ディーバ
2006年05月18日(木) 14時05分
Diva
Region:France Year:1981
Directed by Jean-Jacques Beineix
映画に色彩があるとしたら、この映画はブルー。青い光、照明、室内を満たす青い空気。典型的な巻き込まれ型スリラーの形を借りながら、ひとつのカテゴリーに当てはまらないお話を青という統一された色で染め上げているかのよう。この調和が心地よい。独創的なインテリア、至るところに散りばめられた様々なオブジェが、どこか幻想的で寓話のような世界を作り上げている不思議な、そして美しい映画です。
Region:France Year:1981
Directed by Jean-Jacques Beineix
映画に色彩があるとしたら、この映画はブルー。青い光、照明、室内を満たす青い空気。典型的な巻き込まれ型スリラーの形を借りながら、ひとつのカテゴリーに当てはまらないお話を青という統一された色で染め上げているかのよう。この調和が心地よい。独創的なインテリア、至るところに散りばめられた様々なオブジェが、どこか幻想的で寓話のような世界を作り上げている不思議な、そして美しい映画です。いつの時代の話なのかよく分からない。舞台は紛れもなくパリの街だけれど、現実とも現在ともはっきりしない。主人公の音楽オタク、ジュールが郵便配達夫で、制服着てモビレット
という乗り物に乗っているのは独自の設定だと思うので、やっぱ完全にリアルな話じゃないんだよね。
ジュールはオペラ歌手のシンシアに心酔し、公演を録音し(いわゆる海賊版ってやつですな)、彼女のドレスを盗んじゃうちょいストーカーチックな奴。壊れたクルマ
を並べたロフトでそのテープを聴いてる、美学を持ったオタクの鏡(誉めてます)。
冒頭から流れる天上の歌声、これはまさしくディーバじゃ。偽物とは違うのよ。シンシアはレコードを出さない主義なので、ジュールは録音してるわけですが。彼は純粋なファン魂の持ち主なので、あくまでテープは自分で楽しむためのもの。しかし、そのテープを狙う輩が出てきます。まぁ、私も西新宿のブート街で購入した経験もあるので、ジュールの気持ちは分かりますね。
それだけでも大変なのに、偶然にも手に入れてしまった麻薬組織の実態を暴くもうひとつのテープを巡って、別方面からも追われる羽目になるジュール君。レコード店で知り合ったベトナム系の不思議少女アルバ、彼女と妙に癒し効果ありそうなエコロジカルなアパートメントに暮らす不思議中年ゴロディッシュの助けを借りてパリから脱出〜。
このゴロディッシュという人物が、何事にも美学を持っているような奴で、落とし前のつけ方にもスタイルがありますよ。
ジュール君、怒涛の追い込まれ状態に至る合間に、シンシアの元にドレスを返しに訪れる。忙しい奴だな全く。しかも何であんな簡単にホテルの部屋に入れるんだ?まぁいっか。自分のドレスを盗んだ奴なのに、どういうわけかジュールに気を許すシンシア。憧れの歌姫とこんな簡単に(?)お近づきになれるなんて、ありえねー。世界中のミーハー&オタクの夢を一気にかなえたジュール君。この辺、あくまで美しいおとぎ話といった趣です。夜明けにパリの街を彷徨うように二人で散歩するシーンは、シンプルなピアノの調べも絶妙な名場面。微妙な距離感を保っていたシンシアに、少しずつ近づいて寄り添っていくジュールの姿がまたよろし。
「自分の歌を一度も聴いたことがないの」
というシンシア。録音してなきゃ、そうでしょう。
細部に至るまで作りこまれた世界観、独自の美学を持った登場人物たち。純粋に「好き」という気持ちが唯一のラブレターを届けるラストが印象的な、瑞々しい感性に溢れた映画です。
ジャン=ジャック・ベネックスの初監督作品。
という乗り物に乗っているのは独自の設定だと思うので、やっぱ完全にリアルな話じゃないんだよね。ジュールはオペラ歌手のシンシアに心酔し、公演を録音し(いわゆる海賊版ってやつですな)、彼女のドレスを盗んじゃうちょいストーカーチックな奴。壊れたクルマ
を並べたロフトでそのテープを聴いてる、美学を持ったオタクの鏡(誉めてます)。冒頭から流れる天上の歌声、これはまさしくディーバじゃ。偽物とは違うのよ。シンシアはレコードを出さない主義なので、ジュールは録音してるわけですが。彼は純粋なファン魂の持ち主なので、あくまでテープは自分で楽しむためのもの。しかし、そのテープを狙う輩が出てきます。まぁ、私も西新宿のブート街で購入した経験もあるので、ジュールの気持ちは分かりますね。
それだけでも大変なのに、偶然にも手に入れてしまった麻薬組織の実態を暴くもうひとつのテープを巡って、別方面からも追われる羽目になるジュール君。レコード店で知り合ったベトナム系の不思議少女アルバ、彼女と妙に癒し効果ありそうなエコロジカルなアパートメントに暮らす不思議中年ゴロディッシュの助けを借りてパリから脱出〜。
このゴロディッシュという人物が、何事にも美学を持っているような奴で、落とし前のつけ方にもスタイルがありますよ。
ジュール君、怒涛の追い込まれ状態に至る合間に、シンシアの元にドレスを返しに訪れる。忙しい奴だな全く。しかも何であんな簡単にホテルの部屋に入れるんだ?まぁいっか。自分のドレスを盗んだ奴なのに、どういうわけかジュールに気を許すシンシア。憧れの歌姫とこんな簡単に(?)お近づきになれるなんて、ありえねー。世界中のミーハー&オタクの夢を一気にかなえたジュール君。この辺、あくまで美しいおとぎ話といった趣です。夜明けにパリの街を彷徨うように二人で散歩するシーンは、シンプルなピアノの調べも絶妙な名場面。微妙な距離感を保っていたシンシアに、少しずつ近づいて寄り添っていくジュールの姿がまたよろし。
「自分の歌を一度も聴いたことがないの」
というシンシア。録音してなきゃ、そうでしょう。
細部に至るまで作りこまれた世界観、独自の美学を持った登場人物たち。純粋に「好き」という気持ちが唯一のラブレターを届けるラストが印象的な、瑞々しい感性に溢れた映画です。
ジャン=ジャック・ベネックスの初監督作品。
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