哀しい幸福

January 26 [Tue], 2016, 3:17
紡いでもいいですか
この紙に宿るそれはきっと
言霊となって
貴方の夢を汚しに闇夜を駆けるでしょう
閉ざした唇が熱に浮かされて
馬鹿をみるかもしれません

それでも
その唇は柔く
纏わりついて
はなせないほど

醜い私は
その唇に赦されて
夢をみる

硬くなった皮膚が
ざりざりと音をたてる

触れて欲しいと渇望しながら
それを口にすることの罪を
逡巡するしか

ほどけた糸は
再び絡まるために
闇を駆ける

正しい言葉はきっと
紡げない
淫らに歪んだ言霊は
夜を縫って貴方のもとへ

いつか辿りつけたら
きっと
哀しいけど、とても幸福な夢

目次

May 12 [Tue], 2015, 22:55
随時この記事に作品名を挙げていきます
新作:  BL注意:




 或る日のこと (連作) ////// new  7話UPしました(13/02/24)
                   ※「或る日のこと」BL要素があります。ご注意ください。
かえるの庭
冷蔵庫の秘密
真夜中の金魚鉢
ほしのうた
ケモノノ恋(仮)
小説家
水密桃の夜
咀嚼
あの香りの下で
ひつじのよる 
黒猫うたいて
夜に咲く花を憎んで 
木蓮女王 
取扱説明書をよく読んでください 
桜涙雨
不思議な月夜
その刹那に 
忘却の夢
Анна
沫宵心中
あめあめふれふれ
笑っていきましょう
ゲシュタルト崩壊
小指の思い出
しにたがりの月
青い糸
得意料理
糸の端
咀嚼U
タンポポ 
裏庭の秘密 前編 
         後編
そら豆
アルコホリックドライブ
希成子に与えられた者について new 11/10/14up

なぜ

May 24 [Sat], 2014, 3:21
あなたが息を引き取る時
私は何処にいたでしょう
あなたの知らない場所に
あなたが息を引き取る時
私は何を思っていたでしょう
あなたのことなんかこれっぽっちも
あなたが息を引き取る前
私はどうしてあなたに会えなかったのでしょう
あなたが息を引き取る時
どうして会いたいと思ってもらえなかったのでしょうか

遺すのはお金じゃなくて
思い出が良かった
会いたいと一言いって欲しかった
一目見ん一目見んとぞ走りたかった
どうして私は
あなたに
会えなかったんでしょうか

無題

May 09 [Fri], 2014, 3:43
あなたが、行きました。
そこは、苦しみも悲しみもない国なんでしょうか。
私は泣いていません。泣きません。
あなたが私に遺してくれたものがないから。
思うんです。
あなたが、どんな歌を好きだったか知りません。
あなたの、好物を知りません。
あなたの、口癖も仕草も優しい眼差しも。
私は知りません。
あなたは、どんな人間だったのでしょう。
優しい人だったんでしょうか。
強い人だったんでしょうか。
きっと
悲しい人だったんでしょう。
虚しい人だったんでしょう。
私があなたについて知っているのは、
恐怖と零した懺悔だけ。
あなたに愛されることが当然の世界で
愛されなかった私は。
先に捨てたのは、あなたでしょうか、私でしょうか。
間際、会いたいと思ってくれたのでしょうか。
私には知る由もありません。
後の祭りを知らされた私は、きっと捨てられたのでしょう。
捨てられたのです。
どうして呼んでくれなかったんですか。
あなたにとってそれほど必要ではなかったんですか。
どうして勝手に死んだんですか、父さん。
どうして、父さん。

或る日のこと・8

February 20 [Wed], 2013, 13:10
この作品は連作です。前回まで 【或る日のこと】//////              
      



三年前――

少し前、地元から上京している奴らで飲みに行こうと提案してきたのは竹内で、
なんだかんだで八人も揃った。懐かしい奴から、そう久しぶりでもない奴らまで。
とりわけ珍しかったのは、渉や。
まさか、竹内が未だに渉と連絡を取り合っていたのは驚きだった。
聞けば、転校してからも手紙やメールで続いていたらしい。
俺には一通も手紙は来てないが。
七年振りに会った渉は、なんというか、やたら色気のある男になっていた。
女が放っておかないだろうと一目でわかるような。
人懐っこい笑顔、すらっと伸びた背、一見中性的な顔立ながら手は完全に男のそれで、骨の上を血管が太く走っていた。
女が好きそうなポイントを全部抑えている男になった渉は、最初の集まりでは殆ど俺と目を合わさなかった。
なんやね、こいつ。と思ったが、よくよく思い返せば、あの日から七年も経っているし
あの別れ方は確かにあまり良くなかった。
転校を知らされなかったという虚しさや、その後一切連絡もなかったというのは
もしかしたら、仲が良かったからこそ気まずいのかもしれないし
それともまさか仲が良いと思ってたのは俺だけやったのか。
まあ、なんだかんだと悶々としているうちに、宴はお開きになったのだった。
なにより、いつもはイジり役の俺がイジられ倒すというのが、渉と話せなかった最大の要因だ。
新婚の俺を皆で寄って集ってからかう。渉以外の奴らは披露宴にも来ていたくせに、まだ飽きないらしかった。
渉はそんな馬鹿騒ぎには加わらず、昔のように少し俯きながら穏やかに微笑んでいた。
その姿が、昔の渉そのもので、俺は密かに胸を高鳴らせた。


あれから俺らは一ヶ月に一度、大体その間隔で集まるようになった。
当然、毎回ちゃんと揃うわけじゃない。それでも俺は殆ど参加している。
あとは仕切り役の竹内、それに、渉。
なのに俺は、未だに渉とちゃんと話せていない。当たり障りのない会話だけ。
「元気か」
「元気だよ」
「仕事、なにしてんのや」
「んー、まあ店員さん、みたいな」
そんな誰とでも交わすような会話だけ。しかも口火を切るのはいつも俺や。
けれど、俺の口に灯る炎を渉は冷たい霧雨でしょぼつかせる。
避けられている風ではない。避けるほど嫌なら毎回足を運ぶわけがない。
そう、あいつなら。
あいつは、何を気にしてる?あの別れの日しかない。けどそれならなんで何も言わん。
七年経ってもあいつの思考は読めん。
いい加減に腹が立ってきて、竹内に事情を話すと
渉には毎度の飲み会やと言うて呼び出し、実際は俺と渉の二人だけで和解の会を設けるということになった。



この作品は連作です。
← 【或る日のこと・7】           【或る日のこと・9】 → 少々お待ちください
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シナリオを構築するうえで生まれた散文とか
妄想成分過多
全体的に物語未満
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