「インビクタス 負けざる者たち」 

2009年12月12日(土) 9時40分

Invictus


-今や押しも押される巨匠であるクリント・イーストウッドですが、権威の匂いを感じて反発している人も少なからずいるようです。『ミスティック・リバー』あたりから、悲劇としての結晶の度合いがますます研ぎ澄まされているのですが、作品は評価しても、その重さ・暗さに辟易気味という人は自分の近しい人にもいます。この最新作は、そういう人たちにこそ観て欲しい、明るくて前向きな、新たなイーストウッドの魅力に満ち満ちた作品です。いや、登場人物が誰も死なないのって、いつ以来だったでしょうか。

-1990年、長年の投獄生活から開放され南アフリカ共和国初の黒人大統領になったネルソン・マンデラ。彼はバラバラになった国民の気持ちをひとつにするため、ワールドッカップの自国開催に取り組んでいく。一歩間違えば、安手のナショナリズムにしかならない微妙な題材を力強く説得力ある物語に仕立て上げているのは、そのユーモアに満ちた人物描写と、省略を効かせた絶妙なストーリーテリングにあるでしょう。細田守は『グラン・トリノ』について、家二軒の話で傑作を作っていると感嘆していましたけど(「映画芸術」誌のインタヴューより)、「人種を超えた結びつき」という同じテーマを、一つの国家単位にまで拡大して変奏してみせたのが『[[インビクタス]]』であり、大作でありながら親密で、すみずみにまで血が通っています。名もなき登場人物の一人ひとりにいたるまで、慈愛に満ちた描かれ方がなされていて、そうした繊細なディティールが、そのまま作品のテーマと見事に直結しているのです。フットボールの場面もパワフルで、80歳を迎えるイーストウッドが、活劇の作家としていささかも衰えていないことにも驚かされました。日本公開は2010年2月5日と、ちょっと先なのですが、自信を持ってお勧めします。

-それにしても、試写で観せていただけたのは幸運だった。今年はイーストウッドの映画を3本も観られたのだ。

TEST 

2006年02月01日(水) 15時01分
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