『深紅』

April 13 [Thu], 2006, 23:44
 野沢尚原作の同名小説を自分で脚本した作品。この人の小説はよく本屋で見かけるので何度か読もうかと思ったけどまだ一度も読んでない。ドラマの脚本もやっているようだけどそんなにドラマも見ないので、今回の作品が初めて。

 ストーリーは家族を惨殺された少女が、その犯人の同じ年の娘に接触して・・・と言う全く想像もつかない状況をそれぞれの人間の深層心理を描写します。どうやってこんな究極であり得ない状況を作品にするのか、作家ってスゲエなと思いながら観た、本当の被害者と加害者がこんな風に感じているかは疑問ですけど。

 とにかくなかなか体験しようも無いシチュエーションなので全てのシーンに対して、半信半疑で観てしまいました。面白かったのは、最初は惨殺された家族と残された女の子がスゴくかわいそうで、犯人を思いっきり復讐するんだろうと単純に考えていたんだけど、犯人側からの視点に立った時に自分の見方と感情がガラリと変わってしまったところかな。

 意外と人は簡単に一方通行の情報だけを鵜呑みにしがちだなと思うのです。多分世の中のニュースや情報も結構一方通行な見方をしている事が多いだろうなって感じます。色んな側面で物事を見る目が大切なんですね。

 その他は何とも共感しようの無い世界で、ふーんって感じで観てました。あと、水川あさみが可愛いなとか。ちょっともう一度小説で読んでみたいなと言う気にもなりました。
【6点/10点】

『四月の雪』

April 12 [Wed], 2006, 1:14
 ぺの映画観た。ぺは有名だけどペの映画を観るのは今回が初めて。あんま好きじゃないね。っつーか韓国の俳優に関心は無いです、韓国の女優はかなり良いけど。

 この映画はぺとソン・イジェンの主演映画。ソン・イジェンは「私の頭の中の消しゴム」と「ラブストーリー」の女優。可愛いんだけど彼女の作品はどれもぱっとしてないね。今回も正直言って駄作です。

 設定はバカバカしいけどまぁ面白いよ。主役二人の妻と夫が愛人同士なんですね、不倫してんの、それが大事故して残された失意の主役二人がだんだんと惹かれあっていくと言うアホ臭くもオカシな話です。



 大体不倫されてる相方同士で行動を共にしたり病室が同じだったり、おまけにホテルも部屋が隣同士と言うあり得ない設定の連続で笑えます。下心丸出しです。

 ぺも優しいふりして彼女が意外にも可愛いもんだから、奥さんそっちのけでハンターの目つきです、不倫野郎の奥さんをコマシたろうと必至でダサ過ぎ。これが仮に不細工女だったりしたら「お前が旦那をしっかりつなぎ止めとかねぇからこんな事になったんだ!」とか言って自慢の上腕二頭筋でドツキまくっていた事でしょう。逆も然りです。

 とにかく作品は単純明快でありきたり、ストーリーも薄っぺらでテンポが悪過ぎです。どうせなら片方を究極の不細工にするとか、両方不細工にするとかして新境地を見出して欲しいもんです。お互いイケメンじゃ上手い事いくにきまってんじゃんか、ドスケベ。



 作品は不倫に次ぐ不倫。これを皮肉で作品として製作しているならまだ納得いきます、人間ってアホだなみたいな。でも、監督はどうなんでしょう?儚いラブストーリーとして真剣に創っているようでサムイですねぇ。

 映画の途中でクラジクワイ・プロジェクトというちょっと注目している韓国のクラブミュージックバンドが出ていたのが気になった。まあ、そこも大した魅力を引き出す事無く終わってます。
【3点/10点】
 

『深呼吸の必要』

April 09 [Sun], 2006, 1:58
 昨日観た「樹の海」に続き全く知らない日本映画です。篠原哲雄監督の2004年作品で、香里奈や成宮寛貴なんかが出演しています。

 舞台は沖縄。7人の若者がさとうきび畑を所有する家族のところにアルバイトに来て35日間共同生活をする。ひたすら広大な畑のさとうきびを刈るアルバイトをして、共同作業や沖縄での共同生活で色々な接触や感動や発見をしていくと言うナイスな映画です。

 最初は前知識も無いもんだから、さとうきび畑で7人がいがみ合ってカマで頭を叩き割ったりして、ドロドロなバイオレンス映画に発展していくのかなと思ったら真逆の作品でしたね。



 俳優は皆、いい感じでした。メンノン出身の谷原章介は結構良いですね、イケメンだし演技も結構好きです。キザがイヤミじゃない俳優ですね。ちなみに日本で最もキザが似合う俳優は真田広之だと思います。

 あとよく観る名傍役大森南朋も演技良いですね。一番演技が良かったのは沖縄のじいちゃんばあちゃん役の二人でした、和みます。香里奈は可愛いから良い。

 ストーリーはとにかくひたすら淡々ときび刈りを中心に毎日が過ぎて行く様を追って行って、さして大きな事件も無いんです。でもその中でそれぞれの人間の接触があっていつの間にかリアルで面白い事になってるんですね。



 お婆ちゃんと引きこもり的な女の子の関わりとか、成宮と大森が演じる二人の男の関係とか、それぞれドラマがあっていいですね。共同生活であれだけイケメンと可愛い子が揃っていて色恋沙汰が無いのは妙な気もしますが、そこがこの映画の良いところでもあります。

 なかなか味わい深い作品。都会の喧噪で生活している人たちには非常に響く映画だと思うし、何かもやもやしたりふさぎ込んでいる人にも良い影響を与える映画だと思うね。このアルバイトは本当に今もあるみたいです。
【7点/10点】

『樹の海』

March 31 [Fri], 2006, 0:00
 「自殺をしてはいけない」をテーマにした映画。作品の殆どが自殺の名所、富士山麓、青木ヶ原樹海で撮影されてます。監督は瀧本智行と言う人で今回が監督初作品のようです。今回40日の樹海の撮影で37体の遺体を発見したってびっくりです。

 俳優陣は非常に演技がうまいなと思う人が沢山出てました。萩原聖人、津田寛治、塩見三省それに大杉蓮なんかが出演してます。女優では井川遥が出てました。池内博之君は今イチでしたね。

 基本的には富士山麓がメインなんですけど、ストーリーは4つのエピソードに分かれていて、生と死について樹海のように深く考えさせられるテーマになってます。人によって色々な人生があり生を渇望する人もいれば自殺を決意する人もいるなど、人間ドラマが描かれています。



 こういう群像劇は「クラッシュ」のような感じで考えさせられてとても好きなんですけど、自殺と言う部分が大きなテーマになっている今回のような作品は感情移入は難しかった。それは多分自分が自殺について考えた事が無いからだね。



 この作品で面白かったのは、キオスクで働く女性に焦点を当てているところや新橋でサラリーマンが人生を語るところあたりが妙にリアルで重いんだけど興味深かった。あんまり樹海とは関係ないけど、それぞれの人生に焦点を当てて掘り下げて映しているところが良いと思うのです。

 4つのエピソードとも共感は出来なかったけれども、メッセージ性の強さは感じました。多分もう一度くらい観ないと理解は出来なそうですね。

 日本の映画も面白いのがたくさんあるのに一般にはあまり知られてない映画が多いね。以前シュンに借りた「東京原発」や「2LDK」とか凄く面白いのにあまり一般に知られていない作品が多すぎるね。今作も刺さる人には強烈に刺さる作品だと思いました。
【5点/10点】

『シンデレラマン』

March 27 [Mon], 2006, 0:41
 貧困の中で家族のために戦ったボクサーを実話に基づいて映画化。ボクシングものは大体ハズレが無いと思っているんだけど、ラッセル・クロウとレニー・ゼルウィガーにあまり関心が無いのでなかなか観なかった。

 それと時代が30年代くらいで思い入れの無い時代なのも観なかった原因かも。出演者はほんとに昔の人みたいで良かったです。ラッセルもレニーも昔顔だね。

 ストーリーは全盛期のボクサーが怪我と貧困でだんだん落ちぶれるんだけど、イカしたトレーナーのおかげで復活のチャンスをつかみトントン拍子にスターダムに返り咲くと言うもの。更に、家族のための戦いがいつの間にか不況で苦しむアメリカの希望みたいになるわけです。シンプルでアツい話。

 ボクシングシーンも迫力があってなかなか良かったよ。ラッセルもブラドックのスタイルをマスターするためにかなり練習をしたみたいです。トレーニングしてくれた人はモハメド・アリとかシュガーレイレナードを育てた名トレーラーで実際にブラドックの試合も観ているそうです。



 それと、対戦相手のボクサーも現役のボクサーなので迫力のあるシーンになったんだねぇ。ラッセルも実際にぶん殴られる事もしばしばだったそうです。ところでラッセルってあんな穏やかな顔で意外と喧嘩っ早いって本当かな?なんかイメージ狂うね。

 全体的には良く出来た映画でそこそこ楽しめました。あんまり音楽で盛り上げたりするシーンが無かったので、もう少し音楽とか使えばとか思いました。けど、あまり音楽で盛り上げないところがこの映画の良いとこなのかもね。でも、やっぱ俺は「ロッキー」シリーズの方が圧倒的にアツくて好きです。ちょっと今回の映画とカブルかも。奥さんの感じとか・・・エイドリアアアアン。
【6点/10点】

『死闘伝説TURBO!トップファイター』

March 22 [Wed], 2006, 23:57
 これはマニアックすぎる。2002年に発売された「ブルースリートリビュートDVD-BOX」に収録されていた作品の単品版。

 ブルースリー、ジャッキーチェン、ジェットリー、サモハンキンポーなどなど、香港のカンフースターをメインに、ヴァンダムとかジムケリーまでハリウッドのマーシャルアーツの達人が続々登場。インタビューと格闘シーンを集めたカンフー映画辞典のような作品です。カンフーのルーツなんかも入ってます。

 期待はもちろんブルースリー、ジャッキー、サモハン、ユンピョウそれにジェットリーあたりでしょう。その他、あわせて20人くらいの格闘家が登場します。

 大好きなジャッキーやブルスリーのシーンはだいたい知っているエピソードにインタビューや格闘シーンが入っている感じ。やっぱジャッキーが一番かっこ良いなぁ。

 ブルースリーの後継者の話などもあって、ブルースリィなんて人も出てきます。彼の事は知ってたけど、当時はこの名前で出るのは結構辛かったみたいですね。その後も、色々ブルースリーの後継として色んな俳優が出るけどやっぱり当たりません。当たり前だろって感じですけど・・・。

 ブルースリーの後継として成功したのは、多分「北斗の拳」のケンシロウだけでしょう。

 ・・・で、その後に独自のアクションとコメディ的要素を入れたジャッキーが登場するんですね。ブルースリーも好きだけど、俺が生まれた頃に死んじゃったし、リアルタイムではジャッキーだから、やっぱり格闘ヒーローは俺にとってはジャッキーだね。特に昔の「木人拳」「笑拳」「蛇拳」あたりは最高でした。

 昔バンクーバーにいた頃、映画の撮影でジャッキーがバンクーバーに来ていて、なんと中華料理屋で遭遇。握手してもらった。なんかふにゃっとした手をしていたのを覚えてます。その後、何度も振り返って手を振ってくれたのがしびれまくって涙が出そうでした。

 作品は他にもマニアックな格闘家と格闘シーンの連続で正直かなり退屈になります。蹴りの美学なんかも語られて、テコンドーや黒人ドラゴンなどなど色々出てきます。が、構成が単調過ぎてほとんど最後の30分は気絶してました。格闘シーンのチョイスや長さも今イチです。
【4点/10点】

『スピリット・ボクシング』

March 20 [Mon], 2006, 0:11
 少年刑務所に実験的に学校をつくる。そして一人の教師ベンが言葉で自己表現させる事を思いつき、それが発展して・・・。っつー話。

 舞台と要素はなかなか興奮しそうでちょっと期待していた。「ファイトクラブ」と「8マイル」を足したような映画かなって期待。でも、観てみたらこの映画の邦題と同じくらい陳腐でつまらん映画でした。

 ここに出てくるどの俳優も全然魅力が無かったです。教師のベンともう一人の囚人の主役ガブリエルも今イチでした。ガブリエルは童顔なんだけどガタイはもの凄い、その他の囚人もそのままK-1に出れそうな勢いです。唯一ガブリエルの奥さんは可愛かったです。

 しかし、悪さしてあんなおっかないヤツばかりの少年院に入るのは嫌ですね。でも、最初に出てきた黒人のボス、サミーは良いのは名前だけで、ルックスも雰囲気も全然ダメ。他に誰かいなかったのかね?全く迫力無いよ。

 ポエム大会もねぇ、発想は良いと思いますけど・・・、全然迫力無いし意味も分からんし共感も出来ない。ラップみたいにテンポが良いわけじゃないし、結構カナメの部分なのに辛いものがありました。

 とにかくボヤーッとした世界観で全然のめり込めないんです。分割した映像がカッコイイつもりなんだろうけどうっとうしいだけだし、なんも残らない感じです。ところで、これは実話に基づいてるのかな?なんかそんな雰囲気もあるんだけど、もしそうなら、それはそれで興味深くはあります。映画としてはナシですね。
【2点/10点】

『サバイブスタイル5+』

February 24 [Fri], 2006, 0:55
 TUGBOATが設立されたときは凄くカッコいい会社だなと思った。特にCMプランナーの多田琢は面白いCMをたくさん創っていたし、かなり注目していた。広告批評の多田琢のプランナー講座も受けた。でも、TUGBOATが好きかと言うと別に好きじゃない、まあ羨ましいだけでむしろムカつく集団かな。

 でも、やっぱ彼らの動向は気になるので、ずっと観ようと思っていて観ていなかったこの映画もやっとチェックする事にした。

 脚本はその多田琢で、監督もCM業界で活躍している関口現。イヤミなコンビです。

 で、出演者もこれまで彼らがCMで起用してきた俳優をかき集めて、俳優達はこれまでの彼らの信頼関係から成り立っているんであろう演技を披露します。

 ストーリーは正直言ってあってないようなものだと思いました。120分は長いし、こんな長くする必要があったのか疑問でした。1時間ちょっとで良いでしょ、それ以降は凄く退屈でした。

 映像や美術や衣装も正直凄く良いと思います。でもなぜか素直に感動できない。多分プランナーの講義を受けている頃だったら大喜びだったと思います。

 一番好きだったのは、小泉今日子の役。CMプランナーの役で多田琢も描きやすかったと思うし。色んなメッセージが垣間見えて面白かったな。大手企業の薬CMのプレゼンなんて企業に対する皮肉と、制作会社の気持ちを代弁した設定が面白いです。

 それと途中で出てくるCMシリーズも最高です。厳しい目で見ても笑っちゃうし凄いなって感心しました。簡単だと思ってみても、実際自分がやってみるとそう上手い事いかないからね、それはCMも映画も何でもそうでしょう。やっぱプロは凄いんです。



 あとは、飛行機のシーンでキャビンアテンダントに木村多江が出ていて良かった。

 まあ、なんかたくさん書きたい事はあるけど・・・。とにかく軌道に乗った制作会社(クリエイター)はやっぱり強い。岡康道氏も講義で言っていたけど、最初は全然何やっても駄目だったけど一発ヒットが出ると雪だるま式に仕事が増えたそうです。そうなるとクライアントの要望よりもこのプランナーがプランするんだから間違いない、みたいな感じに流れが出来るんですね。まあ、とにかく素晴らしくて偉大で羨ましくてイヤミな集団です。
【6点/10点】

『ステルス』

February 17 [Fri], 2006, 0:24
 最初の1時間ちょっとは酷いもんでした。ダサすぎてどうなるかと思いました。

 元々こういう戦闘機モノの映画に全く関心が無いのもあるけど、戦闘以外の役者の会話のやり取りとか、キャラクター設定がスゲエださい。

 メインのパイロットが3人いるんだけど、ジェシカ・ビールは「ブレイド3」で結構良いなって思って、まあ今回も悪くなかったです。でも他の男2人、ジェシュ・ルーカスとヘンリー・パーセルは今イチですね。

 ジェシュは確かにイケメンなんだけど、特に面白味も無いし地味だし印象に残らない。

 ヘンリー・パーセルも演技ダサイね。軟派な黒人男性って感じの役なんだけど板についてないし。

 で、1時間超えたあたりで、ステルスがハチャメチャになってきて面白くなってくるんだけどね。その辺のハラハラドキドキさせる手法は上手いなって思います。

 展開は読め読めだけどね。スリルはありました。

 しかし、ステルス君もなんだかねぇ。あんだけ凄い飛行機なのに雷くらいでおかしくなっちゃうし。音楽ダウンロードのくだりもねぇ、悪くはないけど、ちょっとサムイよ。最後はちょっと感情移入したけどね。
【3点/10点】

サヨナラ

『ステファン・セドゥナウィ/DIRECTORS LABEL』

January 18 [Wed], 2006, 0:13
 ファッション写真家出身でREM、U2、レッチリ、ビョークなど大御所のプロモを撮っている監督の作品集DVD。

 この監督の映像で一番最初に観たのは、レッチリの「Give it Away」でしょう。もちろんこの映像を観たときは、映像よりも曲とレッチリのかっこ良さばかり観ていたんだけど。映像の斬新さやインパクトも今でも忘れないですね。ちょうど俺が大学生の頃で、はじめて新しいバンドでプレイしたのもこの曲でした。そんとき散々観たMV。

 ファッション写真家出身だからか、映像がどれもスタイリッシュできれいで斬新。U2やREMは音楽としては全く関心が無いんですけど、撮影の裏話なんかを聞いた後、改めて観ると映像の奇麗さやアイディアの斬新さに目を引かれます。

 ファッション写真家と言えば、デヴィッド・ラシャペルが初監督をするダンスドキュメント映画「RIZE」がかなり楽しみです。

 最初にこのDVDをまわして、タイトル画面になるんだけどDIRECTORS LABELシリーズ4本の中で一番かっこ良いタイトル画面でしたね。音楽もミルウェイズの曲で凄く良いです。

 彼の最終目標は映画の制作のようなので、期待したいです。でも、理解不能な映像になりそうだな。ショートフィルムもいくつか入ってるけど、結構トンじゃってるね、映像として素晴らしいですけど。

 インタビューがどのDVDも面白くて、これも色々監督の裏話や撮影秘話が入ってて、これを観た後、改めてプロモをチェックすると面白いです。偉大なミュージシャンに信頼されて、ビョークやガービッジにも好かれていて、モテモテです。ビョークとは関係があったんじゃないかと思わせる発言もあるんだけど、そうなのかな?
【8点/10点】

Give it away!