先咲あいす。 

March 05 [Wed], 2008, 3:28
流れる水は、ソーダ水みたいに小さな泡を無数に作って、
流れて、流れた。
だけど少し寒かったね、寒すぎたね。
全部凍っちゃった。
ママがくれたスワロフスキーの兎みたいに、輝いて。



ううん、嘘だった。
輝けるのは太陽が、光があるから。
ここには光なんてないよ?
誰か、せめて、例えば懐中電灯で照らしてくれれば良かったのに。

照らしてほしかった、あいすのこと。



先咲あいす。(さきざきあいす)



あいすって言う名前はママが付けてくれたんだ。

パパは人の良さしか取り得がないようなお人好しでさ、連帯保証人?だかなんだかになって、
その後はありきたりな転落、凋落。

誰かに温もりを与えても、外気に触れて、次第に冷えていって、
残りの僅かな熱さえも触れてあげた他人がすっかり持っていっちゃうの。

だから熱なんていらない。

熱ってさ移動するんだって。
伝導かな。
あいすはただ冷たくて、他人の熱だけを奪って生きていくの。

それが幸せの形。

そんな子になるようにって、そう願ってママがつけてくれたんだ、あいすの名前。

自分の名前、すごい気に入ってる。
ママはいなくなっちゃったけど、大好きだった。



今日もあいすは一人ベッドの中。
また眠れないや。

だから眠れる呪文を唱えるの。

アンティックカフェ、アンティックカフェ・・・。
アンカフェなんて決して言わないで。
P R
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  • アイコン画像 ニックネーム:先咲あいす
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 血液型:AB型
  • アイコン画像 職業:小中高生
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架空の少女の架空の日々。
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