テラにジャイロ、そしてペレを乗せた飛空船はミトラス教国を飛び立つと、
二時間ほどでクラムスイヤ共和国のインデダム地方マーテタウンへ到着、
人気の無い郊外へと着陸した。
着陸すると飛空船のサイドのドアが開き、階段が地面へ降りる。
テラは背伸びをしながら階段を降りていく。
そしてジャイロもその後から続いて降りていくと、突如テラが立ち止まった。
「それで、君はどうするの? このまま戻るつもり?」
テラはそのまま正面を向いたまま腕を頭の後ろで組むと、ペレへ話しかけた。
ジャイロも立ち止まる。
ペレは少し考える様子を見せると、二人の背後へ歩み寄る。
「…そうね……、ソレイユに戻るにもここから距離があるから旅支度をしなきゃいけないし、
とりあえずこの町では貴方達と共に行動することにするわ」
ペレはそう言うと、ジャイロにテラを追い越して船を下りる。
するとテラは微笑を浮かべると、ペレに続いて降りる。
「そうか。じゃ、行こう」
三人が降りると、飛空船は空の彼方へ飛び立っていく。
そして三人はそれを見届けると、マーテタウンの中へ入っていった。
――マーテタウン。
この街には世界でも最大級の闘技場、ディティールス闘技場があり、
様々な大会が開催されている。
この闘技場で開催される物は権威ある物も多く、
その大会で優勝する為に、この街へは世界中から剣士や拳法家、魔術師など、
数々の名だたる戦士たちが集まる。
そしてこの闘技場の主は、マーテタウンの町長にしてインデダム地方を統める
ディティールス家の主、地方長官アンディ・マーチ・ディティールスである。
……という位かな。僕が知ってるマーテタウンについての情報は」
テラはサラッと説明して見せた。
その様子にジャイロは感服する。
「良く知ってるな、テラ」
「これくらい常識だよ。筋肉達磨は聞いていも覚えてないだけさ、筋肉脳だからな」
テラは小馬鹿にした様に言った。
するとジャイロは立腹してテラに詰め寄る。
「誰が筋肉脳だ。人を馬鹿にする事しか頭に無い陰湿野郎が」
ジャイロがそう言うと、テラは溜息をついて嘆かわしげに言う。
「やれやれ、そういう風にしか僕を見られないとは、人を見る目が無さ過ぎだね。
目まで筋肉になったか」
「なんだと!」
ジャイロは怒ってテラの胸ぐらを掴む。
するとペレが止めに入った。
「やめなさい。喧嘩をしている場合?」
ペレが二人に言い放つと、ジャイロは手を話した。
「……すまん」
「そうだよ。暴力はいけない」
テラは勝ち誇った顔でサラッと言うと、ペレはテラに叱り飛ばした。
「テラも、一言多いわよ!」
「へいへい……」
テラは軽く受け流すように言った。
するとペレはテラの背後に回ると両手に拳を作り、
テラの頭の左右のこめかみを拳でグリグリする。
「『へいへい』じゃないでしょう〜?
その人を馬鹿にしたような態度をやめなさいって言ってるのー」
「いだだだだだだだだ!
分かった! 分かったから!」
テラがわかったと言うとペレはグリグリするのを止める。
「よろしい」
「おー痛。なんて女だよ」
テラはこめかみを抑えながら呟く。
するとペレが今度はテラの脳天を拳で押さえつけながら言った。
「何か言った?」
「いえ何も!」
――テラ達一行は町の商店街を歩いていた。
「それでテラ、どこへ向かうの?」
ペレがテラに問いかけるとテラは
「そうだね……、ディティールス家の館へ向かおうと思ってるんだけど、
色々身支度をした方が良いよね」
「身支度を?」
ペレが聞き返すとテラは頷いて言った。
「そう。保険もかけとかないとね。
そこの服屋へ入ろう」
テラはすぐ側の服屋を指さすと、服屋へと入っていった。
それを見たペレとジャイロは顔を見合わせると、止む無く続けて入っていく。
店の中は六畳ほどの古びた小さな店舗だった。
二人が中に入るとテラが店の奥に居た。
そこはマント売り場だ。
テラは二人が入ってきたのに気づくと二人へ手招きをする。
手招きをされて二人は怪訝そうに向かうと、テラがマントを物色している様子が見える。
「ペレ、どれでも好きなのを選んでよ。帽子や仮面もね」
「……何故?」
不思議そうにペレは質問する。
するとテラは笑みを浮かべた。
「保険だよ。ディティールス家に行って仮に中へ入れてもらえたとしても、
セマに会わせてもらえるとは限らない。
だから君に協力してほしいんだ」
ペレはそう言われても何を望まれているのかよく分からない。
「何をすれば良いの?」
とペレが聞くと、テラは答える。
「なに、マントを羽織って仮面と帽子を被って一緒に付いて来てくれれば良いんだ。
それだけで保険になる」
「???」
ペレは首を傾げる。何故それが保険になるのか分からない。
それだけで絶対にセマに会えるとでも言うのだろうか。
ジャイロも全く理解出来ない。
「…それのどこが保険なんだ?」
「えー、分からない? よく考えてご覧よ。
僕達はブラックドラゴンと言っても、ただの下っ端に過ぎないんだよ。
そんな僕達が、会わせて下さいと言ってハイそうですかと会わせてもらえると思う?」
「たしかに無理だな……」
ジャイロは頷く。
「そこでペレの出番というわけさ」
そう言ってテラは笑みを浮かべると、ペレに向かって話しかける。
「やる事は簡単だよ。レイになりきれば良い」
「レイに!?」
ペレは驚く。
「えっ、でも前に一度バレた事あるし……」
「そうなの? けど大丈夫さ、多分見破った人はレイと面識がある人なんだろう。
レイの雰囲気とか容姿は普通の人は知らないし、
たとえ知っていたとしても仮面を被っていたりして本当の姿とかは分からない。
雰囲気さえ真似ていれば誰も偽物と疑わないよ」
「そうかな……」
「そうそう。
それじゃ、好きなのを選んでよ。
お金ならあるから服とかも買って良いし」
「ホント?!」
「ああ」
テラが頷くと、ペレは喜び勇んで服を見だした。
それをテラは微笑ましげに見ると、ジャイロにも話しかける。
「ジャイロもなにか買いなよ。
いつもTシャツにジーパンってのも洒落っ気無さ過ぎだよ」
「いや、いい。俺はこれが気に入ってるんだ」
「……あっそ」
ジャイロが断るとテラは素っ気なく言った。
――30分後、三人は店を出る。
テラは黄色の刺繍が施された純白のマントを羽織り、
ペレは襟元にフリルの付いた白いブラウスの上に茜色のショートコートを羽織り、
ボトムはクリーム色の膝下までの長さのスカートの下にタイツを履いている。
そして、ジャイロは多くの買い物袋を抱えていた
「おい、こんなに買ってどうするんだ。
持って帰れるのか?」
ジャイロは呆れたように言う。
するとペレはハッとした表情を見せる。
「あっ、そうか」
それを見たテラは青魔術用カードを取り出すと、ジャイロの抱えている買い物に付ける。
そして取り込みの呪文を唱えると買い物袋が白く輝き、そしてカードに取り込まれる。
「とりあえずカードに入れておくよ。
これで持って帰れるでしょ?」
「ありがとう」
「これからディティールス家にの館へ行くんだからね。
大荷物を持っていけないよ」
テラは呆れたように言った。
それを見たペレは苦笑い。
――三人はディティールス家の館が有る通りまで来ていた。
「それじゃペレ、仮面とマントを準備してよ」
テラはペレに言った。
するとペレは黄蘗(きはだ)色の花刺繍が入った葡萄色のマントと鏡の仮面を取り出し、
仮面を付けマントを羽織る。
「これで良い?」
「Good」
テラは親指を立てると
「あとはシャキッとしていれば誰も偽物とは思わないだろう。
それじゃ行こう」
と自信有り気に言う。
ジャイロも頷くと、一行は館へ向かう。
5分ほど歩くと館の敷地の前へと出る。
敷地の門の前では門番が二人見張りをしていた。
門番は退屈そうにダラダラとし様子で門番通し、雑談を交わしたりしている。
そこへテラが堂々と話しかける。
「すいません。ディティールス長官はいらっしゃいますか?」
「ん? なんだお前たちは?」
テラの堂々とした態度に門番は動揺する様子もない。
門番の一人がダルそうに聞き返してきた。
そこでテラはいきなり核心をつく。
「セルについて話があると長官に伝えて欲しいんですよ」
「駄目だ駄目だ。何処の馬の骨とも知れん奴を通すわけにはいかない」
「これでもかい?」
そう言うとテラは懐から一枚のカードを取り出し、門番二人に見せた。
そのカードを見た門番二人は驚きの声を上げ狼狽する。
「はっはい! そ、それではお通りください! どうぞ!」
そう言うと衛兵の一人はそのままの位置で固まり、
もう一人は館の方へと飛んで走っていった。
「あわてちゃって、まあ」
テラは微笑を浮かべると、一行は館へと進む。
そこへジャイロがテラへと聞いた。
「何を見せたんだ?」
するとテラは答える。
「身分証だよ。ブラックドラゴンの。ジャイロも貰っていただろう?
いざという時は使えって」
「ああ、そういえば」
「これがあれば大抵の事は出来る。
改めて、ブラックドラゴンの影響力の高さがわかるね」
テラ達一行は、館の応接間へと通される。
応接間は様々な銀装飾や宝石などで装飾品で飾り付けられていた。
一行はソファに座ってディティールすが出てくるのを待っている。
ジャイロは豪勢な作りに落ち着きのない様子をみせる。
テラは堂々とするように言いつけていさめる。
ペレも余り落ち着きがなさそうだ。
そこへ応接室へ一人の男が入ってきた。
男は細く鋭い眼光の目に濃く太い眉、そして通った鼻筋に、
下顎に沿って生えた短いヒゲが生えている
服装は膝下まで有る黄色と赤で草花の刺繍がされた藍色のコートを羽織ったスーツ姿である。
男はテラたちを見つけると、見下したような視線をテラ達に浴びせる。
「貴様らか、俺に用があるという者共は」
あとがき
超久しぶりに更新!
今まで失踪していて申し訳ありませんでした。
今後は不定期ながら更新していきたいと思います。
↓応援よろしくお願いいたします↓

二時間ほどでクラムスイヤ共和国のインデダム地方マーテタウンへ到着、
人気の無い郊外へと着陸した。
着陸すると飛空船のサイドのドアが開き、階段が地面へ降りる。
テラは背伸びをしながら階段を降りていく。
そしてジャイロもその後から続いて降りていくと、突如テラが立ち止まった。
「それで、君はどうするの? このまま戻るつもり?」
テラはそのまま正面を向いたまま腕を頭の後ろで組むと、ペレへ話しかけた。
ジャイロも立ち止まる。
ペレは少し考える様子を見せると、二人の背後へ歩み寄る。
「…そうね……、ソレイユに戻るにもここから距離があるから旅支度をしなきゃいけないし、
とりあえずこの町では貴方達と共に行動することにするわ」
ペレはそう言うと、ジャイロにテラを追い越して船を下りる。
するとテラは微笑を浮かべると、ペレに続いて降りる。
「そうか。じゃ、行こう」
三人が降りると、飛空船は空の彼方へ飛び立っていく。
そして三人はそれを見届けると、マーテタウンの中へ入っていった。
――マーテタウン。
この街には世界でも最大級の闘技場、ディティールス闘技場があり、
様々な大会が開催されている。
この闘技場で開催される物は権威ある物も多く、
その大会で優勝する為に、この街へは世界中から剣士や拳法家、魔術師など、
数々の名だたる戦士たちが集まる。
そしてこの闘技場の主は、マーテタウンの町長にしてインデダム地方を統める
ディティールス家の主、地方長官アンディ・マーチ・ディティールスである。
……という位かな。僕が知ってるマーテタウンについての情報は」
テラはサラッと説明して見せた。
その様子にジャイロは感服する。
「良く知ってるな、テラ」
「これくらい常識だよ。筋肉達磨は聞いていも覚えてないだけさ、筋肉脳だからな」
テラは小馬鹿にした様に言った。
するとジャイロは立腹してテラに詰め寄る。
「誰が筋肉脳だ。人を馬鹿にする事しか頭に無い陰湿野郎が」
ジャイロがそう言うと、テラは溜息をついて嘆かわしげに言う。
「やれやれ、そういう風にしか僕を見られないとは、人を見る目が無さ過ぎだね。
目まで筋肉になったか」
「なんだと!」
ジャイロは怒ってテラの胸ぐらを掴む。
するとペレが止めに入った。
「やめなさい。喧嘩をしている場合?」
ペレが二人に言い放つと、ジャイロは手を話した。
「……すまん」
「そうだよ。暴力はいけない」
テラは勝ち誇った顔でサラッと言うと、ペレはテラに叱り飛ばした。
「テラも、一言多いわよ!」
「へいへい……」
テラは軽く受け流すように言った。
するとペレはテラの背後に回ると両手に拳を作り、
テラの頭の左右のこめかみを拳でグリグリする。
「『へいへい』じゃないでしょう〜?
その人を馬鹿にしたような態度をやめなさいって言ってるのー」
「いだだだだだだだだ!
分かった! 分かったから!」
テラがわかったと言うとペレはグリグリするのを止める。
「よろしい」
「おー痛。なんて女だよ」
テラはこめかみを抑えながら呟く。
するとペレが今度はテラの脳天を拳で押さえつけながら言った。
「何か言った?」
「いえ何も!」
――テラ達一行は町の商店街を歩いていた。
「それでテラ、どこへ向かうの?」
ペレがテラに問いかけるとテラは
「そうだね……、ディティールス家の館へ向かおうと思ってるんだけど、
色々身支度をした方が良いよね」
「身支度を?」
ペレが聞き返すとテラは頷いて言った。
「そう。保険もかけとかないとね。
そこの服屋へ入ろう」
テラはすぐ側の服屋を指さすと、服屋へと入っていった。
それを見たペレとジャイロは顔を見合わせると、止む無く続けて入っていく。
店の中は六畳ほどの古びた小さな店舗だった。
二人が中に入るとテラが店の奥に居た。
そこはマント売り場だ。
テラは二人が入ってきたのに気づくと二人へ手招きをする。
手招きをされて二人は怪訝そうに向かうと、テラがマントを物色している様子が見える。
「ペレ、どれでも好きなのを選んでよ。帽子や仮面もね」
「……何故?」
不思議そうにペレは質問する。
するとテラは笑みを浮かべた。
「保険だよ。ディティールス家に行って仮に中へ入れてもらえたとしても、
セマに会わせてもらえるとは限らない。
だから君に協力してほしいんだ」
ペレはそう言われても何を望まれているのかよく分からない。
「何をすれば良いの?」
とペレが聞くと、テラは答える。
「なに、マントを羽織って仮面と帽子を被って一緒に付いて来てくれれば良いんだ。
それだけで保険になる」
「???」
ペレは首を傾げる。何故それが保険になるのか分からない。
それだけで絶対にセマに会えるとでも言うのだろうか。
ジャイロも全く理解出来ない。
「…それのどこが保険なんだ?」
「えー、分からない? よく考えてご覧よ。
僕達はブラックドラゴンと言っても、ただの下っ端に過ぎないんだよ。
そんな僕達が、会わせて下さいと言ってハイそうですかと会わせてもらえると思う?」
「たしかに無理だな……」
ジャイロは頷く。
「そこでペレの出番というわけさ」
そう言ってテラは笑みを浮かべると、ペレに向かって話しかける。
「やる事は簡単だよ。レイになりきれば良い」
「レイに!?」
ペレは驚く。
「えっ、でも前に一度バレた事あるし……」
「そうなの? けど大丈夫さ、多分見破った人はレイと面識がある人なんだろう。
レイの雰囲気とか容姿は普通の人は知らないし、
たとえ知っていたとしても仮面を被っていたりして本当の姿とかは分からない。
雰囲気さえ真似ていれば誰も偽物と疑わないよ」
「そうかな……」
「そうそう。
それじゃ、好きなのを選んでよ。
お金ならあるから服とかも買って良いし」
「ホント?!」
「ああ」
テラが頷くと、ペレは喜び勇んで服を見だした。
それをテラは微笑ましげに見ると、ジャイロにも話しかける。
「ジャイロもなにか買いなよ。
いつもTシャツにジーパンってのも洒落っ気無さ過ぎだよ」
「いや、いい。俺はこれが気に入ってるんだ」
「……あっそ」
ジャイロが断るとテラは素っ気なく言った。
――30分後、三人は店を出る。
テラは黄色の刺繍が施された純白のマントを羽織り、
ペレは襟元にフリルの付いた白いブラウスの上に茜色のショートコートを羽織り、
ボトムはクリーム色の膝下までの長さのスカートの下にタイツを履いている。
そして、ジャイロは多くの買い物袋を抱えていた
「おい、こんなに買ってどうするんだ。
持って帰れるのか?」
ジャイロは呆れたように言う。
するとペレはハッとした表情を見せる。
「あっ、そうか」
それを見たテラは青魔術用カードを取り出すと、ジャイロの抱えている買い物に付ける。
そして取り込みの呪文を唱えると買い物袋が白く輝き、そしてカードに取り込まれる。
「とりあえずカードに入れておくよ。
これで持って帰れるでしょ?」
「ありがとう」
「これからディティールス家にの館へ行くんだからね。
大荷物を持っていけないよ」
テラは呆れたように言った。
それを見たペレは苦笑い。
――三人はディティールス家の館が有る通りまで来ていた。
「それじゃペレ、仮面とマントを準備してよ」
テラはペレに言った。
するとペレは黄蘗(きはだ)色の花刺繍が入った葡萄色のマントと鏡の仮面を取り出し、
仮面を付けマントを羽織る。
「これで良い?」
「Good」
テラは親指を立てると
「あとはシャキッとしていれば誰も偽物とは思わないだろう。
それじゃ行こう」
と自信有り気に言う。
ジャイロも頷くと、一行は館へ向かう。
5分ほど歩くと館の敷地の前へと出る。
敷地の門の前では門番が二人見張りをしていた。
門番は退屈そうにダラダラとし様子で門番通し、雑談を交わしたりしている。
そこへテラが堂々と話しかける。
「すいません。ディティールス長官はいらっしゃいますか?」
「ん? なんだお前たちは?」
テラの堂々とした態度に門番は動揺する様子もない。
門番の一人がダルそうに聞き返してきた。
そこでテラはいきなり核心をつく。
「セルについて話があると長官に伝えて欲しいんですよ」
「駄目だ駄目だ。何処の馬の骨とも知れん奴を通すわけにはいかない」
「これでもかい?」
そう言うとテラは懐から一枚のカードを取り出し、門番二人に見せた。
そのカードを見た門番二人は驚きの声を上げ狼狽する。
「はっはい! そ、それではお通りください! どうぞ!」
そう言うと衛兵の一人はそのままの位置で固まり、
もう一人は館の方へと飛んで走っていった。
「あわてちゃって、まあ」
テラは微笑を浮かべると、一行は館へと進む。
そこへジャイロがテラへと聞いた。
「何を見せたんだ?」
するとテラは答える。
「身分証だよ。ブラックドラゴンの。ジャイロも貰っていただろう?
いざという時は使えって」
「ああ、そういえば」
「これがあれば大抵の事は出来る。
改めて、ブラックドラゴンの影響力の高さがわかるね」
テラ達一行は、館の応接間へと通される。
応接間は様々な銀装飾や宝石などで装飾品で飾り付けられていた。
一行はソファに座ってディティールすが出てくるのを待っている。
ジャイロは豪勢な作りに落ち着きのない様子をみせる。
テラは堂々とするように言いつけていさめる。
ペレも余り落ち着きがなさそうだ。
そこへ応接室へ一人の男が入ってきた。
男は細く鋭い眼光の目に濃く太い眉、そして通った鼻筋に、
下顎に沿って生えた短いヒゲが生えている
服装は膝下まで有る黄色と赤で草花の刺繍がされた藍色のコートを羽織ったスーツ姿である。
男はテラたちを見つけると、見下したような視線をテラ達に浴びせる。
「貴様らか、俺に用があるという者共は」
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