album 

2005年04月04日(月) 18時09分

海の女王伝説 A 

2005年04月04日(月) 12時38分
−証人喚問−1

『うさぎとカメが競走する』そうだ。 
 陸に棲む者と海に棲む者が競走する。
 前代未聞の珍事です。
 うわさは、あっという間に広がりました。
 いつの時代にも野次馬はいます。
『勝手連的』と、云いますか、双方の応援団
が、すぐ出来あがりました。
 コスモポリタン派応援団。 カメに味方す
る者たちです。
 純血主義者応援団。
 うさぎを支持する者たちです。
 うさぎ族は、駿足をもって知られています。
 足には、自信と自負心があります。
 虚栄心もチョッピリあります。 
 そ、うさぎ族は根っからの純血主義者だっ
たのです。
 一方、海に棲むカメ。
 海界の大多数派であるコスモポリタン派です。
 つまり、世界主義者であります。
 全世界を、自国と称し、自らを海界での旗
頭とこれまた自負していました。
 だから海を住処としながらも、ちょくちょ
く陸へ上がって来ていたのです。
それだけではありません。 
 亀仙人のカメハウスに比べ、かなりお粗末
ではあるが根城までつくり、生活までするよ
うになっていたのです。
 たとえば、カモメのジョナサンがエサを得
るためだけに飛ぶということに疑問を感じ、
仲間たちから冷たい目で見られながらも、よ
り早く飛ぶ練習を始めたように、カメも一生
を海の中だけで終わっていいもんだろうかと
いう素朴な迷いから、陸上生活へ挑戦したの
です。
 

海の女王伝説 @ 

2005年04月03日(日) 12時17分
 プロローグ

『−−−私、乙姫は、海棲者を代表と致しま

して、この度(たび)オオカミ様を通じての

うさぎ村の申し出に対し、海棲者の誇(ほ

こ)りと名誉(めいよ)を賭(か)け、喜ん

でお受けすることと致します。ただし、条件

(じょうけん)があります。

伝え聞くところに依りますと、カメとうさぎ

が競走することにあいなった因(いん)は、

うさぎが不当にカメを侮辱(ぶじょく)した

ことがそもそもの始まりとか。

その結果は、今や陸、海、空で知らぬ者はお

りません。ただ、私が申し上げておきたいこ

とは不当に侮辱を受けたカメが、健気(けな

げ)にもうさぎのグラウンド、つまり陸で競

走して勝ったというまぎれもないこの事実で

す。

うさぎ族は名誉(めいよ)挽回(ばんかい)

のために、もう一度競走したいという。

それがけっして悪いことでないことは、私と

て知らぬ者ではありません。

名誉を失った者が、それを挽回するために日

夜(にちや)、努力(どりょく)を重(か

さ)ね、その結果、失った名誉を回復する。

何と素晴らしいことでしょう。

そのような健気な、恥を知る者のいる一族は、

きっと名誉を重んずる誇り高き種族であろう

と思います。

そのような素晴らしい種族の申し出を、いか

なる理由があって断ることが出来ましょう・

・・・・・
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