もういない私たち 

August 24 [Mon], 2015, 23:41
昔読んだ本をまた読みたくなって、本棚を漁った。
私の中では真新しいつもりだった文庫本は経年劣化で少しくたびれてた。


何も考えずにページをめくったら折り曲げた紙が挟まっていた。
それは大学生の時に初めてお付き合いした恋人への荷物の送付状だった。
どうしてこんなところに挟んでいたのかは分からない。


12月24日に荷物が届くように日時指定してあった。
クリスマスプレゼントのようだ。私は一体、何を送ったんだろう。
恥ずかしいやら、懐かしいやら、胸が詰まって何とも言えない気持ちになった。


何を送ったんだっけね。
きっとずっと大事にしてほしいと思って相当悩んで、驚いてくれるのを想像して
顔の筋肉が緩みっぱなしのまま送ったはずなんだけど。
たった10年そこらで忘れてしまうなんて儚いものだ。


当時の彼の住所にはもう彼はいない。
そして当時の私の住所にも私はいない。


あの頃の彼の気持ちも、あの頃の私の気持ちも、今のこの世界にはもう存在しない。


あの頃の二人はもうどこにもいない。


もういない私たち。

月との距離、海が隔てる距離。 

June 23 [Tue], 2015, 20:39


いつ撮ったのか分からない月の写真。
月よりもその周りにある雲の感じが好きです。
昔の家にはこんな模様のガラスの引き戸が沢山あったと思います。
うちはまだ健在ですが。



夜に浮かぶ真っ赤な橋。
遠くから見ると本当に浮かぶように綺麗です。
綺麗なだけでなく何か意地のようなものも感じます。

この美しさに惹かれて、用もないのにわざわざ渡るために遠回りすることもあります。

だけどようやく辿りついても、橋を渡っているときは自分では見えなくて
走っているからそこからの景色もロクに見ることも出来なくて、海を越えているのに案外一瞬です。
そして渡りきってしまってからまた遠くで「あぁ綺麗だな」と眺める。

やっぱり「遠くから眺めている方がいいや」と思う。
だけどある日突然、「また渡りたい」と思い始める。

何だって、そういうものかもしれないですね。

帰りたい 

June 22 [Mon], 2015, 10:15


ずっと帰りたいと思っている。
だけどそれがどこなのかは分からない。


帰りたいと思って家と違う方向へ車を走らせてみた。
当たり前だけど、どこにも行く場所が見つからなかった。


優しさを受けたぶん、同じように返せないのは何故なんだろうか。



泣きたい逃げたい辛いもう全部捨てたい。
そう思いながら帰らなければならない家に帰宅して、結局、涙は一滴も出ないまま。


いつかの飲み会での


「いつか皆で集まって草野球しよう」


そんな約束とも取れない会話を思い出し、きのうはなぜかそんなものを心の支えにしようとした。
二度と叶うはずのないものをあえて選ぶところがどこまでもばかで自虐的だなと思った。


駅のホームを通り過ぎる特急電車を思い出した。
ホームにそびえる看板の灯りを思い出した。
その灯りに虫がたくさん飛んできて、カーディガンに止まった。
ふりはらうと羽が残った。気持ち悪くて嫌だったな。


あの駅も、きっと看板も今は変わっている。
あの虫たちももちろん、いるわけもない。
なのに私だけ変わっていかないのが恐ろしい。


取り残されていくのはとてもさみしく、恐ろしい。
P R
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バイバイサンキュー又明日。
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