あの日、欲望の大地で

October 25 [Sun], 2009, 20:36
The Burning Plain

燃えさかる草原から始まった、過去と現在、そして未来。ばらばらの時間軸がやがてひとつの線でつながり、物語が動き出す・・・。

「母」と「娘」である前に、誰もがひとりの生身の女性。メキシコと凍てついた海辺の町を行き来する、硬質な女性映画。
「欲望の大地」って何事。爆笑
しかもあの日とはいつですか?
この邦題のせいで危うく観る気が失せるところだったけど、『21グラム』などの脚本家であるギジェルモ・アリエガの初監督作品となれば見逃せないっ、ということで。どうでもいいけど監督の名前ってなんかのホラー映画のキャラっぽいよね。(ほんとにどうでもいい)

てことで、予想を裏切らない複数視点の構成に、抑制された演出で見応えのある作品でした。初監督というのに既に熟練風というか、何だこの落ち着きぶりはっていう。笑
といっても、これまでの監督の脚本作に比べてみると、いちばん分かりやすくて観易い印象だったと思う。確かに物語は複数のエピソードの羅列で綴られているんだけど、不可解さや???なところはなくて、最終的にこれ以上ないくらいダイレクトな繋がりぶりを見せるので、すーっと一筋の線が通るような明快さがあるんだよね。
だから変にすっきりしない感じが残ることがない。(←自分的には大事。笑)

映画は主に3つの視点のエピソードから構成されてます。
寒々とした空気の流れる海辺の町でレストランを営む女性・シルヴィア(シャーリーズ・セロン)、メキシコで不倫に走る主婦・ジーナ(キム・ベイシンガー)、そして母の秘密を知る娘・マリアーナ(ジェニファー・ローレンス)。ジーナは不倫相手と共に焼死したことがまず提示され、彼女の生前と死後の物語がそれぞれ交互に描かれる中で、シルヴィアの元に生まれた時に捨てた娘が現れる、という別の時間軸でのエピソードが挿入される、という構成。
次第にこのエピソードのパズルのような断片がひとつの形を作り出していくのと同時に、緊張感を失うことなくその効果が鮮烈に浮かび上がってくる。それは現在は過去の免れない影響の上にあること、そして未来も。過去があるから現在がある、それって当たり前じゃん。と思うけど、実際映画では「現在」のみの視点で動いていくことが殆ど。だからこういうのって結構小説的な流れだと思うんだよね。「現在」が過去の上に成り立っていることを効果的に描くのって。
まあ良く分かんなくなってきましたが(←)、そういう意味では本を読んでるような感覚の映画じゃないかなーと。

しっとりとした色気のキム・ベイシンガー、硬質な美しさのシャーリーズ・セロンに挟まれて、マリアーナを演じるジェニファーのどこか気だるげで、若さゆえの不敵な(?)表情がとても魅力的です。ていうか、キムに似てる。笑
ほんとに母娘っぽいよね。
やがて母の不倫相手の息子とロミオとジュリエット的な恋に落ちるマリアーナの抱える秘密が、現在のシルヴィアの何もかもを閉ざした表情に重なってゆく。
乾いた大地に燃える炎が、海辺のポートランドの灰色の空、冷たい波に呑まれてゆくように。そして現在は未来にとっては過去。最後に提示された未来への足がかりのさりげなさも甘すぎない余韻を残す。
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