濁った水 

August 27 [Mon], 2007, 0:01
虚ろな其の目に映るは陽炎

嘘ばっかり謡い続けて疲れた夜。

泣き腫らした目を、小さな子どもがするように、
強く擦りあげてみても、夢からは覚めなかった。

嗚咽には熱帯夜がよく似合う。

戯事なんかに現を重ねているから、
血は溢れ出すんだ。

契りなんかに夢を見るから、
いつまで経っても朝は来ないんだ。

灰色の世界にはやっぱり身を置けそうもない。

「有終の美」なんて格好良いことだけ言ってみるけど、
結局は逃げ出しただけ。

もう望まない。
もう信じない。

薄曇りだから晴れ間を見るんだ。
どしゃぶりだから雨上がりを信じるんだ。

太陽なんていらないよ。
もう欲しくない。

時雨の心 

July 27 [Fri], 2007, 3:19
嘘みたいなアイラブユーはもう食べ飽きた。
ヌードは晒し過ぎて価値を落とした。

時計は気紛れに針を増やすから、
今がおやつの時間なのか、
セックスのタイミングなのか、
ブランチの空き具合なのかがわかんない。

「大嫌い」はジョーカーみたいに、
何にでも姿を変えて、
今も何処かで誰かを騙すから、
「切り札」なんだって古いヒトは教えてくれた。

甘くない愛なんていらないよ。

「モラル」なんて体裁や、
「言い訳」なんて愛のセリフも。

「嫉妬」なんて自慰も、
「絶頂」なんて芝居も。

「アンタ」なんて存在も、
「アタシ」なんて人形も。

今は全部無かったことにして、

さよならを歌おう。

 

July 11 [Wed], 2007, 2:56
会話の合間に洩れる吐息が惑わせるは、

昨夜の秘め事。

銜えた薄荷味の煙草を燻らすは、

今宵の御伽話。

指先が濡れているのは、

空腹の涎を拭ったから。

血液は不用意には流れないから、

代わりに溢れんばかりの葡萄酒を流し込む。

恋という名の甘酸っぱさが足りなくて、

オレンジに噛み付いてみる。

其れでも飽き足らないから、

弄った乳房と唇は、

硝子珠のように脆くって、

触れる相手を選んでしまう。

折角灯したマッチの火を、

舌で優しく消してみたら、

本当は貴方じゃなきゃダメだった事にやっと気がついて、

火傷してヒリヒリ痛い其の部分を、

少しだけ煙たく撫でられる感触に、

溺れてしまいそうになる。

全部嘘だって囁いて?

忘れないように、

耳元で繰り返して。

Intuition 

July 10 [Tue], 2007, 15:39
天性の産物なら甘んじて受けましょう。

喩え其れが私の顔を泥塗れに汚すものであっても。

生傷に浴びる程のアルコールを注ぐものであっても。


幾許かの隙では足りませんか?

無知は罪ですか?


贋作ばかりの世の中だから、

本物を見抜く力なんかより、

其れ等を愛せる力を下さい。

Lie of Imitation 

April 11 [Wed], 2007, 0:53
今更何を恐れているの?

とうの昔に壊れた玩具を、

いつまでそうして抱いているつもり?

ほら、見てごらん?

大事にしていたその口元を、

真っ黒に塗り潰したのは、

今アナタが手にしている油性ペン。

ほら、見てごらん?

愛しいと撫でていた髪の毛を、

毛羽立たせたのは、

今アナタが手にしている鋏。

幼さ故に、過ちに気付かないのね?

「ソンナコトハシテイナイ」

いつもと同じ。

組み込まれたプログラムのようね?

贋物の嘘ばかり口にするのなら、

その嘘が持つ「毒」に侵されて、

逃れられないくらい苦しめばいい。

その甘美な味は、

どうせ忘れることは出来ないでしょう?

Cloudy Sky 

April 09 [Mon], 2007, 2:51
深夜2時半の、この曇天の空のように、

此処暫くの私は、掴み所の無い靄の中に居た。

実際今も其処から抜け出した訳では無い、と思う。

燻る煙の量は増し、混沌とした部屋には埃が積もる。

この部屋で眠る事にはやはりまだ馴れない。

2年近く住んだ家の寝室なのに、今更違和感を覚える。

おかしな話だ。

初めて伸ばした髪にも爪にもすぐ馴れたのに。

そういえば無造作に汚れた部屋は何時の頃も苦手だった。

汚されるべくして汚れた部屋は何故か安心出来るのに。

自らの首を真綿で絞めるような真似は、本当はしたくない。

けれど、其れでは私は何者でも無くなってしまう。

追い込めば追い込む程、

突き詰めれば突き詰める程、

私は足掻き、苦しむ。

「ナニヲシテモイイヨ」

広大な敷地に解き放たれた私は、

その自由さに、膝を抱え動けずに居る。

私は、与えられた不自由から這い出る心得しか持ちえていない。

其の状況は、私の中が空っぽな事を改めて痛感させるのだ。

Chocolate With Mint 

April 07 [Sat], 2007, 2:20
ふと旅に出たくなった。

持ち物は、財布と煙草と口紅。

それとポッケに入るだけのお菓子。

絵葉書くらい書けるように、鉛筆は胸に差して。

時計は持っていかない。

携帯も持っていかない。

でもクローゼットの中で一番上等な服を着ていこう。

煩くない場所へ。

穏やかな時間が流れる場所へ。

海へ行ったら髪を切ろう。

私の断片が僅かでも漂うように。

山へ行ったら葡萄酒を飲もう。

少しだけ零すから、アナタも飲めばいい。

だからお願い、

空いた鬢を唾液で満たして。

お腹が空いたら指を咥えて、

セックスがしたくなったら口紅を塗り直せばいい。

「朝を愛でるまでは戻らない」。

決まり事はそれだけ。

ただそれだけ。

Doll 

April 03 [Tue], 2007, 1:28
「居てくれるだけでいい」

「聞いてくれるだけでいい」

そんな言葉達に違和感を感じる。


「キミらしくない」

「キミはそんな人じゃない」

そんな言葉達の中から「私」を見出せない。


優しい言葉の中の鋭い棘。

頷いていれば治まる波動。

佇めば済んでしまう舞台。

春麗 

March 27 [Tue], 2007, 17:31
春の言葉は、漢字や響きが美しいから好き。

肝心の春自体はやっぱり、まだ好きになれそうにないけれど。

小さい頃からそれだけは、ずっと変わらない。

景色も気候も穏やか過ぎて、私には少し息苦しい。
環境や時間が齎す変化は、私には早過ぎる。

其の事を憂うのには、さすがに慣れたけれど。

今年に限っては、遣り過ごした今までとは違って同じように巣立つけれど、然程浮き足立ってもいない。

必然は時に面倒だ、放棄出来ないのだから。

型に囚われ過ぎる私だから、どうしても「しなければいけないこと」が増える。

「したほうがいいこと」ならまだ少しは柔らかいのに。

新しい部屋の傍には、ささやかな水が流れている。
今年は愛でることくらい出来るだろうか?

卑猥な昼と混沌の夜 

February 23 [Fri], 2007, 15:03
シンクで燃ゆるは昔話。
燻る煙は甘ったるいチョコレートの香り。
大嫌いなウォッカを一舐めして、
さぁ、あの人に会いに行こう。

雨とシャワーで体を清めて、
いつまでも逃げていく影を追いかける為に。
安堵と不安は紙一重。
吐き気がする。

泣いて縋ってもキミは笑うから、
「ニンギョウみたい」って囁いてみる。
夢を台無しにした代償は何処までも深い。

一人で平気?

誰かが言う。

卑猥な気分の昼は慰めてくれますか。
混沌とした夜には抱きしめてくれますか。

穏やかな朝は誰の物でもない。
況して当然では無い。

少し黙っててもらえませんか。
P R
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