予覚 プロローグ

May 22 [Sun], 2011, 7:22
俺はごくごく普通の高校生だ。という当たり前のことを言ってみる。
だが、俺は違うのだ。俺は普通ではない。親に隠れて、エロゲーやそういう類を見ているというけじゃない。俺は変体でもない。見ているがそういうことではない。俺は普通ではない能力が目覚めた。
それはある日当然俺の身に起こった。あの日さえなければこんなことにはならかった。
あんな力さえ目覚めなければ、俺はごくごく普通の高校生と言えただろう。
数ヶ月前までは―――――――――



「起きなさい! 今何時だと思ってるの?」
母の怒鳴り声が俺の耳元でこだまする。
慌てて起きる俺。
「なんで、母さんが俺の部屋に!?」
母は無言で俺の目の前に時計を突きつけた。
―――――8時30分。
うおおおおい! これはどういうことだ? 遅刻? これってどう考えても遅刻だよな。
嗚呼、夢だと思いたい。きっと夢なんだ。
頬をつねる。
「痛ってぇ」
ゆ、夢じゃなかった。現実だ。
「なに頬つねってるの。早く支度しなさい。遅刻しないところがあんたの唯一の救いなんだから。さっさとしないと遅刻するよ」
母はそう言って俺の部屋を出た。
てか、俺遅刻してるんだけど。
制服に着替え、鞄を持ち、階段の段差に転びそうになりながらも家を出た。
完全に遅刻だ。担任は怖いし、遅刻しないことだけが救いで、進級できたようなものだからな。
俺の学校は学力のレベルが低く、授業や学校遅刻、授業中の態度(寝る)さえしなければ進級できてしまうのだ。
走っている俺に甘い声が聞えた。
「凌さん。あの、聞いてもいいですかね・・・・?」
俺は立ち止まった。目を向けると、やたらと背が小さい女の人が立っていた。
小学生くらいだろうか? よく見ると、俺と同じ高校の制服着てるしなぁ・・・・
背が小さい高校生か。小さくて可愛い。
「何で、俺の名前を?」
「あなたの鞄です」
女の人に言われ、俺は肩にかけたあった鞄に目をやる。
嵐凌。
これは、鞄に俺の名前が書いてあるじゃないか。しかも、俺の名前なんかのギャグみたいだから、あんまり好きじゃないんだよな。嵐って姓に名前が凌ぐなんてやってらんない。嫌になる。
多分、母さんが無くすといけないから鞄に名前を書いたのだろう。
俺、さすがに鞄までは無くしたりしないし、小学生じゃあるまいし名前を鞄に書くなんて恥ずかしい。
今まで気付かなかった俺が不覚だ。あの過保護な母さんが鞄だけに名前を書くはずがない。
俺はふと靴に目をやった。小さい文字でかかとに俺の名前が書いてある。
やっぱりか! なんで、俺の名前があの女の人の背丈で見えたんだ?
鞄の底に大きくマジックペンで名前が書かれていた。あの背丈くらいの人でなけれ気づかないだろう。入学してから、もう、数ヶ月がたつというのに誰も俺の名前が鞄に書いてあることに気づかなかったのは唯一の救いだ。
「話ってなんだよ・・・・」
「わたしを・・・・・その」
俺が女の人に話しかけると困惑しながら言う。
「なんだよ。言ってみろよ」
「わたしを・・・・・か・・・・・ください」
「か?」
声が小さくて重要な部分が聞き取りづらい。
「わたしを・・・・・飼ってください!」
おい、おい。それを大きい声で言うなよ。俺が変体みたいじゃないか!
「し・・・・・お前、だまれって・・・・」
思わず女の人の口を俺はふさいでしまった。だが、女の人は抵抗しない。
近所のおばちゃんが俺を変な目で見る。俺と目があった。すると、おばちゃんはばつが悪そうに目をそらし、おばちゃんはその場から去っていった。
近所で俺が小学生くらいの女の子になにかしてたと噂がたったら大変じゃないか!
「ふぅ・・・」
俺がため息をつくや否やなんでもないことを言い出した。
「さっきの人、わたしたちのことセフレだと思ったんですかね?」
「妙な単語を口に出すな!」
「お前、意味わかって言ってるのか?」
「セレブの友達」
俺は苦笑すると、
「え、セフレの『セ』がセレブで『フレ』がフレンドで日本語に訳すと意味が友達って意味じゃないんですか?」
真顔で答えやがったこいつ。
「あのなぁ・・・・そういう単語女の子は口に出しちゃダメだからな?」
ついつい、小さい子に言い聞かせる口調になってしまう。
「うん」
笑顔で返事をする。
素直すぎるぞ。笑顔に愛嬌がある。
まさか、この女の人と出逢うことで俺の人生があんなものになるとはこのときは想像すらつかなかった。


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