プロローグ

January 11 [Wed], 2012, 0:42
2011年東京 冬

雪国育ちの私達は、東京の冬でも青い空の下で、物足りなさを感じながら雑踏の中を早足で歩いていた。
地元にいた学生の頃と変わらず、横にいるのはあの子で。
東京の空気は、雪の匂いなんかしないんだね、雪の匂いってあるよねえ?なんて、私は去年も同じ事あの子に言った様な気がするけれど。
今年もあの子は、そうそう〜なんていつもと変わらない笑顔で答えている。

何て事は無い、いつもの風景の中で。
だけどいつもと違うのはポケットに入っている、一通の手紙。

何もかも、同じに見えるよ。
だけど、毎日、ううん、1秒ごとに何かが変わって行く。
この瞬間今も。何かが。

例えば5年後、同じ街で、あの子と私は一緒にいるだろうか?
同じお店があるだろうか?
あの子は、私は、笑っているだろうか?
同じ事を考えているだろうか?
私の問いに、同じ答えを返すだろうか?

何かが少しずつずれて何かが少しずつ変わるんだ。
きっとその積み重ねで日々は出来ているのだろう。

あ、今、ふっと雪の匂いがした。
雪が降らなくても、寒かったら雪の匂いがするんだね。

帰れないんだ、あの時には。
戻れないんだ、あの頃には。

雪の匂いは、どこにいても同じなのに。。。
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