ファタル」として描いていたとは、ちょっと驚きです

背後に描かれた有翼のプット(童子)がキュピドだとすれば、サロメの恋の成就(首の獲得)を表しているように思いますが、それは深読みしすぎですよね。
ユダヤ教・キリスト教の伝説に、神話を持ち込むはずないですし、そもそも、このプットは加筆されたものらしいです。
ちなみに、この絵、展示会場の最初の方に展示されてたので、疲れないうちに、じっくりと鑑賞できて、良かったです。
あと他には、ちょっとマイナーですが、ロザルバ・カッリエーラ(カリエラ)のパステル画がとても綺麗でしたよ。
カリエラは、当時としては稀な成功した女流画家で、以前から見たいと思っていました。
まさか、ここで見れるとは

ティントレットやティエポロといった有名な画家の作品もあるので、おすすめです。
10月25日(木)までBunkamuraで開催し、その後は鳥取県立博物館に巡回するそうです。


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