惜別

June 21 [Thu], 2012, 1:49


離れないと思っていた手を、
離したのは私でした。

これ以上は居られない。
そう教えてくれたのはあなたでした。
私の先に広がる道を、
諭すように教えてくれたのもあなたでした。

ーーありがとう。


「お疲れ様です。」


そう言いながら車に乗り込む。
ふと、後ろを見ると
泊まりにくる用意をしているようだ。

【もう来ないで欲しい。】

それが言えずにいた。

週に二回のお泊まりと、近すぎる距離。
それが二人を馴れ合いと、
破滅に導いているような気がする。

もっともっと傍にいたい。
いつも隣に。
もし‥‥もしそれが叶うのならば、
私の未来は常闇だろう。

それでもいいと思える恋だった。

過去形なのは、気付いたから。


「恋人ができたんです。」


あなたを忘れるための犠牲者ができたんです。


「じゃあさよならだね。」


あっさりと言うあなたを引き留めたくて、
何を言うかもわからない声を飲み込んだ。


「でも良かった。幸せになれよ。」


居たいんだ、あなたと。
でも無理だから。
あなたに、あなたに幸せになって欲しいから。


「幸せになるわ。私大切にされてる。」


震えていたかもしれない。
上手に喋れていなかったかもしれない。

あなたを守るための、
あなたとの思い出を守るための。
私の強がりを、
私の決断を、
許して下さい。
忘れないで下さい。


「「ごめん」」



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