幼馴染。 その3(終) 

July 11 [Sat], 2009, 15:00
「なんなのよ、もう…。」
えみは下を向きながら呟いた。
そして、歌が始まった。
一瞬にして観客は歌に引き込まれていった。
その歌はラブバラードだった。
意味を理解した途端えみは自分の胸が跳ねた事にびっくりした。
今までただの幼馴染で、高校まで同じで腐れ縁だとばかり思っていた。
でも違っていた。

顔を上げてステージのライトに照らされている悠介を見つめる。
悠介はすごくキラキラ輝いていた。
汗がライトを反射していつも以上にカッコ良く見えた。
「……ぁ。心臓の、音……うるさい」
えみは自分の手を胸にあて、治まれ心臓、と付け加えた。
そして、自分が悠介の事を好きなのだと確信した。
悠介は絶対好きになってくれないだろうな、
と思っていたえみはとてもびっくりした。

『今日は来てくれて、ありがとう!!!』
というMCと共にライブは無事に終了した。
えみはライブハウスを後にした。
ライブハウスを出てすぐに携帯が鳴った。
悠介からだった。

悠介が指定した会場の近くにあるスタバでえみは時間を潰した。
ストロベリークリームフラペチーノはそろそろメニューから消えるらしい。
スタバのメニューではそれが1番好きなえみは残念だと思っていた。
間もなく、悠介が到着した。
さっきまで演奏していたギターを背中に背負ってお店に入ってきた。
そしてえみに『聴いてくれてありがとう』と云って握手した。

「俺さ、ずっと子供の時からえみの事好きだったんだ。気づいてなかっただろ?」
こくん、えみは頷いた。
「今日はさ、えみと俺が初めて会った日なんだよ。覚えてる?」
「え?…そうだっけ?」
「やっぱり。覚えてないか。小学校5年生の時に俺がこんな中途半端な時期に転入した日だよ。」
思い出した。
「教室でも、家でもお隣同士になったんだよね?」
笑顔で答えた。
「そうそう。えみのが勉強できたしな。よく宿題写させてもらったなぁ。」
「そうだね。」
「そのころからだよ。」
悠介の声がちょっと真剣な感じに変わった。
心拍数が早くなった。
「そのころから、俺はえみが好きだった」
「……。」
えみはまた下を向いた。
「好きな奴、いないなら、付き合って欲しい」
「……。」
「えみ?」
心臓から血液を流れ出す音が聞こえてきた。
どくんどくんどくんどくん。。。
膝の上で汗ばんでいた両手を、ぎゅっと握りしめた。
「う、ん…あたしも、……好き…みたい。」
真っ赤になってるえみはその言葉を云うのが精一杯だった。
「ふっ、耳まで真っ赤」
悠介がゆでダコみたいに真っ赤になってるえみを見て、笑った。
「ひどっ……っ!」
えみは顔をあげると悠介に唇を奪われた。
それは一瞬触れたかわからないようなキスだった。
そして
「あ〜、良かった〜、緊張した〜、はぁ〜。」
と悠介が抱きついてきた。
悠介の心臓の音が聞こえた。
えみと同じくらい早く、それがとても嬉しかった。

ところで、とえみは続けた。
「悠介、聞きたかったんだけど、秘密の合図って何?」
「それは、今日お前がライブ来ないって云ってたから、やらなかった」
「あたしメールで行けるって伝えたし、ちゃんと行ったジャン」
「……、ホントはステージ上で告白するからってメンバーに伝えてたんだよ。
でも、来ないって云われてたからそれが出来なかった。まぁ似たようなことはしたけど。」
苦笑いしながら、悠介は頭をかいた。
「まぁ合図とゆーか、あれだな。バックミュージック付で告白したかっただけだよ。」
「……。カッコつけすぎっ。良かった、そんな告白されなくて。」
「ずっと前から、お前しか女に見えなくて、ずっと好きなのに、お前気付かないし。
それくらいのことやってイヤがらせてやろうかと」
「なっ…。」
「嘘だよ。一生忘れないようなインパクトのある告白がしたかっただけだよ。
まぁあれだけ本気でイヤがるとは思ってなかったけど」
悠介はごめんな、とえみの頭を撫でながら云った。
それはとても心地よい感覚だった。

「悠介、目、つぶって」
「なんで?」
「イイから。お願い。」
「わかったよ。」
そして、目の前にいる悠介にえみは自分の唇をふれさせた。
好きだよ、と囁いた。






とりあえず、終了です。
なんか、なんとも微妙な小説になってしまいました(笑)。
ホントはもっと短くてラストも全然違っていたのに
こんな事になりました。。。
誤字脱字あっても、スルーしてください。
そして、お目汚ししてしまいすいませんでした。
また新しいのを頑張って書きたいと思います★

幼馴染。 その2 

July 10 [Fri], 2009, 16:46
開演時間ギリギリだったため悠介からの返信はなかった。
そのメールを読んだのが読んでないのかはわからなかった。

彼のバンド演奏が始まった。
彼のバンドは普通のロック系のバンドだ。
ヴォーカル・ギター・ベース・ドラムの4種類で音を奏でている。
悠介はギターとコーラス部分を担当していた。
1曲目が終わり、MCは悠介だった。
そこで悠介がこちらを向いた時、えみを見つけた。

一瞬、言葉が詰まる様な部分があった。
悠介はフッと笑うとえみに向かってウィンクした。
『今日は来てくれてありがとう、みんな大好きだよっ!!!』
悠介のマイクを通した声が響く。
観客で悠介のファンの女の子たちが、きゃぁぁと黄色い歓声をあげた。
そして何事もなかったかのように次の曲が始まった。

「悠介、モテるなぁ。」
はぁ〜と溜息をつく。
なぜ溜息をついたのかはわからない。
「秘密の合図って何だろう…。」
えみは爆音が響くライブハウスで呟いた。
その声は当然の様に誰にも聞こえない。
えみはボーっと音楽を聴いていた。
時間だけが過ぎていく。

『中村えみさん!』

不意にマイク越しに名前を呼ばれた。
音がやみ、MCが始まっている最中だった。
びっくりして周りを見渡すとステージで悠介がおいでおいでをしている。
えみは「ムリムリッ」と云いながら手と首を横に振る。
そしたら、悠介がステージからおりて観客席まで来てしまった。
当然悠介ファンの女の子たちはイヤな顔をしている。
えみは「帰る!」と言い放ちその場所から逃げ出そうとした。
しかし、悠介はえみの右腕を掴んで離さない。
「えみ、俺は今日、どうしても伝えたい事があったんだ」
「……。」
えみは悠介に腕を掴まれたままそっぽを向いている。
こんな状況になって何を話したらイイのかわからない。
「はぁ〜。…わかったよ」
悠介はそう云い放つとえみをぐいぐい引っ張りステージ上まで連れて行ってしまった。
「ここ、座って。」
ステージ横にあるイスにえみを座らせた。
「真剣に聴いて欲しい。」
と付け加えた。
悠介の瞳は真剣だった。
そしてマイクを持った。
『最後の曲は、俺がさっき引っ張ってきた女の子。
 中村えみさんへの想いを詩にしてきました。』
会場からは歓声と共に拍手が響いた。
その中には罵声も入り混じっていた。
当然といえば当然なのだ。
悠介は外見カッコイイのに加え、成績も優秀。
学校のアイドル的存在だった。
それに引き替え、えみはクラスではあまり目立たない存在。
人前に出たりするのは苦手なのだ。







え〜、今日はココまで。
いや、ラストは決まってるんですが
あまりキレイに終着点に行けないのはどうして?
そんなカンジ。

幼馴染。 その1 

July 08 [Wed], 2009, 14:54
その瞬間
心臓が跳ねた。

さっきまでただの同い年の男の子だったのに。

次の瞬間
目の前がキラキラして
今まで見ていた景色がまるで別世界の様に思えた。
そして心臓から血液が送り出される音が聞こえた。

『ありがとう!』
と云って、彼はあたしに握手した。


あたし、中村えみ(ナカムラエミ)、17歳、高校2年生。
今は友達のバンドのライブに来ている。
そこで今まで友達としか思っていなかった男の子にドキドキした。

彼、平野悠介(ヒラノユウスケ)はバンドのギタリスト。
軽音部でバンドを結成して2ヶ月に1度の割合でライブを行っている。
そのライブで彼のパフォーマンスに心臓を恋の矢で射抜かれたのだ。

遡ること今日の昼休み、悠介に
「今日のライブは絶対に来て。秘密の合図するから」
と誘われた。
「うん〜、まぁ暇だったらね。あっ、今日バイト、ごめん行けない」
軽い気持ちで答えた。
その後、バイト先の店長が今日臨時休業するとかで
急遽バイトが休みになりメールで
『行ける事になったよ』とだけ伝えた。






小説です。
とりあえず、今日はここまで。
続きはまたあとで★
P R
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