《オフィーリア》のロビン:補遺 

October 31 [Fri], 2008, 22:02


ジョン・エヴァレット・ミレイ展は終わってしまいましたが、
前回の続きで、
《オフィーリア》のロビンについて。

コマドリの胸がなぜ赤いかは、前回少し書きましたが、
別の伝説では、
父親を殺害したために、胸が赤くなった、と言われてます。
(出典が何なのかは分かりませんが)

ちなみに、コマドリの雌は雄より全体的に色が鈍いそうで。
つまり、赤い色が濃いのが雄。
なので、《オフィーリア》に描かれているのも、おそらく雄。

これらを考えると、
このコマドリが王子ハムレットを表しているようにも思えますね。

ご存知の通り、ハムレットは、
自分の父親となるはずであったオフィーリアの父ボローニアスを殺してしまいます。
さらに、ラストでは継父であるクローディアスも殺します。

なので、このコマドリが、
ハムレットの存在を暗示していると考えることも可能かと。


また、コマドリの歌声は、
ナイチンゲールに負けず劣らず、甘美らしく

このコマドリは、
死に逝くオフィーリアが歌う美しい歌に答えているのかも。

“to relish a love-song, like a robin-redbreast.”
「コマドリよろしく恋歌を楽しむ」
シェイクスピア 『ヴェロナの二紳士』より



以上はあくまで個人的な解釈です。


こういった象徴の読み解きは
絵を観る視点の1つに過ぎませんが、
なかなか楽しいです。

「UT」

ミレイ展&《オフィーリア》のロビン 

October 25 [Sat], 2008, 17:51


招待券を貰ったので、昨日、ミレイ展に行ってきました。
3回目です。

またしても、金曜の夜間開館のときに行ったのですが、
さすがに会期終了間際だけあって、かなり混んでました

私が入った6時頃はまだ良かったのですが、
出てきた7時半頃には、チケットを買うのに結構並んでました。

しかも、傘置きがいっぱいで、傘を置くのに待ってる人も

ホームページを見たら、ミレイ展入館者が10万人を突破したと出てました。
Bunkamuraでは珍しいんじゃないしょうか?


今回は、順路の始めに《両親の家のキリスト》とか《オフィーリア》
が展示されてるので、入り口付近が、かなり混雑。

美術館側も、第1,2章の作品解説を外し、別刷りにして配布したり、
混雑緩和にかなり努力してるみたいです。

でも、できることなら、絵の前でずっと鑑賞していたいですよね

特にラファエル前派は画風が緻密ですし


観に行った人は分かると思いますが、
会場で配布されてる作品リストの裏に、
《オフィーリア》についての解説が詳しく載ってます。
花々の象徴性(花言葉)とか、漱石の『草枕』とか、
モデルのシダルのこととか。

でも、この絵の中に出てくる唯一の動物(オフィーリア以外で)、
コマドリについては書いてなかったですね。

なので少し、私なりの解釈を。

《オフィーリア》の画面左端に、
柳の枝にとまった胸の赤い鳥がいますが、
これがコマドリです。
英語風に言うとロビン。(英名:Robin Redbreast)
ちなみにイギリスの国鳥です


なぜ胸が赤いか、にはいくつか伝説があって、
キリストに刺さった茨を抜こうとして、血に濡れたから、とか。
煉獄で苦しんでいる魂のところに水をもっていこうとして、
炎に焦がされたから、とか。

いずれにせよ救済者的存在ですね。

あと、イギリスの伝統的な童話に、
「Babes in the Wood」というのがあるそうで、
その話の中では、
森の中に捨てられた子供たちをコマドリが埋葬するそうです。

と言うわけで、「死」を象徴する鳥でもあります。
もちろん、直接オフィーリアの埋葬を暗示していると考えても。

まだまだあるのですが、
長くなってきたので、続きはまた次回に。


ミレイ展はBunkamuraザ・ミュージアムで、
明日10月26日まで、です。

「UT」


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ピサロ展 

October 23 [Thu], 2008, 17:42


先日、大丸ミュージアム東京で開催中の「ピサロ展」に行ってきました。
UK-JAPAN2008の公認イベントです。

この展覧会は、印象派の画家カミーユ・ピサロとその息子たち(エラニー派)
を中心に、ピサロ家の画業を展観する、なかなか珍しい内容

しかも、英オックスフォード大学アシュモリアン美術館の所蔵。
イギリスは印象派の受容が遅いので、
コレクションとかあまり良いのが無いのかなぁ、と思っていたのですが、
なかなか良い作品が来てました

他にも、同時代のバルビゾン派やクールベなど、
ピサロに影響を与えた画家たちの作品も展示されているので、
見比べて観るのも楽しいです

特に、ミレー(フランス人の)とピサロの農民をモティーフとした絵とか。
対照的な捉え方で、かなり面白いです


ピサロと聞くと、印象派の画家としか思い浮かばず、
恥ずかしながら、正直あまり良く知りません
絵自体はとても好きなんですけど。

まして、その息子や孫娘の作品なんてほとんど観たことなかったです。
(記憶に残ってないだけかも
なので、改めて色々勉強させられました。
ピサロが、印象派展8回すべてに出品した唯一の画家だとは知りませんでした。

カミーユの息子リュシアンは早いうちにイギリスに移住したそうで、
カミーユも息子を訪ね、たびたび訪英しているそうで。

イギリスの印象派受容にピサロ家が貢献していたわけですね。


この展覧会は大丸ミュージアム東京で、
10月27日(月)まで、です。
その後は、いわき市立美術館に巡回するそうです。
興味のある方は、是非どうぞ。おすすめです

「UT」


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「エモーショナル・ドローイング」&「パリ・ドアノー」 

October 13 [Mon], 2008, 22:30


今日10月13日は「体育の日」。
ということで休日だったわけで、色々美術館を廻ってきました。

まず、北の丸公園の東京国立近代美術館へ。
「エモーショナル・ドローイング」を観てきました。
どうしても観たかったのですが、なかなか行けず。
でも最終日に何とか行けて、良かったです。

「ドローイング」とタイトルに付いていたので、
絵画作品だけかと思っていたのですが、
映像作品も多くて、とても面白かった。

特に、辻直之のアニメーション(?)が良かったです
(上のチラシの左下)
独特の味があって、惹き込まれてしまいます。


その次に、三越日本橋本店で開催していた
「パリ・ドアノー ロベール・ドアノー写真展」へ。



こちらも最終日でした。
と言っても、会期は1週間だけ。

今年は日仏交流150周年だそうで、
三越(日本橋)では7日からフランスフェアを開催していたみたいです。

なので、かなり混雑してました

でも、展覧会は良かったです
会場には陽気な音楽が流れてて、
パリの街を切り取ったドアノーの写真が所狭しと飾られていて。
なんかパリジャンになった気分


その後、近くの大丸ミュージアム東京へ行き、
「ピサロ展」を観てきました。

こちらについては、また改めて書きます。


さらにその後、出光美術館に行こうと思っていたのですが、
図録を買いすぎ、カバンがパンパンに
しかもかなりの重量

なので、しかたなく帰宅

出光へは、また日を改めて行くことにします。





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液晶絵画 

September 30 [Tue], 2008, 22:04


先日、東京都写真美術館で開催中の
「液晶絵画 Still Motion」を観てきました。

「液晶絵画」というタイトル通り、
絵が動くわけです。
映像作品を単に集めたわけではありません。


色々噂には聞いていたのですが、
予想以上に面白かったです

特に、やなぎみわさんの作品。
やなぎみわさんの映像作品を観たのは初めてだったのですが、
とても綺麗で、素晴らしかったです。


あと、意外にイギリス人作家が多かったですね。

ジュリアン・オピー、ブライアン・イーノ、
イヴ・サスマン、サム・テイラー=ウッド、
の4人。

どれも良かったのですが、
個人的にはジュリアン・オピーの作品が観れて良かったです。

水戸芸での個展には行けそうにないので、
せめて少しだけでも作品が観れて嬉しかった

あと、サム・テイラー=ウッドの作品も面白かった。
西洋の古典的な静物画のように配置された果物や動物が
朽ち果てていく様子を映し出した作品。

果物を黴が覆いつくし、吊るされたウサギからは蛆が大量に湧く。
やがては、どちらも消え・・・。

ごく当たり前の自然のサイクルなんですが、
こうして作品として観ると、何か神秘的。


この展覧会は、
東京都写真美術館で10月13日まで、です。


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山本タカト展 

September 25 [Thu], 2008, 17:47


先日、紀伊國屋画廊で開催していた、
「山本タカト展」を観てきました。

この展覧会は、
9月から11月にかけて、
4ヶ所の画廊やギャラリーで開催されるもので、
紀伊國屋画廊では9月23日まで開催していました。

4ヶ所といっても、うち一ヶ所はローマ。
なので、東京では3ヶ所です。

会期はそれぞれの場所で異なります。


山本さんの作品は、
耽美的で、デカダンな薫りがムンムンします。

そして、緻密で繊細。
一度観たら忘れられません。

耽美的な作品だけでなく、
古典的な主題を扱ったものもありました。

作風や主題が非常に濃いので、
好き嫌いはハッキリしそうですね。

象徴主義や世紀末芸術が好きな人は、ハマルと思います

そう言えば、山本さんの作品に、
ビアズリーの絵を取り入れたものがありましたね。

確かに、
ビアズリーと似た雰囲気があるかも。





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ジョン・エヴァレット・ミレイ展 

September 20 [Sat], 2008, 21:23


先日、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の
「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」を観てきました。

ちなみに2回目。

金曜の夜間開館の時に行ったので、
比較的ゆったりと見れました

《両親の家のキリスト》は圧巻でした

そして、やっぱり《オフィーリア》は綺麗ですね


好みの展覧会を観ると、
ついつい、ショップでグッズを買ってしまいます。

今回は、奮発して、
マグカップを買ってしまいました。


オフィーリア・マグカップ

他にもオフィーリア・グッスがたくさんありました。
クリア・ファイルとか、Tシャツとか。

でも単にオフィーリアの絵がプリントしてあるだけじゃなくて、
シェイクスピア『ハムレット』の一節も、一緒に書かれてて、
結構お洒落

レアティーズとガートルードが、
オフィーリアの死について語る
有名な場面のやつです。

もちろん英文。

Tシャツとかは、この一節がメインにプリントされてるので、
普段でも十分着れるかも。

やはり少し値が張るので買いませんでしたが、
ちょっと惹かれます


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高松宮殿下記念世界文化賞 

September 18 [Thu], 2008, 21:40


高松宮殿下記念世界文化賞、
先日、2008年(第20回)の受賞者が発表されました。

絵画部門が、リチャード・ハミルトン。
彫刻部門が、イリヤ&エミリア・カバコフ。

他部門は割愛。


カバコフ夫妻の展覧会は先月見てきました。
9月14日まで足利市立美術館で開催していた
「イリヤ・カバコフ『世界図鑑』絵本と原画」
という展覧会です。
上の写真がそのチラシです。


絵本の原画展なので、彫刻作品はありませんでしたが、
それなりに面白かったです

この展覧会は約1年前から日本各地で開催していて、
どうやら足利が最後の巡回地だったようで。


辞書級に重い図録


リチャード・ハミルトンはかなり有名ですよね。
イギリス人作家で、ポップ・アートの先駆者です。

《一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか》
は、一度は観たことあるんじゃないかと。

後にアメリカで最盛を極めるポップ・アートに多大な影響を与えた作品です。

ウォーホルやリキテンシュタインに代表されるように、
ポップ・アートって、アメリカンなイメージが強いですが、
生まれはイギリスです。


高松宮殿下記念世界文化賞って、
毎年、かなりの大御所しか受賞してませんよね。
若い作家は対象外なんでしょうか?


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招待券 

September 14 [Sun], 2008, 23:31


今日、ポストを見たら、
UK-JAPAN2008 WEBサイト運営事務局様から郵便が届いてました。

中身は、
埼玉県立近代美術館で開催中の
「アーツ・アンド・クラフツ〈イギリス→アメリカ〉」の招待券

UK-JAPAN2008様へ、
この場を借りて、心より御礼申し上げます



前回の記事でも、同じ展覧会のチケットについて書きましたが、
それはまた別のルートから手に入れたチケットです。
(決して怪しいルートではありません


というわけで、手元にはこの展覧会のチケットが3枚。
嬉しいんですが、ちょい多すぎ


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Arts and Crafts 

September 10 [Wed], 2008, 22:46


UK-JAPAN2008の公認イベントにもなっている
「アーツ・アンド・クラフツ〈イギリス→アメリカ〉」
の招待券をゲットしました


副題が、
「ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」

ってことで、かなり楽しみです

モリスはもちろんですが、
ロイド・ライトも少しかじったことがあるので、
どんな内容なのか、興味津々です


この展覧会は、
埼玉県立近代美術館で、
9月13日〜11月3日まで、です。
その後、松下電工 汐留ミュージアムに巡回するそうです。


デザイン系に興味のある方は、
必見だと思いますよ

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プロフィール
  • ニックネーム:heysel
  • 性別:男性
  • 現住所:東京都
  • 職業:大学生・大学院生
  • 趣味:
    ・アート-西洋絵画や展覧会
    ・音楽-洋楽中心
    ・映画
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私の好きな絵画や、展覧会の感想などを中心に、その他、音楽や映画など、様々なアートについて書いていきます。
西洋絵画が好きで、特に、ラファエル前派や象徴主義が好きです。
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