グッチ財布武人だから慣れている

October 12 [Sat], 2013, 11:25
「……やはり、王が玉座にいる、いないは大きいだろうな」 陽子が呟くと、桓たいは表情を引き締めた。長い長い旅になります。「王様ってのは、手前勝手なものに決まってます。|海客《かいきゃく》はこの世界の民と何ら変わりのない人間だし、言葉が通じないことを除いては、なるきり民と見分けがつかない。それまで李斎は、驍宗に対して何の不安も抱いてはいなかった。「お寒かったでしょう」 李斎は|火炉《ひばち》の傍の椅子を勧めた。六章 1「──見つけました」 |蘭雪堂《らんせつどう》に駆け込んできた|廉麟《れんりん》は声を上げた。慶の中に居場所も得ている。「|麒麟《きりん》は民意の具現だという──それは、こういうことなのではないかと思うことがある。「そう言えば、|鴻基《こうき》の街はどうなったのでしょう」「無事のようです」 これもまた、答えたのは阿選だった。そう、李斎にとっては、泰麒が無事であれば──自分の手で泰麒を守ることさえできれば、それが戴を守ることだったのだ。泰麒と面識のある景麒を頼って?」 これには景麒も首を傾げた。まるで全てに条理が先んじる──それも成文化された条理が先んずる印象を受けた。慶はまだ未熟だから。|巌趙《がんちょう》、|阿選《あせん》、|英章《えいしょう》と、禁軍の将の誰をとっても、|土匪《どひ》の乱を鎮圧するのに役不足ということはない。

けれども、主上がそうおっしゃるのだから、それでいいのだ、と──そう思っているだけなのです」「信頼していらっしゃるのですね」 花影の声音は、少しばかり寂しげで、同時に何かを危惧する響きを伴っていた。臣としては戻らせてはならないと思う。「どうなのでしょう──治りますか」 李斎は問う。「特に|梨雪《りせつ》は、|傲濫《ごうらん》とやらの気配に|怯《おび》えているんだよ。相変わらず涼しげな顔をしていたが、どことはなしに|憔悴《しょうすい》したふうが見えた。これからここで話すことは、蒿里には勿論、この件に関与しない誰に対しても|悟《さと》られてはならぬ」「では、内々に処断を行うと……?」 そんな、と李斎は声を上げそうになった。「それでもいいな? 覚悟できるな?」 はい、と李斎は痛々しいほどに白い顔で頷いた。敵はそれを察して再び泰麒を襲撃しに来るかもしれない。してみよう、と延王にもお願いしてみるつもりでいる。泰麒は事実として、まだ幼い。方法は選んでいられない。──そのように見えた。精霊のような何かが自分の周囲にいて、温かな|慰撫《いぶ》を与えてくれていることに、彼はいつからか気づいていた。あるいは、王にそれだけ近い、という誇りの持ち方をしなければ、やっていけないものなのかもしれない。これまでに|培《ちつか》われた篤い信頼があり、太く|縒《よ》り合わされた|絆《きずな》があった。グッチ財布武人だから慣れている。「……台輔に、なぜあんな事をおっしゃったのです」 李斎が言うと、琅燦はやっと顔を上げた。官吏にとってそれは堪え難い挫折だ。 ……たとえもし、泰麒が戻ってきたとしても、それからどうすればいいのだろう。──違いますか?」 確かに、と陽子は首肯した。景王は|登極《とうきょく》から間がなく、ゆえに宮中の人手が少ないのかもしれなかったし、ひょっとしたら李斎は信用されておらず、万が一李斎に反意あったときのために、あえて女官を一人に限っているのかもしれなかった。「……延台輔、景台輔、あそこに」 廉麟は小走りに机の間へと向かって床の一点を指す。あくまでも景王が、雁の|王師《おうし》をお借りになって、自国にお戻りになった。 驚いた。|間隙《かんげき》を|窺《うかが》うようにして品性|卑《いや》しい官吏が王朝を食い荒らしていたし、驕王が|斃《たお》れて以後、それは|甚《はなは》だしく拡大したのだが、それでも戴は良く踏みとどまった方だと言えるだろう。 ひたすら祈るより他に、泰麒にできることはなかった。時に花影が違和感を感じ、時に李斎が引っかかりを覚え──そのように、方々で大勢の者たちが微かな不審を|嗅《か》ぎ取り、それがあの奇妙に錯綜した噂話に発展しはしなかったか。桂桂にだって勉強をさせてやらなきゃな。今回の件は、なにしろ前例がない。ものを知らないから、簡単に考えていたのだけれども」「陽子は面白いことを考えるな……」 半ば呆れたように六太が言う。
グッチ財布彼らのために生命を賭して
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