映画「牛の鈴音」

2010年01月23日(土) 22時40分
公演地制作の作業が一段落つき、今日から谷間に入った。
久しぶりにのんびりした気分で一日を過ごした〜。
今日は、いそべっちも私用で出勤してこなかったし、現は書斎にて台本にかかりっきり。萌は外に遊びに行ってるしで、仕事をしながらも、久々に自分だけの時間がとれて、なんだかリフレッシュした感じ〜。

なので、ずっと書きたいと思ってた、映画「牛の鈴音」のことを書きたい。
今週、火曜は定休だったのだけど、朝から仕事だった。
夕方から、現とともに、十三の映画館、第七芸術劇場で上演中の「牛の鈴音」が見たくて、それまでに終えられるようにと作業した。なんとかいけるぞって感じで、途中郵便局に寄りながらテクテク歩いて十三まで。
無事に落ち着いて観れた。

「牛の鈴音」は、韓国の農場で働く老夫婦と40歳の牛のドキュメンタリー映画。
解説やインタビューはいっさいなく、ただただ、彼らの日常が映されていく。
8歳のときに右足の針治療に失敗し、杖をついて歩くおじいさんは、はいつくばって農作業をしていた。まだ暗いうちから起きだして、牛とともに田んぼにでかけ、農作業をし、仕事を終えると帰っていく。機械や農薬はいっさい使わない。
おばあさんのほうも、ずっとおじいさんに文句を言いながらも、休むことなく農作業を続けている。40歳の牛も、身体をひきずるようにしながら、動けなくなるその日まで、働き続ける。

なんとも淡々とした映画だったのだが、これがとても素晴らしかった!
まるで時代からおいてけぼりを食らったように、山奥でひっそりと暮らしている彼らの姿が、観た後も心に残って胸に迫ってくる。
そして、牛と離れがたく、なによりも牛を大切に思うおじいさんの心が尊くて愛しい。
牛は死の間際まで働き、おそらくあのおじいさんも、死ぬ間際まで田んぼに出るに違いない。労働することの尊さを、これほど見せてくれる映画はなかなかない。

http://www.cine.co.jp/ushinosuzuoto/

その日の夜は、その感動を胸に、なんばへ。
奈良での公演地探しにアドバイスいただけるという方とお会いした。
奈良に住み、奈良の映画を撮り続けていらっしゃる映画監督さん。
気さくでとても話しやすく、たくさんの貴重な情報をくださった。
まもなく、去年撮影された映画が公開されるそうで、チラシもいただいた。
今日、これを書くとまた長くなるので、映画の紹介はまた明日にでも。

This is it! と忘年会

2009年12月24日(木) 15時06分
昨夜、やっとこさマイケル・ジャクソンの「This is it!」を観た。
久しぶりに見るマイケルはやっぱり凄かった。
天才ほど努力すると言うけれど、「This is it!」はそれを証明するような映画だった。
スーパースター、マイケル・ジャクソンは真摯に努力する天才中の天才であった。
マイケルの作る音楽は素晴らしい。
もちろんダンスも凄いし完璧だけど、その中でも抜きん出ているのは彼の音楽性だと思った。

この映画は、スーパースター、マイケルの存在を残す貴重な映像だと思うけど、映画としてはちょっと食い足りないところもあった。
なぜならば、すべてが順風満帆。個人的には、もっと生きたマイケルの姿や言葉が見たかったし聞きたかった。

そういう意味では、この映画の中で感動的だったのはマイケルに憧れ厳しいオーディションを潜り抜けてきたダンサーたちの存在だった。彼らはいまにも泣き出さんばかりにマイケルと踊れる喜びを語っていた。その一言一言の裏側に、彼らの長い道のりがぎっしり詰まっていることが感じられ、心から感動を覚えた。そして、彼らのダンスも、本当に素晴らしかった。

話しはとぶけど。
あたしがマイケル・ジャクソンをはじめてみたのは中学生の頃か?
ダイアナ・ロス主演の「ウイズ」だった。これは「オズの魔法使い」を黒人ミュージカルにしたもので、マイケルは案山子役だった。まだ少年の面影を残していたマイケルが、歌い踊る案山子は圧巻だった! まるでマイケルの足には筋肉も骨もないみたいに見えて心底驚いた。いまもあのマイケルの姿が脳裏に焼きついて離れない。
あたしは、やっぱりあのマイケルが最高に好きだなあ。

「This is it!」を見ながら自分自身が確認したことがひとつある。
人工的なものが好きではなくなっているあたしにとっては、最新テクノロジーを駆使したマイケルのショウにはあまり関心がもてない、ということだった。
きらびやかな照明も、どうしてもマイケルの存在を薄くしているように感じられてしまう。マイケルの凄さは、きっとなんにもなくても伝わるはずなんだ、と思ってしまう。

これは、有吉佐和子さんの『出雲の阿国』の影響かもしれない。
小説の中で阿国は、身ひとつで踊ることを極めていく。
そこに達することができればなあ〜と胸を熱くして読んだのがつい最近のことなのだ。

ところで。
22日は楽市の忘年会だった。事務所にたくさんの友人たちが来てくれてワイワイ愉しいひと時だった!
今年は朝までコースの人も何人か残った。べろんべろんに酔ってるので途中からなんかわけわからんことになってた。あたしはそんなに強くないので途中からコーヒーを飲んでいた。そろそろ野外劇をしたいと言い出した現の旧友さんと話せたのが愉しかった。
夜中まで人がいたので、猫のそらが怒っていたのがちょっと可愛そうで、悪いことしたなあと思った。
今年の年忘れ会はそんな感じ。
続々と集まってきた友人たちが、巡回公演に行くことを応援してくれた。
楽市楽座での共演者たち、関わってくれた人たちが、それぞれに愉しんでくれたことも嬉しくありがたかった。
今年一年、本当にたくさんの方にお世話になった。
忘年会で会えなかった人も多くいたが、すべての皆さんに感謝!

すごいものを見てしまいました!

2009年05月11日(月) 18時07分
昨夜、観ました!
真夜中すぎても見るのをやめられませんでした!
すこし古い作品ですが、夫が出張先でみつけた歌劇『蝶々夫人』。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、カラヤン指揮、蝶々夫人=ミレッラ・フレーニ、ピンカートン=プラシド・ドミンゴ。
クラシック界の超一流人が集まって製作した映像オペラです。
ジャン=ピエール・ポネルという人が演出・装置・衣裳をしている。
(↑初めて名前を知った。天才だ!)。
『蝶々夫人』は、舞台や舞台映像で何度か観て毎回号泣してますが、こんなに凄い『蝶々夫人』を観たのは初めてです!

とにかく凄かった〜!!!
日本人の歌手がまったく登場しないというハンディを恐るべき抽象力でクリアしている!シュールな手口ながら、見事に日本の民族、風俗性を具現化し、舞台ではうっかり脇役になってしまうピンカートンをアメリカの代表選手としてクローズアップし、物語の真実を無残なほどリアルに切り取り、涙で終わる美しき『蝶々夫人』を、強烈な反戦オペラとなるまで昇華しきっている〜!
まったく! 度肝を抜かれました! 特にラストの演出が凄い。うおおおおお! ここまでやるか〜、いいのか〜、うわああああああぁぁぁ・・・。もう・・・目をそむけたいような、気が遠くなりそうな・・・と思いながらも、最後の最後まで凝視せずにはいられない! 
見終わって、深く深く深く深く深く・・・感動。
いまだに興奮冷めやらず。

もとから『蝶々夫人』はものごっつ好きなオペラなのですが、今回確信したことは、蝶々さんがイノチをかけて愛するピンカートンは、時代の頂点を極めるテノール歌手がやるべきだ〜! ということでした。
この映像オペラの凄いとこは、なんといっても、ピンカートンを甘いマスクと声、素晴らしい演技力をもつテノール王者=プラシド・ドミンゴがやっていることです! 
ピンカートンは蝶々さんの想い人ながら、物語の中ではのっけから観客に嫌われてしまうというかなりの悪役のはずなのですが! この映像オペラでは、親しみやすい陽気なアメリカの兄ちゃんになっていて、Tシャツ姿で嬉しげに歌うピンカートンが、どんどん好きになってしまう!
ま・・・まずい・・・! と心の内で呟きつつも、いつの間にか蝶々さんとピンカートンの恋の魔法にこちらもはまり、これも若気のいたりかなあ〜、なんて思ってしまった!
そして、観終わった後には彼に同情すら感じ、物語には描かれていない、憐れなピンカートンのその後の人生までが心配になってしまった!

もちろん、蝶々さんのミレッラ・フレーニも、圧巻に続く圧巻! 歌唱力も演技力も素晴らしく! 蝶々さんの最高の聞きどころ『ある晴れた日』にが霞むほどに、すべてがすべて、一点の曇りもなき蝶々夫人! ああうあああ・・・凄すぎるうううう!
そして、カラヤンの指揮も、最高最高最高で!!!
演出・装置・衣裳のジャン=ピエール・ポネルにいたっては、も〜〜〜〜〜一生拍手を送り続けたい! 

という気持ちになった『蝶々夫人』でした。
はあぁぁぁぁぁぁぁ〜・・・・・・・・・
素晴らしかった
はあぁぁぁぁぁぁぁ〜・・・・・・・・・

ゲゲゲの鬼太郎

2007年06月14日(木) 15時20分
映画「ゲゲゲの鬼太郎」へ。
「スパイダーマン3」にするかちょっと迷ったんだけども。
「ゲゲゲの鬼太郎」を観てしまった。

行ったくせに言うのもなんだけど、実写版なので期待してなかった。
妖怪ものの実写版はだいたいがっかりするんだけど、思ってたより面白かった。
というか、名優さんたちの妖怪ぶりが楽しくて、なんか芝居の参考になってしまった^^

ねずみ男の大泉洋さんがあまりにもはまっててびっくり。
妖怪映画最優秀男優賞とかあったら、絶対、大泉洋さんがとられるはず!
いや、賞なんかホントはどうでもいいんやけど、あまりにも素晴らしかったので、つい、ね。

大天狗になってあらわれた中村獅童さんも、ほとんど目の演技だけだったけどさすが歌舞伎役者、場をしめるええ芝居してはりました。
ストーリーはなんてことないんだけども、妖怪好きの私としては結構楽しめた。
ただ、3Dの目玉オヤジっていうのはどんなんだろう?
かわいかったけど、なんか違和感あったなぁ。
どうせ違和感あるなら二次元アニメでもよかったような気がしたり、粘土でつくって動かしたらどうだんだろう・・? とか思ったりしました〜。

水木しげるさんのパンフレットのコメントによると、この映画は80点くらいでいいほうだそうです。
妖怪に人間くささがあまり見えなかったのが良いそうですが、あたしはもっと人間くさくても良かったような気がしたわん。あくまで想像で、ですけど。

CGで妖怪世界を実現してたけど、このごろはCGもたいてい見飽きちゃったとこがあるので、原始的につくるともっと面白くなりそうな気がした。
西田敏行さんの輪入道という役はお顔だけだったけど、わたしは肉体派の役どころにしてほしかったりね。

あとは、歌とかあると嬉しかったんだけどなぁ。
できれば、ありえない曲想で、ありえない歌詞で、ありえない振り付けの妖怪世界だと良かったような。のこぎりの音とかも聞きたかったなぁ。

しかし、けっこう楽しめたのは役者さんたちが良かったからではないかとしみじみ。
映画は監督のものというけれど、やはり役者の力も大ですね。
撮影現場を想像するに、役者はかなりのテンションで挑まねばならぬはず。
それを思うと、観てる私も、ぼよよ〜んとは楽しめない感じでした。
これって、ほぼ職業病ですかね(笑)。

武士の一分

2007年02月05日(月) 10時28分
公演も終わって疲れもとれ、久しぶりに夫とデートした土曜日。
梅チカを腕組み歩いて梅田ピカデリーへ。
山田洋次監督の『武士の一分』。

夫婦で夫婦の話をみて、二人泣く。
ああ、本当にいい映画だった〜。

山田洋次監督の映画はファンタジック。
時代劇でも『男はつらいよ』にしても、心の故郷と言えるような、そんな世界。『武士の一分』の妻は、寅さんで言えば“さくら”。日本女性の鏡、男にとっての究極の理想像。私は自分の立場から見てると、この映画の妻を尊敬しつつもどこか現実とのギャップを感じたりもしたんだけど、『武士の一分』というタイトルにこめられた“人としてのプライド”に背筋を伸ばされる思いだった。

性が堂々とファッションや商売にされる現代。
妻も夫もお互いをどこかうとましく思うという夫婦像はいまや一般的で、熟年離婚だって「そうさそうさ、そうだろうとも」と共感しちゃうし、浮気だって珍しいことではない。

でもね、愛して一緒になった夫婦なら、いつまでも夫婦仲良く暮らしたいと願う。
だからいろんな悩みもつきないわけだけどさ。
夫婦だからいろんなすったもんだが現実にはあるのよね。
夫をけっとばしたくなる日もあるし、荷物まとめて出て行きたくなることだってある。
いつもいつも夫につきしたがっていくなんざ無理無理。
とか思いつつも、やはりここは日本で、私は日本の女。

夫の幸福を思い、夫の心配をしたい、生涯つくしたい、それが自分の幸せと言い切る『武士の一分』の妻に共感する。災いあるときも、病めるときも生涯共に歩く。

妻と自分のプライドのために苦しみ立ち上がる男の一分も美しいが、その男を支える女の存在が菩薩のように光り輝く。愛されるよりも愛し続けることのほうが大切なんだ。

幸いにして私たちも今年で結婚8年目。
いろんなことがあるけども、お互いに浮気もせず夫婦、家族の幸せに関心大。
これは誰に感謝すべきかよく分からないけども。
ありがとうと手を合わせたくなった。

しかしそれにしても。
もう言っちゃあいけないのかもと思いながらも、山田洋次監督の映画をみると寅さんが恋しくなる。

ああ、寅さん。
いまはどこを旅してるんだい?
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