【御嶽山噴火1カ月、火山防災の課題は 】 

2014年10月07日(火) 18時50分

噴煙を上げる御嶽山。かつては「死火山」とされていた(9月27日)=登山者提供・共同
噴煙を上げる御嶽山。かつては「死火山」とされていた(9月27日)=登山者提供・共同
 長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の噴火から27日で1カ月を迎えた。御嶽山の噴火は登山者への避難情報の出し方や退避場所の確保といった火山防災の課題を浮き彫りにした。

■日本は「火山列島」

日本には110の活火山があり、全世界の活火山に占める割合は約7%に上る。専門家は「いつ噴火してもおかしくないリスクがあるのが活火山」と指摘する。

日本にある110の活火山は、北方領土・択捉島の茂世路(もよろ)岳から硫黄島付近にある海底の日光海山まで点在している。富士山など東日本が89火山、桜島など西日本が21火山と、東日本の方に多い。

気象庁は110の活火山のうち、特に活発な火山活動を継続している47火山を24時間態勢で常時監視している。火山活動の指標を示す噴火警戒レベルを07年から運用しており、47火山のうち30火山で導入している。

過去1万年に噴火 110火山 兆候、確実な捕捉困難(10月10日)


「噴火警戒レベル制度を導入してから、噴火前にレベルを引き上げた水蒸気噴火はない」。気象庁火山課の担当者は9月29日、こう打ち明けた。

全国5500社の旅行会社が加盟する全国旅行業協会(東京)が2009年に作成した山岳事故の対応指針には噴火に関する記載はない。同協会は「噴火の危険性は事前に把握できると考えていた」(経営調査部)と話す。

火山情報活用に課題 御嶽山噴火、気象庁・自治体の連携カギ(9月30日)
■噴火予知は困難

噴火につながる火山性地震の頻度や起こる様子は山によって様々。過去と似たような場合でも必ずしも的中しない。火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は「火山学は経験則に基づいており定則がない」と語る。

噴火予知、なぜ難しい? 定則がない・観測所、無人多く(9月30日)
防災体制の見直しが急務だが、就職先の少なさなどから火山研究を志す学生は減少し、今や研究者は40人程度しかおらず「火山防災体制の危機」と懸念されている。

火山研究者、全国にわずか40人 就職先少なく学生減る(10月6日)
■国が対策見直し

気象庁の火山噴火予知連絡会は27日に新たな検討会を設置。観測データを登山者にわかりやすく伝える方法や、火山活動の変化をいち早く周知する手段を協議し、11月中に緊急提言を取りまとめる。

火山防災、国も対策見直し(10月27日)

■火山灰どう身を守る

外出は極力控えたほうがいい。窓やドアを閉め、火山灰が室内に入らないための措置も必要。清掃のために屋外に出る際は、ゴーグルやマスクを着用し、コンタクトレンズは外したほうがいい。車を運転すると灰を巻き上げ、視界が悪くなるので、スピードに注意。

乾いた灰が積もっている場合は、シャベルなどを使う。排水溝に流すと詰まってしまうので、袋などに入れて、一般のごみと分別を。

火山灰どう身を守る 目傷つく恐れ、マスクやゴーグル着用(9月30日)
■富士山でも警戒

神奈川、山梨、静岡3県と国は19日、富士山の大規模な噴火を想定した防災訓練を実施した。3県が合同で行うのは初めて。各県と国との協力態勢や逃げ遅れた人の捜索方法を確認するのが狙いで、策定を進めている「富士山火山広域避難計画」に反映させる。

富士山噴火 備え訓練 国と3県で初、住民ら3900人参加(10月19日)
富士山噴火を想定した防災訓練で、けが人を運ぶ救急隊員(19日、山梨県鳴沢村)

富士山噴火を想定した防災訓練で、けが人を運ぶ救急隊員(19日、山梨県鳴沢村)