酷暑の中の愛犬

March 30 [Fri], 2012, 1:46
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眼鏡の新調

February 29 [Wed], 2012, 1:04
 オフクロ様が眼鏡を新調した。

 以前、まだカーフール【現在はタイから撤退してBIG―CEXTRAになっています】がオープンしたての頃、テナントとして中に開店していた専門店で作った老眼鏡が、目に合わなくなってきたためだった。

 加えてアクリルのレンズは傷だらけ。フレームはチタン製でしっかりしているので、レンズだけ眼に合わせて作ることにした。

 そう決めてから、どこの眼鏡屋にしようかと迷った末、私の知っている限りで一番長く営業している、BIG―Cサウスの中にある店を選んだ。

 ここの店員は感じが良かった。彼らはよく英語を理解し、86歳になるオフクロ様に、充分なくらい敬意を払ってくれた。

さらに眼の検査機械もそれなりのものが用意されていて、およそ10分かけて、現在の眼の状態を詳しく調べてくれた。
 その結果、ぴったりと視力に合うレンズはないことが判明。工場にオーダーして作ってもらうことに…。

 そんな経緯から、相当に高いものになるのでは…と心配したけれど、値段を聞いて拍子抜け。レンズは一枚1200バーツで、両目で2400バーツだという。何でもキャンペーン中で20%引きなのだとか。また、フレームに嵌めこむ工賃は無料であった。

 デポジットの半額を払ってから三日後、朝10時にこの眼鏡屋から電話があった。レンズが届いたのでいつでもお越しください…とのこと。

 タイではいい加減な奴等が多くて、何かを注文して在庫がなく、あとで電話するといっても約束を守らないことが多い。酷いのになると、注文を受け付けておいてシカトしている奴もいる。だから、日本や先進国ではごく当たり前のことなのに、タイだから律儀な店だと感心してしまった。

 レンズを嵌めてもらい、受け取った眼鏡は完璧だった。新聞の大好きなオフクロ様は、これで気分良く読めることになるだろう。

 疑念と不安を抱きつつ、ただ私だけを信じてタイへと渡ってきたオフクロ様に、私は出来る限りのことをしてあげる義務がある。故に小さなことだけれど、眼鏡の新調が上手くいってホッとした。

 永遠の個人介護人として、私はこれからも頑張るつもりでいる。

危機一髪 シーリングファン

February 21 [Tue], 2012, 0:30
 またまた昨年の話で恐縮だが、10月の終わりごろにハッとする出来事があった。

 それはオフクロ様の部屋で発生した。

 ある日、オフクロ様が私に天井のファンのカバーが外れた、と告げに来て、見に行ったのだが、下から見る限りカバーだけが落ちかかっていて、本体を留めてある金具そのものは、全く問題がないように見えたので、暫くそのままにしていた。

 それから数日経過した頃、脚立を立ててネジを留めに掛かったところ、事態はもっと危険な状態だったと知って慄然とした。

 下から見る限りでは判らなかったが、なんと天井に太いネジで本体を留めている金具が、切れて割れていたのである。
 二本のネジのうち一本はすでに切断されている。それを留めていたあたりの金具も割れている。つまり、ただネジ一本で重いシーリングファンを暫く吊っていたのである。

 判り易く言えば、鉄棒に両手でぶら下がっていて、片手を離した状態、当然、体は真っ直ぐに保てなくなるので、ファンの場合だと回転すれば振れて、ますます一本だけになったネジは緩んでいく。

 これを引っ越してきて古いものを取り外し、新品を取り付けたのは私。だからどのくらいしっかり取り付け工事をやったのかは判っている。
 それでおかしいと思い、よく考えてみたら、なぜ太いステンレス製のネジや、硬い金属で出来た金具が切れたのか原因がわかった。

 このシーリングファンは一度外していたのだ。一昨年、我が家のシートロックで出来た天井ほぼ全てを張り替えたときに、業者が自分たちで外して、作業終了後にまた取り付けてから帰っていった時に、急いでぞんざいな仕事をしたのである。
 その際、ネジを真っすぐに打たなかったらしい。それでファンが僅かにブレて回り続けた為に、段々にネジと金具が摩擦で双方とも削れていき、切断に至ったというわけ。

 シーリングファンは結構重い。モーター部分だけでもかなりあるし、オフクロ様の部屋のものは、蛍光灯を5本装着するタイプなので、ガラス製のシェード五つを入れたら、8キロを超えるくらいの重量になっている。

 もしそんな重いものが頭上から落ちてきたら、ガラス部品は割れてオフクロ様は大怪我をしていたことだろうし、当たって打ち所が悪ければ亡くなっていたかもしれない。

 いずれにしても、そんなことになっていたら、私は悔いても悔い切れなかった事だろう。

 幸いにして落ちる前だったため、大急ぎで修理した。切断された金具を取替え、今度はより太いステンレス製のネジ4本でシートロックの中にある梁に固定した。
 これで絶対に大丈夫である。

 それにしてもタイでは、工事などを行ったら、手抜きのやっつけ仕事をされなかったか、きちんとチェックする必要があると、改めてきつく戒められた。この国ではぼんやりしていたらヤラれてしまうのである。

40900BTU

February 18 [Sat], 2012, 1:15
 昨年の暮れに、リビングの天井に取り付けてあったエアコンが壊れた。

 高価な機械だから、この家を買って以来今まで、騙し騙し使ってきたのだが、一昨年から時折水漏れが酷くなり、とうとう江戸時代の貧乏長屋並みに天井から水滴が滴り落ちるようになった上に、幾ら回しても冷えなくなったので、一念発起して新品に交換することにした次第。

 そう決めてから幾つかのエアコン専門店で値段を調べた。ちなみに我が家のような天井嵌め込み型のエアコンはカセットタイプといい、一般のスーパーの電気売り場などでは売っていない。

 価格は、もちろん容量の大きさによっても違うし、メーカーでも違う。
 一番高いのは意外なことに三菱で10万バーツ以上。その次だと日本のダイキン。続いて韓国製のサムスンやLGとなる。そしてもっと安いのは順にキャリアーやセントラルエアー、サイジョウデンキなどのタイ製。

 我が家のものはAMENAといカンパニーのタイ製だったが、今ではちっとも販売店が見当たらない。そんなメーカーでも、私たちが越してくる前から使っていた分を入れて、とにかく10年以上は持ったのだから、機械そのものがアタリだったようである。

 結局、私は何と言っても一番信頼できそうなダイキンを選んだのだが、なんとこれが大洪水の影響で、カセットタイプはまったく在庫がないという。それにいつ入荷するともわからないとのこと。かといって三菱では予算オーバーで手が出ない。

 さすがに不明の入荷予定を待ってはいられないので、サムスンやLGを聞いてみたら、同じ結果。仕方がないのでぐっと落としてタイ製のキャリアーを選んだところ、在庫があるのは我が家のものより容量が大きい機種のみ。

 もうノーチョイスである。大洪水の影響は、以外なところでも我が家にも及んだのであった。

 ところでこれからタイでのロングスティを考えている方や、コンドを新しく購入されてエアコンを買う必要のある人のために、少しだけ説明させて頂きたい。タイでは日本式の能力表記はないのである。

 よく日本ではエアコン売り場に行くと、6〜8畳用とか、8〜10畳用とかいう能力表記が使われているが、タイでは違う。u単位での能力表記もない。
 この国でのエアコンの能力はBTUという単位で表される。

 このBTUというのは、室内機の中にあるラジエターのような金属製の襞の数である。例えば9000BTUというのは、パカッとエアコンのカバーを開けたら、見える金属の襞が9000枚あるということである。

 ちなみにそのBTUで言うと、性能は以下のような感じになる。

9000BTU=6〜8畳用
12000〜13000BTU=8〜12畳用
14000〜15000BTU=8〜12畳用
16000〜17000BTU=12〜14畳用
18000〜28000BTU=14〜28畳用
28000以上=大きなリビングルームやオフィス用

 誤解のないように上記に付記すると、これは私が経験上言っているだいたいの目安であって、決して正式な性能としての数値ではない。それに天井の高さや日当たり、室外機を置く場所、窓の数などによっても性能は変わってくる。

 我が家の場合、元々あったのは36000BTUであった。
 ところが同じサイズは在庫がなく、それよりも大きいキャリアーの40900BTUを泣く泣く買う嵌めに…。

 これは本体が値引き交渉して60000バーツ。工事費が別に5000バーツ。さらに銅製の冷却ガスを引くパイプが4メートルまでフリーで以後1メートルごとに500バーツ。
 大変な出費になった。

 それでもネットで調べてみたところ、日本では暖房機能も付いているが、50万円程度することが判って少し納得。

 さて、取り付け当日は午前11時に職人たちが3人でやってきた。
 そして工事を開始してからなんと6時間後の午後五時に、ようやく取り付けが終わった。
 やはり天井に嵌め込むカセットタイプは、天井裏に潜って作業をしたり、50キロもの室内機本体【室外機はなんと80キロもあります】をワイヤーで吊ったりと、普通の壁掛け型や据え置き型エアコンでは考えられない作業が伴うので、そのくらいの大仕事になってしまうのである。

 だから高額だし、故障すると大変だし、皆様には決してこのタイプはお勧めできない。我が家では天井に穴を開けたままではいられないので、仕方なく同じタイプにしたのである。おまけに掃除をするときも大変面倒だからお勧めできない。
 この型は、ホテルのロビーやショールームや、シャレた雰囲気にしなければならないオフィス用だと思う。



 以上、昨年暮れに交換した大型エアコンについての顛末でした。

パラット死す

February 16 [Thu], 2012, 1:12
 ささやかな池で5年ほど飼っていた、ジャイアントグーラミーという魚が死んだ。

 これはタイ名をパラットという。よく養殖されているので、食用としても有名な淡水魚。

 熱帯魚屋で買ってきたときは10センチほどの体長だったのだが、死んで測ってみたら45センチにまで成長していて、体重は2.3キロにもなっていた。

 この魚は、他のヤツと違って、ゆっくりと弱りつつご臨終を迎えた。その死に方から、どうも天寿を全うして老衰であったように想える。

 おそらく寿命がそのくらいの魚なのであろう。

 今回は朝になって色が変わってから引き上げたわけではないため、魚体はまだ新鮮。

 こんな真鯛並みに大きくなった身は勿体無いので、三枚に下ろしてジュンの餌とすることにした。

 こういうところは、私は普通の方より冷たいかもしれない。池で飼っている魚に愛情がないわけではないが、いざ死んでしまえば、その身を無駄にすることはない…と考えてしまうのである。

 だから話は飛ぶけれど、私は脳死に関しての臓器提供には賛成する。それにもしドナーの方の臓器が、誰か他の人の命を救えたとしたら、提供した方の命も幾許かは受け継がれて未来へと繋がるわけだから、決して悪いことではないと思うのである。

 魚の死から変な方向に話が行ってしまった。

 いずれにしてもこの世のすべての生物どころか、地球そのものにも寿命はある。
 太陽にもあるし、もしかしたら宇宙にも寿命はあるのかもしれないのだ。

 だからこそ、命を無駄にしてはならない…というのはお釈迦様もおっしゃっていることである。
 
 またまた話は飛ぶけれど、AKBだかGKBだか、アイドルグループの名を模して、アルファベットの頭文字を取った自殺抑制プロジェクトの呼び名が、若者の間ではコギブリを意味するとかで、名称変更されることになった…とニュースで知った。

 名称はさておき、取り組みそのものは、何もやらないよりマシかもしれないと思う。もっとも内容は知らないけれど…。

 以前にも書いたが、日本の自殺者数は人口比でいうと世界でも群を抜いているらしい。それにただでさえ少子化が止まらないのだから、せっかく生まれてきた命を自殺で喪うのは惜しい。
 そう考えると、この取り組みは悪くないのではないだろうか。

 以前読んだ本に、こんなことが書いてあった。
「自殺を実行に移す人は、かならずノイローゼに罹っている。だからまずノイローゼを治すのが重要である」

 その真偽は知らないが、私は死のうと考えて思い詰めている人にこう言いたい。

『あんまり死ぬのを急がないで、とりあえずヒマラヤかオーロラでも、その眼で見てからにしたらどうですか。それからじっくり自分や生き物の命について考えても、決して遅くはありませんから…』

想定外だらけ その二

February 13 [Mon], 2012, 0:43
 まさか52歳にもなって、糸鋸でシコシコと石材を切るとは思ってもみなかった。

 前日、忌々しかった家中の給水パイプの問題を片付けて、次はそれでも水の出が悪かった猿嫁のバスルームの、洗面所のエクイップメントに手をつけたのだが、ここでも想定外に直面。

 水道の勢いは、家族全員が驚くくらい良くなっている。特に猿嫁のバスルームは大きく改善されて、シャワーなどは全開にすると、肌に当てると痛いくらい。

 それでも洗面台だけは相変わらずチョロチョロとしか水が出ない。これはもう、壁に埋め込まれた給水管から、蛇口まで繋げているパイプの詰まりが原因なので、長年使ってきたエクイップメント一式を取り替えることにした。

 そこで洗面台の下に潜り込み、ヘッドランプで照らしながらそれらを外してみると、私が予想していたよりもずっと酷い状態の給水管があった。

 この管は直径2センチ位のビニール製で、回りをステンレスの網が覆っているのだが、そのために外してみないと中がどうなっているのか全く見えない。それを今回はようやく見る事になって吃驚。

 なんと直径2センチ、内径1.5センチくらいのパイプなのに、ほぼ完全に目詰まりし、赤錆の塊みたいなものがソーセージの肉のようにある真ん中に、2ミリほどの穴が通っているだけだったのである。
 これでは幾ら圧力を掛けても小便みたいにチロチロとしか水が出ないはず。

 それを見た瞬間、なんでもっと早く直してやらなかったのだろう…という思いが湧いてきた。
 
 当然、給水パイプがそんなだから、蛇口の中も大変な詰まり方をしている。幾らイタリア製といえ、勿体無いとは言っていられないので捨てることにした。

そんな経緯で買ってきた、新しい、鏡、洗面用のボウル陶器、蛇口、棚、パイプなどを取り付けに取り掛かった。

 ところが、洗面ボウルは充分に採寸してぴったり合うものを選んだはずなのに、昔の型と今の型の形状が僅かに違うために、蛇口を付けると、実にあと一歩のところで嵌らないのである。

 洗面台のトップは石材の板で出来ている。厚さは2センチ強。私は石に詳しくないので名は判らないが、大理石でないことだけは確か。それよりは透明感のある石で、もっと柔らかい。

 …ではあっても石は石である。やっぱり切るとなったら大変な労力を使う。色々と考えてみたけれど、新しい洗面ボウルを綺麗に嵌めるためには、どうしても上手に丸く切らなければならなかった。

 そこで冒頭のつぶやきになるわけだが、これもしんどい作業だった。シコシコ、シコシコ、糸鋸を動かし、時折ドリルで荒っぽく削り、ボウルを合わせてみて…を繰り返すこと4時間。
頭まで石粉で真っ白になりながら、ようやくボウルがすっぽりと嵌った。

 この作業のついでに昔シロアリに食われた木製の棚や、裏が幾らか腐食した鏡なども新しくしたので、バスルームは見違えたように綺麗になった。

 それにしても思うのは、タイの水道水の質の悪さである。特に目立つのは鉄分が結晶となって赤く錆びたと思われるもの。これがどうもパイプの目詰まりの原因として主になっているようだ。

 そんな風だから口を濯ぐのには使っていない。せいぜいシャワーと洗面と皿洗いくらいである。
 洗濯には網だけのフィルターを付けている為、これまで白いシャツが赤茶けることはなかったけれど、とにかく水の出のせいで時間が掛かっていたのが、今回の一連の大工事で、吃驚するくらい早く終わるようになった。

 何より皿洗いがスピーディーに出来るようになったことがあり難い。
 また、家族の誰かが他の蛇口を開けていても、水の勢いが落ちなくなった。

 今回の改善を一番喜んだのはオフクロ様。長年、蛇口をひねれば水が勢いよく出てくる日本の暮らしに慣れていたため、我が家の水道には物凄いフラストレーションを感じていたらしい。

 これで我が家の懸案がまた一つ消え、快適な暮らしがいくらか謳歌できるようになった。さて、次は何が待っているのだろう。

想定外だらけ その一

February 10 [Fri], 2012, 10:25
 今日の記事は前回の続き。

 配水管内の洗浄が失敗に終わった私は、現在ポンプから出ている二本の給水パイプを切り落として、各パイプへのショートカットを地上から直接繋ぐことにした。
 
 しかし、壁の中や、地下に埋まっている部分のパイプには手を出せない。さすがにそれをやるには、この家を大々的にぶっ壊さなくてはならなくなるからだ。

 基本的にタイの水道管はPBCパイプと呼ばれ、青い樹脂で出来ていて、各種の太さが用意されており、普通4m単位で売られている。これはノコギリで切るのに造作ない。また、接続する場合も、専用の接着剤があって、ジョイント部品も各種販売されているから、全く苦もなく繋ぐことができる。

 それらを用意して、まずポンプから猿嫁の部屋エリアと台所へ繋がっているパイプを直した。
これは大成功。試しに元栓を開けたら、シャワーから物凄い勢いで水が飛び出した。

 次に問題のオフクロ様の部屋に隣接するバスルームに取り掛かったのだが、ここで大誤算が発生。
なんとこの水道管だけ、樹脂製ではなかったのである。外壁と同じ色のペンキが塗ってあったので判らなかったのだが、このバスルームに配管されている全てのパイプだけ、亜鉛合金製と思われる金属で出来ていたのだ。

 それでも切るしかない。意を決した私は、金属用の糸ノコを持ち出してきて、シコシコとパイプに当てて動かした。ところが皮肉にもこんなところだけ頑丈に出来ている。パイプの直径はせいぜい4センチ程度のものなのに、大汗をかきながら一時間糸ノコをひいても穴が開いて水が染み出した程度だった。

 よほど電動のカッターマシーンを買いに行こうか…と思ったけれど、あまり使うこともない高価な機械を買うのも悔しい。諦めてエアコンを効かせた部屋で30分ほど休み、また作業を開始した。

 それから一時間後、ようやくパイプが切れた。しかし、新しいポンプからのパイプを繋ぐには、最低でもさらに五センチ下をもう一度切らなければならなかった。土中から突き出ている金属パイプは硬くて、とても曲げられなかったからである。

 さらに二時間半。また金属パイプを切ることに没頭した。
 そしてようやくカランと5センチ長のパイプが落ちたときは、すでに日暮れ。その日はタイムアップで終了した。

 翌日、切ったパイプから太い針金を通して中を掃除したら、赤茶けた錆の塊みたいなものが、止め処もなく出てきた。これではオフクロ様のシャワーの温水器がうまく作動しないはずである。

 小一時間掃除して新しいパイプを繋ぎ、期待と供に元栓を開放。しかし、またしても期待は木っ端微塵に打ち砕かれた。

 確かにオフクロ様のバスルームのどの蛇口からも、水は勢いよく出るようになったのだが、ふざけたことに切って使わなくなったはずの廃パイプからも、ポンプと繋がっていたところの古いパイプからも、水が噴水のように飛び出すのだ。

 もうそんなことが起きる原因は、オフクロ様のバスルームの壁の中に埋め込まれたパイプが、複雑に配管されてポンプから相互に2ラインが繋がっていたとしか考えられない。

 こんな想定外は全く考えてもいなかった。解決するにはやはり壁をぶっ壊し、土を掘り返して、古いパイプを一掃するしかない。

 よほど、業者を頼んで壁をぶち壊そうかと逡巡したが、とりあえず当面の大問題であった蛇口からの水の勢いは、完全に改善されている。また、そんな大工事をするとなったら軽く一週間以上は掛かるし、費用は馬鹿にならないし、タイルも貼り替える必要が出てくるし、オフクロ様のバスルームは絶対にその間使えなくなる。そこで、思い直して、ポンプのスイッチを入れると水が噴出す2本の廃管にキャップをすることにした。

 さすがにこれは簡単なので大成功。

 そうして長年の懸案であった水道の水の出という問題は解決したのだが、翌日、猿嫁の部屋の洗面所を改装しようとした私は、またしても想定外にぶち当たってしまったのであった。

超大仕事失敗に終わる

February 09 [Thu], 2012, 8:06
 去年10月の半ばのことである。
 一念発起で早起きし、息子を学校に送り出した後、いよいよ我が家の地下に張り巡らされた水道管すべてを、大掃除する準備に取り掛かった。

 始めたのは午前八時。それから水道の元栓を止めて一つ一つ蛇口やシャワーを取り外し、全部壁にあいた穴だけにしてから、いよいよ高圧洗浄機の噴出口を突っ込んで、次々とパイプの内側を洗っていった。

 すると黒いヘドロのようなものや、赤土色の鉱物の結晶のようなものや、ただ砂としか思えないようなものが、次々と水と供に出てきた。

 何しろ築18年。配水管は相当に汚れて詰まっていたのである。

 そんな洗浄を全部終わらせてから、また一つ一つ防水テープを巻き、蛇口やエクイップメントを取り付け、いよいよ元栓を思いっきり開けた。

 が…しかし、思ったような改善は全く見られなかった。相変わらず猿嫁の部屋の洗面所の蛇口からは、ジュンの小便よりも細い糸のような水が流れ出すばかり。
 オフクロ様の部屋のシャワーも、水圧が足りなくて温水になかなかならない。

 どうやら、幾ら高圧洗浄機での水洗いといっても、パイプの奥までは届かなかったようだ。

 がっかりして時計を見たら午後四時になっていた。飯も食わないで8時間も作業していただけにガックリときた。

 その落胆が去ると、今度は怒りがこみ上げてきた。かくなる上は、ポンプから出ているパイプを叩き切って、直接各蛇口に水を供給しているパイプに繋ぐしかない。そう考えた。

 考えを猿嫁に述べると、どうなるか判らない…と反対したが、怒りに駆られたときの私は、自分の考えを何としてでも押し通す。

 さすがに翌日にやる気はしなかったから、決行日は二日後に決めた。

 だが、私の決断には想定外の障害があったのである。さすがはタイ。すんなりとは思い通りに行かなかった結末は、またそのうちにUPさせて頂く。

バッテリー死す

February 08 [Wed], 2012, 9:31
 今日は実に久しぶりに書き溜めをしているのだが、上6つの記事はいずれも、本日2月2日の早朝に書いたものである。

 だからいつものことながら他のブログと違って話題は古い。さらに書き殴りなので文章も汚い。しかし、ブログなのでそこらあたりは御容赦願いたい。

ところで昨日の一日には、とりたてて良い食材が冷蔵庫になかったために、私は家に残って即席ラーメンを啜り、オフクロ様たちには外食に出てもらっていた。

 そして午後八時過ぎに、猿嫁が運転して帰ってきて、一旦家の前に駐車してからゲートを開け、いざカーポ―トにいれようとしたらエンジンが掛からなくなってしまった。

 とうとう愛車のバッテリーが臨終したのだった。ただ、出先でそうならなかったのはラッキーというしかない。

バッテリー昇天の兆候はすでにあって、セルの回りがここ一月ほど悪くなっていた。

 確か、メインテナンスフリーのものに変えたのは4年ほど前。タイ人経営の修理屋で買ったら結構高かった【3800バーツ】ので、今回もそれくらいを覚悟して、家の前に路上駐車してあった愛車のサニーを救出するべく、バイクで息子を学校に送ってから近くの修理屋へと買いに出かけた。

 このカーショップは大きなチェーン店。朝の九時ですでにオープンしていた。早速オフィスで値を尋ねたら、YUASAのもので【2990】バーツとのこと。

 前回の小さな個人ショップでは、ボッシュならわかるが、名も知らない違うメーカーの同サイズのもので800バーツも高かっただけに、これはボラれていたか…と四年前のことで憤慨した次第。

 こいうことがあるから、パタヤではタイ人の個人商店がどんどん淘汰されていくのである。私達外国人だって、当然ボラれるのは嫌なのだ。

 またボルことはないにしても、値札が品物に貼ってなくて、いちいち聞かなければならないような個人商店にも困る。だから、小さな乾物屋兼コンビニみたいな店は、セブンイレブンやファミリーマートの進出でどんどん消えていっている。

 車の修理屋も、市内に幾つかチェーン店が出来て、タイヤなどは価格競争において華僑などの個人商店が太刀打ちできない感じになっているから、早晩、そういうショップは消えていくのではないだろうか。

 どんどん欧米的ビジネスに侵食されていくタイ。けれど私は伝統の青空市場だけは、庶民の味方として生き残ってほしいと思っている。

タイの動物病院 その2

January 20 [Fri], 2012, 2:56
 間が開いてしまったけれど、愛犬ジュンのその後を御報告したい。

 ジュンを病院に連れて行った翌日、約束通りドクターが電話で血液検査の結果を知らせてくれた。
 それによると何とか言うパラサイトが血液中に生息しているとのこと。
 いろいろと治療の方法を説明したいので、すぐに病院まで来てくれ…といわれたので、大急ぎで車を走らせた。

 着くとすぐに、ドクターは血液検査の結果が記された紙片を見せてくれた。
 その一項目に、聞いたこともないパラサイトの名があった。

はっきりしているのは心配していたジステンパーやフィラリアではないということ。その時点で幾らか安心してしまったのもあって、その難しいパラサイトの名前は、記憶の隅にも残っていない。

 ただ、放って置くといずれ腎臓や肝臓、さらには心臓までやられて、やがて死んでいくというから、決して軽くは考えないほうが良いそうだ。

 ドクター曰く、薬で駆逐できるという。ただし、一年も掛かると聞いて吃驚した。まず抗生物質で体内の炎症を治め、それから毎月一回注射を打ち、徐々に殲滅させるしかないのだそうだ。

 さらに、このパラサイトは元々タイにいたものではなくて、欧米の犬から持ち込まれたものだと教えてくれた。そして、今では大変罹患率の高い状態になっているらしい。

 当然、媒介する宿主を聞いたところ、すばりダニだという。それなら野良犬天国のタイで、爆発的に拡まるのは道理。タイで犬を飼われている方は、ぜひ気をつけて頂きたい。

 さて、肝心の治療法だけれど、最初に使う飲み薬は二種類あった。そのどちらかのチョイスなのだが、一つはジェネリック薬で廉価。もう一つは欧米メーカーのオリジナルで当然のことながら高価。

 ドクターは初期治療に必要な18日分で、600バーツの前者と、1500バーツのどちらを選びたい? と聞いてきた。効き目が同じなら安いほうが嬉しいに決まっている。ところが、この二つには大きな違いがあった。

 コピーのタイ製はカプセルで、輸入物は注射器のような容器に入った手動注入タイプなのである。ドクターによるとカプセルタイプは飲ませても吐き出すケースが多いらしい。

 そういえばジュンは以前皮膚病に罹った時に、カプセル状の飲み薬を何種か飲ませたら、何度も吐き出して、私を往生させたことがあった。それを思い出したので今回は病気が重いこともあり、その高い方の薬を選ぶことにした。

 これは値段が良いだけあってとてもよく出来ている。写真を見てもらえば一目瞭然だが、飲ませるときに押し込むピストンバーの部分に九つのツメが付いている。それを小型犬なら一個、中型犬なら二個、ジュンのような大型犬なら三個というように、切り取って使う。つまり飛び出す量の調整が間違いなく正確に出来るようになっているわけだ。



 さらに中身は柔らかいペースト状で喉の奥に飛ばし易い。加えて犬にとって美味しい味が付いているらしく、ジュンなどは与えて三日目にはこの注射器のような薬を手に取ると、自分の方から駆け寄ってくるようになってしまった。

 ちなみにメーカーは有名なファイザー製薬。この会社は人間用だけでなく、動物用のものも製薬しているようだ。
 成分も書いてあったので読んでみたら、なんとドキシィサイクリンが主要成分になっていた。

 この薬は、以前にアメリカにいたころ、エイズが流行り始めて、もしかしたら効くのではないか?…と話題になった抗生物質の一種である。
 また、うろ覚えだけれど、確かクラミジアなどの性病にも効果があったはずなので、パタヤあたりで悪い病気を頂戴した方は、まず動物病院に行って、これを買ったら良いような気がする。

 そんな薬を毎日晩飯のあとに与えて今日で四日目になるが、すでに二回目に与えた時に、ジュンは元気を取り戻していた。

 今日あたりは以前のように野良犬が通ると、オフクロ様が叩き起こされるほどの威嚇咆哮をするまでに回復している。食欲も出て飯もバリバリ食う。恐らく大丈夫だ。

 これで一安心。

それにしてもこれから毎月一回の注射で一年通ったら、ジュンの医療費総額が、前回と今回のものを含めて、1万バーツ弱にもなってしまうのには閉口する。

 私の医療費は、この数年でデング熱のときの3200バーツだけだというのに、元気になって太い尻尾を振っているジュンを見ながら、なんだか納得のいかない気分なのであった。
プロフィール
  • ニックネーム:小林龍彦
  • 性別:男性
  • 誕生日:1959年
  • 血液型:AB型
  • 現住所:国外
  • 趣味:
    ・アウトドア-Fishing
読者になる
1998年度JTB旅行記賞受賞。
他にハービス旅大賞、PROMISE.ESSAY大賞・優秀賞、三省堂「私の辞書活用法」エッセイ・優秀賞、男の生き様コンテスト・優秀賞、北海道池田町百周年記念事業、ワインにまつわるエッセイ・入賞、東京都近代水道百周年記念、水のエッセイ・優秀賞、他・・01年までにエッセイ・紀行文で入賞十数回。
02年三月号から03年十月号まで月刊誌【つり人】に《世界の釣流》連載。
著書に《人生を激変させた神の魚サハール》【つり人社刊】がある。
【略歴】 1959年東京都生まれ。 81年、大学中退後、シベリア鉄道経由で渡仏。釣り竿を抱えて欧州11ヵ国を放浪の後、帰国。 83年、渡米。4年後NY州マンハッタンにて日本レストラン開業、10年間経営。 96年、事業売却、帰国。その翌年釣り竿と供に中国、ベトナム、カンボジア、タイ、インド、ネパールを半年間漂流。初めて未知の大魚サハールの存在を知り魅せられる。同年、中国茶輸入業開始。 98年、タイ経由でネパール訪国。同年ラオスを一ヶ月間放浪。 99年、大河産のサハールをターゲットに三度ネパールに飛ぶ。また、オーストラリア、ニュージーランドなどに釣行。 03年、タイ王国に移住。
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