眼鏡の新調

February 29 [Wed], 2012, 1:04
 オフクロ様が眼鏡を新調した。

 以前、まだカーフール【現在はタイから撤退してBIG―CEXTRAになっています】がオープンしたての頃、テナントとして中に開店していた専門店で作った老眼鏡が、目に合わなくなってきたためだった。

 加えてアクリルのレンズは傷だらけ。フレームはチタン製でしっかりしているので、レンズだけ眼に合わせて作ることにした。

 そう決めてから、どこの眼鏡屋にしようかと迷った末、私の知っている限りで一番長く営業している、BIG―Cサウスの中にある店を選んだ。

 ここの店員は感じが良かった。彼らはよく英語を理解し、86歳になるオフクロ様に、充分なくらい敬意を払ってくれた。

さらに眼の検査機械もそれなりのものが用意されていて、およそ10分かけて、現在の眼の状態を詳しく調べてくれた。
 その結果、ぴったりと視力に合うレンズはないことが判明。工場にオーダーして作ってもらうことに…。

 そんな経緯から、相当に高いものになるのでは…と心配したけれど、値段を聞いて拍子抜け。レンズは一枚1200バーツで、両目で2400バーツだという。何でもキャンペーン中で20%引きなのだとか。また、フレームに嵌めこむ工賃は無料であった。

 デポジットの半額を払ってから三日後、朝10時にこの眼鏡屋から電話があった。レンズが届いたのでいつでもお越しください…とのこと。

 タイではいい加減な奴等が多くて、何かを注文して在庫がなく、あとで電話するといっても約束を守らないことが多い。酷いのになると、注文を受け付けておいてシカトしている奴もいる。だから、日本や先進国ではごく当たり前のことなのに、タイだから律儀な店だと感心してしまった。

 レンズを嵌めてもらい、受け取った眼鏡は完璧だった。新聞の大好きなオフクロ様は、これで気分良く読めることになるだろう。

 疑念と不安を抱きつつ、ただ私だけを信じてタイへと渡ってきたオフクロ様に、私は出来る限りのことをしてあげる義務がある。故に小さなことだけれど、眼鏡の新調が上手くいってホッとした。

 永遠の個人介護人として、私はこれからも頑張るつもりでいる。

タイ名物【食材】といえばコレかも

February 27 [Mon], 2012, 1:56
 先日、煮貝に纏わるエピソードをUPしたけれど、逆にオフクロ様が大好きなモノの話も書かせていただく。

 それはタイの蟹。
特にワタリガニは大好きである。これを買ってくると、ずっと黙々と殻を剥き続けて、美味しいを連発しながら微笑むことになる。

 確かにワタリガニは身がほんのり甘くて美味しい。ただ、甲殻類はどれもそうだが、死んだヤツは味が落ちる。それも雲泥の差、と言いたくなるくらい味が変わってくる。

 だから、ナクルアに行った際には、必ず活きているものしか買わない。死んだヤツよりも高いけれど、食中毒やホルマリンのことを考えたら、大いに許せるくらい僅かな差だと思っている。



【この蟹もワタリガニの一種ですが、これよりも普通のハサミが青色の種、☆英名ブルークラブ、タイ名プー・マーのほうが美味しいように思います。ただし、こちらのほうが、殻が幾分柔らかいので食べ易いです】

 だが、そんなワタリガニよりも、タイの名物といったらコレかと思う。



【淡水産テナガエビ。最近随分と高くなりました。輸送にお金も掛るせいなのか、諸物価の高騰に吊られてどんどん値が上がっていて、最近では大型だとキロ360バーツくらいします】

 蟹の方は何と言っても蒸すのが一番美味しいけれど、このエビに関しては、そうとは限らない。市中のレストランでは様々な調理法で提供されていて、大抵、どれも美味しい。

 日本のテナガエビはこれよりずっと小さくて、殻ごと食べられる唐揚げや塩焼き、さらに鬼殻焼き程度しか調理法が思い浮かばないが、タイ産のものは洋食にでも使える。

 先日、某レストランへ言ってプラウンのガーリック焼きを頼んだら、この淡水産テナガエビが出てきた。メニューにただプラウンとあったので海産のエビだと思っていたのだが、皿に乗っていたのはこれだった。

 食材として新鮮だし、手に入れやすいから、そのレストランではこのエビを使っているのであろう。厳密にはフレッシュウォーター・プラウンとメニューに書くべきだが。

 そのようにポピュラーだし、決して日本では食べられない類の淡水エビなので、タイへ来られる機会のある方は、ぜひトライしてみたら如何だろう。

酷暑の始まり

February 25 [Sat], 2012, 1:48
 本日は2月9日。また書き溜めをしている。

 今日の天気は快晴。
息子を送っていったころ【午前7時過ぎ】には薄曇りの、すっきりしない天気だったのだが、今の時点【午後一時】では太陽が激しく照り付けている。

 とにかく暑い。二月に入ってからすぐに暑いタイが戻ってきている。
 おそらく外気温は34℃以上あるはず。日差しも強くてUV指数は相当に上がっていると思われる。

 それでもビーチへ行くと、薄桃色のロシア人が、長いこと肌を焼いていたりする。そんなに焼いたら火ぶくれになって危ないっ…と、教えたくなるほどこんがり香ばしくなっている。

 彼らのお国は今の季節所によって極寒だから、どうしても降り注ぐ太陽が恋しくなるのは理解しているのだが…。

 先日、同じような天気の時に、直したリールの調子を見るために、猿嫁を連れて釣堀へ行った。そんなとき、猿嫁は長袖を着て、サングラスを掛け、日本から送っていただいたちょっとシャレた日傘を差して出る。
 とにかく陽に当たりたくないのだ。それでも色が黒くなる、と言って夜行性動物のように紫外線を嫌っている。

 黒くなりたいロシア人と白くなりたいタイ人。どっちもどっちだけれど、私はとりあえず歳食ってからは、皮膚癌の可能性だけは消したほうが良いと思っている。

煮貝を作る

February 24 [Fri], 2012, 0:45
 某日、息子を学校に送った後で、ナクルアの電力会社オフィスへ行って電気代を払った後、ついでなので魚市場へと寄ってみた。

 すると、珍しく大きな貝が活きて売られていたので、ふと、思いついて大量に買った。それが下の写真のもの。



 思いついた料理は煮貝。おそらくアワビのような磯の滋味は味わえないかもしれないけれど、食感としてこのような貝なら近いものは出せる…と思った。

 早速、家に持ち帰って殻をハンマーで割り、身を取り出して掃除し、臭いを取るために一度湯通ししてから、煮汁の中に入れた。

 煮汁の方は、酒とダシと味醂と醤油、さらに岩塩と粉末コンブで作った。それを煮込み用の保温鍋の中に貝と供に入れて沸き立たせ、翌朝にもう一度火入れし、また鍋に戻して、夜ようやく完成。

 いそいそと取り出して切ってみると、なかなか良い感じになっている。口の中に入れてみたところ、さすがにアワビには遠く及ばないものの、少なくとも酒のツマミには最高の煮貝になっていた。

 この柔らかさならオフクロ様も食べられる。そう思って晩餐のとき、これを薄くスライスして酢味噌を掛け、ユズの皮を散らして出してみた。

 すると、猿嫁は「オイシー」とか言いながらバクバク食ったものの、オフクロ様はあまり喜ばなかった。

 考えてみたら、オフクロ様はこの貝のグロテスクな元の姿を見ていた。きっとそれが頭にあったのだろう。

 タイでは、時として食材をオフクロ様に見せないほうが良い場合がある。今回はそれを痛感した。
 この地に住んでもうすぐ10年。オフクロ様の喜ぶ食材探しは永遠のテーマなのである。

送料2460バーツ

February 23 [Thu], 2012, 4:02
 二歳のときから知っている、ネパールの少女から連絡が来て、いよいよ短大の入学式を迎えると知らされた。

 私の小指を小さなモミジのような手でしっかり握って、ネパールの鄙びた村の乾物屋に、一緒にチョコレートを買いに行ったときの事を思い出す。
 それから15年という歳月が流れた。

 今、少女は17歳になったから、もうあの頃の面影はわずかに留めるだけになり、おしゃれがしたい気持ちになり、男子の眼を気にするようになっていることだろう。

 とにかく何かお祝いを贈ってあげることにして、私は電話を切った。

 その後で何が良いのか…を考えてみたけれど、良い案が思い浮かばない。本当なら入学祝なのでちょっと良い時計がベストだが、タイはカモーイ【泥棒】うじゃうじゃの国。ネパールだってあまり変わらない。

 賭けても良いが、そんなものを送ったら抜かれてお終いである。だから時計はNGだし、電気製品やIT器機も考えられない。
 それに女の子に贈るものなので、猿嫁に相談したところ、ジーンズやバッグが良い…とアドバイスをもらった。

 そのついでに選んで買ってくるよう頼んだら、買い物好きのヤツは、1000バーツ札を握り締め、嬉々として市場へと出かけた。
 そして買ってきたものに加えて、システム手帳やペンや、村の子供たちへのお菓子やら、腹違いの兄のところに生まれた赤ちゃんへのプレゼントやら、色々と詰め込んで送ったら、なんと送料だけで2460バーツもとられてぶっ飛んでしまった。

 当初、私は普通の航空便小荷物で送ろうと思っていた。で、郵便局へと6キロの荷物を持っていったら、なんとネパール向けにはEMSしかない…と、ふざけたことを言われてしまったのである。



 以前は日本から沢山の品をネパールにエア・メールで送っている。SAL便でも送った。なのに、特殊なSAL便はともかくとしても、より近いタイからEMSしかチョイスがない…というのはどういう訳だ。全くこの国はわからない。

 そんな訳で、3000バーツ弱の中身を送るのに、ほぼ近い2460バーツもの送料を取られて、財布が軽くなってしまった次第。

 それでもちゃんと届けば良いのだが…さて、どうだろう。
 私は、途上国の郵便システムというのを、未だに全く信用していない。

一番美味しいマンゴー

February 22 [Wed], 2012, 2:38
 運動不足が甚だしいので、たった今ちょっと歩いてきた。

 そのついでに青空市場を覗いてみると、私がタイで一番美味しいと思っているマンゴーが売っていたので、よく熟したのを見繕って4つばかり買ってみた。

 価格はキロあたり45バーツ【約120円】。日本で買ったら目の玉が飛び出そうなくらいすると思うが、タイはフルーツ天国なので実に安いからあり難い。

 四つで2キロ近くあり、私が払った金額は80バーツである。
 ところでタイの場合、マンゴーは何種類か市場に出回っている。猿嫁に聞けばすべての種の名前がわかるが、私が覚えているのはただ一つ。それが間違いなく一番美味しいからだ。



 このマンゴーの名は【ナム・ドックマィ】。

 ナムはタイ語で【水】。
 ドックマィは【花】。

 だからさしずめこのマンゴーの名は【花の雫】だろうか。
 ちなみにマンゴーそのもののことは【マンムアン】という。

 もし、近々タイに旅行する予定で、あまり果物にも詳しくない読者の方が居られたら、ぜひ市場でこのマンゴーを買ってみることをお勧めしたい。
 味覚感覚には個人差が反映されるけれど、元料理人の端くれとして推奨できるのは、間違いなくタイではこの種である。

 きっと市場でマンゴーがずらりと並んでいるところへ行き、売り子のオバチャンかオジチャンに【ナム・ドックマィ?】と言ったら教えてくれるはずである。

 かつて、日本で宮崎産の一個1万円もする赤いマンゴーを頂いたことがあるが、私の感覚では、このタイのナム・ドックマィのほうが格段に美味い。とてもあのような上品なテイストではないが、南国の太陽の恵みを濃縮したように味が濃いのである。

 論より証拠。機会のある方は、ぜひトライして頂きたい。
【熟していないと、マンゴーはどの種も酸味が強いので気をつけてください】

危機一髪 シーリングファン

February 21 [Tue], 2012, 0:30
 またまた昨年の話で恐縮だが、10月の終わりごろにハッとする出来事があった。

 それはオフクロ様の部屋で発生した。

 ある日、オフクロ様が私に天井のファンのカバーが外れた、と告げに来て、見に行ったのだが、下から見る限りカバーだけが落ちかかっていて、本体を留めてある金具そのものは、全く問題がないように見えたので、暫くそのままにしていた。

 それから数日経過した頃、脚立を立ててネジを留めに掛かったところ、事態はもっと危険な状態だったと知って慄然とした。

 下から見る限りでは判らなかったが、なんと天井に太いネジで本体を留めている金具が、切れて割れていたのである。
 二本のネジのうち一本はすでに切断されている。それを留めていたあたりの金具も割れている。つまり、ただネジ一本で重いシーリングファンを暫く吊っていたのである。

 判り易く言えば、鉄棒に両手でぶら下がっていて、片手を離した状態、当然、体は真っ直ぐに保てなくなるので、ファンの場合だと回転すれば振れて、ますます一本だけになったネジは緩んでいく。

 これを引っ越してきて古いものを取り外し、新品を取り付けたのは私。だからどのくらいしっかり取り付け工事をやったのかは判っている。
 それでおかしいと思い、よく考えてみたら、なぜ太いステンレス製のネジや、硬い金属で出来た金具が切れたのか原因がわかった。

 このシーリングファンは一度外していたのだ。一昨年、我が家のシートロックで出来た天井ほぼ全てを張り替えたときに、業者が自分たちで外して、作業終了後にまた取り付けてから帰っていった時に、急いでぞんざいな仕事をしたのである。
 その際、ネジを真っすぐに打たなかったらしい。それでファンが僅かにブレて回り続けた為に、段々にネジと金具が摩擦で双方とも削れていき、切断に至ったというわけ。

 シーリングファンは結構重い。モーター部分だけでもかなりあるし、オフクロ様の部屋のものは、蛍光灯を5本装着するタイプなので、ガラス製のシェード五つを入れたら、8キロを超えるくらいの重量になっている。

 もしそんな重いものが頭上から落ちてきたら、ガラス部品は割れてオフクロ様は大怪我をしていたことだろうし、当たって打ち所が悪ければ亡くなっていたかもしれない。

 いずれにしても、そんなことになっていたら、私は悔いても悔い切れなかった事だろう。

 幸いにして落ちる前だったため、大急ぎで修理した。切断された金具を取替え、今度はより太いステンレス製のネジ4本でシートロックの中にある梁に固定した。
 これで絶対に大丈夫である。

 それにしてもタイでは、工事などを行ったら、手抜きのやっつけ仕事をされなかったか、きちんとチェックする必要があると、改めてきつく戒められた。この国ではぼんやりしていたらヤラれてしまうのである。

日本の魚【鮎】

February 19 [Sun], 2012, 13:23
 日本では、すでに幾つかの河川で渓流釣りが解禁になった。

 今年は雪が多かったけれど、渓流ファンは残雪の渓谷の美麗と、身を切るように怜悧ではあるけれど、清爽な流れの中での釣りを楽しんでいることだろう。

 私は本来渓流釣りが一番好きなので、そんなことを思うと羨ましくて仕方がない。

 タイでは、清爽な渓流などというものは、ミャンマー側の国境近くのジャングルにでも分け入らない限り、まずお目にかかれない。それでなければラオスにでも行くか、飛行機に乗ってネパールにでも遠征するか、いずれにしてもその程度のハードで金のかかる選択しかないのである。

 しかもそこまで苦労して出かけても、ヤマメ、イワナはおろか、ニジマスにすら出会えない。東南アジアには冷水を好むマス類は生息していないのだ。
【移植種が居ついたブータンや一部インド・パキスタンを除く】

 他に、私が懐かしく憧れる魚に鮎がある。こればっかりはほぼ日本固有の魚で、一部韓国や台湾に、沖縄と同じ亜種と思しきものが生息していると聞くが、まず日本に行かなければ出会えないと思って良いだろう。しかも鮎の盛期は短い。大体6月に解禁を迎えて10月末頃には終了してしまう。

 そんな儚い清流の精である鮎は、食味も素晴らしい。釣りたてのこの魚は独特の芳香を放ち、手にした人の心を魅了する。
 よく、その香りを「キュウリのような…」と評する人が居るが、私は違うと思う。鮎は鮎のかぐわしい香りなのである。

 昨年の話になるが、所用で出かけたバンコクのスーパーで、そんな鮎を見つけてしまった。ただし冷凍物であった。

 それでも真空パックされて腹も破れていなかったが、二尾で240バーツ強とかなり高かったし、色は少し黒ずんでいるし、きっと冷凍で不味いと思ったけれど、懐かしさと姿形に惹かれてしまい、思わず買い物籠に入れてしまった。
 それがこの写真のものである。



 家に帰ってその日のうちに早速塩焼きにしてみると、思ったとおり、あの独特の鮎の芳香は全く喪われていた。
 それでも踊り串を打ち、化粧塩を施し、丁寧にオーブンで焼いた鮎は、ずっと昔の、清く冷たい川が流れる夏の風景を思い起こさせてくれた。

 日本の国魚はどうやら錦鯉らしいが、私は間違っていると思う。鯉なら、ヨーロッパにすら家畜のように成長したヤツがごろごろ生息している。

 国花は桜で構わない。国鳥も雉で良いだろう。国蝶のオオムラサキも納得できる。だが、日本の国魚だけは、固有種という意味でも、なんとか鮎に変えて欲しいと、オフクロ様と一緒に冷凍モノのハラワタまで食しながら、私は思うのであった。

40900BTU

February 18 [Sat], 2012, 1:15
 昨年の暮れに、リビングの天井に取り付けてあったエアコンが壊れた。

 高価な機械だから、この家を買って以来今まで、騙し騙し使ってきたのだが、一昨年から時折水漏れが酷くなり、とうとう江戸時代の貧乏長屋並みに天井から水滴が滴り落ちるようになった上に、幾ら回しても冷えなくなったので、一念発起して新品に交換することにした次第。

 そう決めてから幾つかのエアコン専門店で値段を調べた。ちなみに我が家のような天井嵌め込み型のエアコンはカセットタイプといい、一般のスーパーの電気売り場などでは売っていない。

 価格は、もちろん容量の大きさによっても違うし、メーカーでも違う。
 一番高いのは意外なことに三菱で10万バーツ以上。その次だと日本のダイキン。続いて韓国製のサムスンやLGとなる。そしてもっと安いのは順にキャリアーやセントラルエアー、サイジョウデンキなどのタイ製。

 我が家のものはAMENAといカンパニーのタイ製だったが、今ではちっとも販売店が見当たらない。そんなメーカーでも、私たちが越してくる前から使っていた分を入れて、とにかく10年以上は持ったのだから、機械そのものがアタリだったようである。

 結局、私は何と言っても一番信頼できそうなダイキンを選んだのだが、なんとこれが大洪水の影響で、カセットタイプはまったく在庫がないという。それにいつ入荷するともわからないとのこと。かといって三菱では予算オーバーで手が出ない。

 さすがに不明の入荷予定を待ってはいられないので、サムスンやLGを聞いてみたら、同じ結果。仕方がないのでぐっと落としてタイ製のキャリアーを選んだところ、在庫があるのは我が家のものより容量が大きい機種のみ。

 もうノーチョイスである。大洪水の影響は、以外なところでも我が家にも及んだのであった。

 ところでこれからタイでのロングスティを考えている方や、コンドを新しく購入されてエアコンを買う必要のある人のために、少しだけ説明させて頂きたい。タイでは日本式の能力表記はないのである。

 よく日本ではエアコン売り場に行くと、6〜8畳用とか、8〜10畳用とかいう能力表記が使われているが、タイでは違う。u単位での能力表記もない。
 この国でのエアコンの能力はBTUという単位で表される。

 このBTUというのは、室内機の中にあるラジエターのような金属製の襞の数である。例えば9000BTUというのは、パカッとエアコンのカバーを開けたら、見える金属の襞が9000枚あるということである。

 ちなみにそのBTUで言うと、性能は以下のような感じになる。

9000BTU=6〜8畳用
12000〜13000BTU=8〜12畳用
14000〜15000BTU=8〜12畳用
16000〜17000BTU=12〜14畳用
18000〜28000BTU=14〜28畳用
28000以上=大きなリビングルームやオフィス用

 誤解のないように上記に付記すると、これは私が経験上言っているだいたいの目安であって、決して正式な性能としての数値ではない。それに天井の高さや日当たり、室外機を置く場所、窓の数などによっても性能は変わってくる。

 我が家の場合、元々あったのは36000BTUであった。
 ところが同じサイズは在庫がなく、それよりも大きいキャリアーの40900BTUを泣く泣く買う嵌めに…。

 これは本体が値引き交渉して60000バーツ。工事費が別に5000バーツ。さらに銅製の冷却ガスを引くパイプが4メートルまでフリーで以後1メートルごとに500バーツ。
 大変な出費になった。

 それでもネットで調べてみたところ、日本では暖房機能も付いているが、50万円程度することが判って少し納得。

 さて、取り付け当日は午前11時に職人たちが3人でやってきた。
 そして工事を開始してからなんと6時間後の午後五時に、ようやく取り付けが終わった。
 やはり天井に嵌め込むカセットタイプは、天井裏に潜って作業をしたり、50キロもの室内機本体【室外機はなんと80キロもあります】をワイヤーで吊ったりと、普通の壁掛け型や据え置き型エアコンでは考えられない作業が伴うので、そのくらいの大仕事になってしまうのである。

 だから高額だし、故障すると大変だし、皆様には決してこのタイプはお勧めできない。我が家では天井に穴を開けたままではいられないので、仕方なく同じタイプにしたのである。おまけに掃除をするときも大変面倒だからお勧めできない。
 この型は、ホテルのロビーやショールームや、シャレた雰囲気にしなければならないオフィス用だと思う。



 以上、昨年暮れに交換した大型エアコンについての顛末でした。

パラット死す

February 16 [Thu], 2012, 1:12
 ささやかな池で5年ほど飼っていた、ジャイアントグーラミーという魚が死んだ。

 これはタイ名をパラットという。よく養殖されているので、食用としても有名な淡水魚。

 熱帯魚屋で買ってきたときは10センチほどの体長だったのだが、死んで測ってみたら45センチにまで成長していて、体重は2.3キロにもなっていた。

 この魚は、他のヤツと違って、ゆっくりと弱りつつご臨終を迎えた。その死に方から、どうも天寿を全うして老衰であったように想える。

 おそらく寿命がそのくらいの魚なのであろう。

 今回は朝になって色が変わってから引き上げたわけではないため、魚体はまだ新鮮。

 こんな真鯛並みに大きくなった身は勿体無いので、三枚に下ろしてジュンの餌とすることにした。

 こういうところは、私は普通の方より冷たいかもしれない。池で飼っている魚に愛情がないわけではないが、いざ死んでしまえば、その身を無駄にすることはない…と考えてしまうのである。

 だから話は飛ぶけれど、私は脳死に関しての臓器提供には賛成する。それにもしドナーの方の臓器が、誰か他の人の命を救えたとしたら、提供した方の命も幾許かは受け継がれて未来へと繋がるわけだから、決して悪いことではないと思うのである。

 魚の死から変な方向に話が行ってしまった。

 いずれにしてもこの世のすべての生物どころか、地球そのものにも寿命はある。
 太陽にもあるし、もしかしたら宇宙にも寿命はあるのかもしれないのだ。

 だからこそ、命を無駄にしてはならない…というのはお釈迦様もおっしゃっていることである。
 
 またまた話は飛ぶけれど、AKBだかGKBだか、アイドルグループの名を模して、アルファベットの頭文字を取った自殺抑制プロジェクトの呼び名が、若者の間ではコギブリを意味するとかで、名称変更されることになった…とニュースで知った。

 名称はさておき、取り組みそのものは、何もやらないよりマシかもしれないと思う。もっとも内容は知らないけれど…。

 以前にも書いたが、日本の自殺者数は人口比でいうと世界でも群を抜いているらしい。それにただでさえ少子化が止まらないのだから、せっかく生まれてきた命を自殺で喪うのは惜しい。
 そう考えると、この取り組みは悪くないのではないだろうか。

 以前読んだ本に、こんなことが書いてあった。
「自殺を実行に移す人は、かならずノイローゼに罹っている。だからまずノイローゼを治すのが重要である」

 その真偽は知らないが、私は死のうと考えて思い詰めている人にこう言いたい。

『あんまり死ぬのを急がないで、とりあえずヒマラヤかオーロラでも、その眼で見てからにしたらどうですか。それからじっくり自分や生き物の命について考えても、決して遅くはありませんから…』
プロフィール
  • ニックネーム:小林龍彦
  • 性別:男性
  • 誕生日:1959年
  • 血液型:AB型
  • 現住所:国外
  • 趣味:
    ・アウトドア-Fishing
読者になる
1998年度JTB旅行記賞受賞。
他にハービス旅大賞、PROMISE.ESSAY大賞・優秀賞、三省堂「私の辞書活用法」エッセイ・優秀賞、男の生き様コンテスト・優秀賞、北海道池田町百周年記念事業、ワインにまつわるエッセイ・入賞、東京都近代水道百周年記念、水のエッセイ・優秀賞、他・・01年までにエッセイ・紀行文で入賞十数回。
02年三月号から03年十月号まで月刊誌【つり人】に《世界の釣流》連載。
著書に《人生を激変させた神の魚サハール》【つり人社刊】がある。
【略歴】 1959年東京都生まれ。 81年、大学中退後、シベリア鉄道経由で渡仏。釣り竿を抱えて欧州11ヵ国を放浪の後、帰国。 83年、渡米。4年後NY州マンハッタンにて日本レストラン開業、10年間経営。 96年、事業売却、帰国。その翌年釣り竿と供に中国、ベトナム、カンボジア、タイ、インド、ネパールを半年間漂流。初めて未知の大魚サハールの存在を知り魅せられる。同年、中国茶輸入業開始。 98年、タイ経由でネパール訪国。同年ラオスを一ヶ月間放浪。 99年、大河産のサハールをターゲットに三度ネパールに飛ぶ。また、オーストラリア、ニュージーランドなどに釣行。 03年、タイ王国に移住。
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