ARTIST 木村了子の作品や最新情報、気になる展覧会等をご紹介していきたいと思います。

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お盆紀行:無言館再訪 / 2010年08月21日(土)
今年のお盆は長野(上田)、群馬(伊勢崎)、東京(銀座)、京都(日帰り)と、怒涛の親戚めぐりでした(銀座以外)。お盆の過ごし方や作法も地域によって様々な形式があり、面白かったです。
長野ではナスやきゅうりに足、ささないんですね〜。

さて、今月の15日は終戦記念日。ちょうどその頃上田の別所温泉に行き、近くにある「無言館」という美術館を訪れました。私は5年ぶりの再訪です。
太平洋戦争で亡くなった戦没画学生の遺作を展示するという稀有なコンセプトのこの美術館を、ご存知の方は多いと思います。


一つ一つの絵には、戦没画学生の写真と、享年、戦没地等、画家の紹介が書かれたキャプションが添えられています。戦時下に描かれていただろう絵は意外なほど、なんでもない風景、恋人、家族の絵が多いのが悲しくも印象的。


佐久間修 デッサン「裸婦」 油彩「静子像」
1944年長崎にてB29の空襲を受け被弾し、戦死。享年29歳。

初めて無言館に訪れたのは2005年、ちょうど無言館のモニュメント「記憶のパレット」に赤ペンキが投げつけられるという事件があった直後でした。その日の来訪者は少なく、館内ももっと暗く、空気が重かったような気がします。入館したとたんに家族連れの小さいお子さんが泣き出し止まず、外に出て行ったのをよく覚えています。

今回、館内は以前より明るく感じ、夏休みのせいか観客は多かったですが、漂う静けさだけは変わっていませんでした。



清水正道 日本画「婦人像」
1944年マーシャル群島ブラウン島において戦死。享年28歳

今回2度目の来訪で、前よりもすこし冷静に展示されている絵を見ることができました。ひび割れた画面から塗られた絵具の厚みなど、当時の美術学校が教えていた日本画の技法を垣間見る貴重な機会にもなり、さすがに戦時中、高価な岩絵具はあまり使われておらず、安価な土系の絵具が多用されていたように思います。

ところで以前書籍の編集者をしていた頃、日本の20世紀の特集を担当し、明治〜現代まで100年分の新聞の主要記事をコピーしまくり、見る読む貴重な経験をさせてもらった事があります。その中でも忘れられないのがやはり太平洋戦争当時の紙面。終戦間際になればなるほど、そこから伝わってくる時代の「狂気」がリアルに漂う文面に、これ、当たり前だけど、マジか。。。。と、背筋が凍りついた記憶があります。

学徒出陣を伝える新聞(1943年10月21日)
激化する戦局、消耗戦の様相を呈してきた前線に兵力を増強するため、兵役法の特例であった学生の懲役猶予が廃止。約12万人の学生が出征。学徒出陣以前の上記の戦没者は、「繰上げ卒業」という形を取り、戦地に赴いていた方々が多かったようです。


1944年11月2日、肉攻斬込隊(神風特攻隊)上陸成功を伝える紙面。

岡本喜八監督 『肉弾』(1968年公開)ポスター。
特攻隊の隊員に任命された青年の、特攻直前に与えられた1日だけの休日の体験を通して、戦争の愚かさをコミカルながらも痛切に描いた作品。

私は学生のころ岡本喜八映画が大好きで、古い映画ですので映画館でのリバイバルやビデオ等をあさってよく観ていました。そんな頃のお正月だったか『肉弾』のビデオを借りて家で見ていた時、横にいた今は亡き祖父が「了子、頼むからテレビ止めてくれへんか。。」と私に言ったのを、ふっと思い出しました。

時々戦争について考えたり、それについて書かれた文献や映画、絵を観たりすることはあっても、私自身が「戦争」をテーマに絵を描くこと、そして、「死」をテーマに作品を制作することは、よほどの事が無い限り避けたいなと思っています。
出来るならずっと美しい男のこと、くだらない下ネタなど考えて一生絵を描き続けたいと常々思っていますが、無言館に来るとますますその想いが強くなります。

。。と、ガラにも無く戦争についての記事などたいしてオチも無く書いてしまったのは、この暑さのせいでしょうか。。。やっぱりお盆だったからかな?

無言館は、本館である信濃デッサン館の別館です。本館には村山魂多など夭折の画家の絵が展示されています。特に魂多のストーカー的恋文(最高)は何度読んでも超癒され。。。
また、5年後ぐらいに訪れてみたいと個人的には思っています。


■Link
無言館(上田市のHPより)

岡本喜八(映画監督 1924〜2005)

 
Posted at 11:23 / diary / この記事のURL
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性器の表現3:男を描くということ その7 / 2010年08月10日(火)
久しぶりの「男を描くということ」シリーズその7です。
だいぶ前に書いた「性器の表現2 男を描くということ その6」に「なぜ日本の春画の男性器は巨大で、西洋ヌードのは極小なのか?の理由を私なりに考えたことがあった」。。と記したままずっと放置していたので、今回はそれを取り上げてみようと思います。

毎度のコトながら、確実にヤプログでは掲載できない内容です。
(いちおうまじめな絵のお話です。。。たぶん?)

ですので、お手数ですが記事&画像をご覧になりたい方は、
↓こちらのSNSをご覧下さいませ。

Art it
http://www.art-it.asia/u/ryokokimura/Ze5k4vKBWUaQn9D2w0b7/


よろしくお願いいたします。

 
Posted at 23:33 / 男を描くということ / この記事のURL
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汚魔亜儒(Hommage) for HEAVEN! 都築響一さんの個展@広島現美 / 2010年08月07日(土)
「僕はジャーナリストだ。アーティストじゃない。ジャーナリストの仕事とは、最前線にいつづけることだ。そして戦争の最前線が大統領執務室ではなく泥にまみれた大地にあるように、アートの最前線は美術館や美術大学ではなく、転載とクズと真実とハッタリがからみあうストリートにある。。。。(後略)」

なんつうカッコイイ文!壁いっぱいに書かれた、先月7/19日に最終日を迎えた都築響一さんの個展の序文です。

編集者でもある都築さんは、「いわゆる書籍デザイン業界ではイメージ優先で、作品のキャプションや説明文の文字は小さければ小さいほどかっこいい、という発想を逆転させたかったんだよね。美術館の展示自体を一つの大きな本として見立て、イメージと一緒にどこにいても文章が見え(読め)るように、キャプションの文字はとにかく、デカくしたかった(笑)。
一度、壁一面を文章で埋め尽くしたかったので、気持ちよかったね〜!」と、トークショーにて語られていました。確かにどこにいても都築さんの文章が目に飛び込んできます。文字を貼り付けた学芸員の方々の労力は、ハンパなく大変だったそうですが。。。

「Heaven」展、美術館内でドキムネ緊張のレーザーカラオケで演歌を歌ってみたり、18禁・サイバーエロティック秘宝館、元凶暴凶悪暴走族のヘッドたちが作られたという超イカシたデコ暴走族(ゾク)バイク「魅寿帝(ミスティ)」号を愛でるなどなど、ここって公立美術館だよね。。?と思わずにいられないほど、かなりアリエナイザーな内容でした!

それだけでも超面白くてバシャバシャ撮った写真をすぐにでも記事にUP!しようかと思っていたのですが、でも、ただ「面白かった」というのだけではない、なんと言うか私にとっては頭をガツン!と一発やられた上にレバーブロー食らわされたような、なにかこう、ヂリヂリ疼いてしょうがないものがあり、日に日にジンジン来るこの想い、どうしたらいいの。。。?やることはたくさんあるのに、何から手をつけていいの分からなくなる、いろんな意味で消化に時間のかかる展覧会でもありました。


カラオケで知らない人と、知らない曲だけど、とりあえず一曲♪(@美術館内)
こちらの男性がまた歌お上手で、いつしか人だかりができていました。

都築響一 「レーザーカラオケ、それは3分間の人生劇場だった」

今回発表されている作品群は、これまで氏が発掘し撮影したさまざまな街やストリートから生み出された、生活感あふれる部屋や建物、一見理解に苦しむ観光地のオブジェ、へんてこなじいさん、ラブホテル、イメクラ。。。と、誰もがそれらを「芸術」として鑑賞するには一瞬、「ぎょっ」とするものばかり。
1階は写真と文字中心でまさにビジュアルブックといった感じだったけど、B1Fは魅寿帝号をはじめ、氏のコレクションである見せ物小屋の絵幕がズラズラと垂れ下がり、ヤフオクで落としたという本物のスナック仕様カラオケコーナー、秘宝館、その隙間に浮かび上がるでっかい文字の文章をひとつひとつ読んでいると、私自身が一匹の紙魚になって「飛び出る絵本」の中へもぐりこんだような気分でした。


魅寿帝(ミスティ)号については→「暴走のデフォルメ」を。ちなみにこのカラーリングデザインは「北九州仕様」だそうで、見る人が見ればわかるそうです。


ちなみに上記記事ではデコバイクが走っている動画のみですが、トークショーでは貴重な暴走族(ゾク)の方々のコール音(バイクのエンジンをフカす音)の動画も見せてもらいました!以下、水戸黄門のコール。
アクセル+クラッチ操作のみの限定されたインターフェイスの中でこれほどの音階を見つけるのは困難極まるということで、ありえないコール・テクニックなんだそうです。どんんだけ練習したんだろう。。?マジ感動!これ一発で私の暴走族観が180度変わりました。

ところで私はアーティストで、ジャーナリストではないです。でも、作家活動をする前にしばらく編集業に携わっていたことがあって、本と、絵とスタイルは違えど、その経験はアーティストになった今でも本当に大きな糧となっています。そんな元編集経験者&本作り好きとしても、なんつーか美術館の展示自体を本に見立てるその発想と手腕に、ただ、ただ目からウロコ。。。脱帽と尊敬のまなざし☆を禁じえなくて、さらに私の中で何かが疼く。。。

ここに展示されている一つ一つの「もの」たちは、確かに凄まじい。でも、人間というのは愚かなもので、その凄さをどう捉えていいのかわからない、さまよえる子羊になることがどんなに多いことか。。でも、それらを紹介する事で、また紹介如何でその輝きを何倍にも増幅させ、広め、見方を変え、そして素直に観る側のハートに注入させることができる。それが「報道」のひとつの役割だと思うし、記事として成立し見せる以上は、書籍、ネット、映像、どういう形態になっても、編集の仕事でもあると思うのです。

「編集」って文字通り、そのままでは膨大すぎる情報を集めて調べて、連絡して、選択して、削り、まとめ。。。といった本当に地味で超裏方な仕事の連続だけど、この編集次第で本当に「もの」の出来不出来、面白さが大幅に変わってくる。そして、その「編集」自体が展覧会の主役になり得るということを思い知らされた、私にとってはかなりガツンときた!展覧会でした。

。。。と、ここまで書いてはみたけど、やはり文のみで思いを綴るというのには私は都築さんの文章に惚れ込みLOVE!すぎて、「ああ私にもこんな文が書けたら。。」と、やっぱり思っちゃうなぁ。。。ちょっと小学生の夏休みの宿題の、読書感想文を書いている気分になってきた。ならばと、感想画も一緒に描いてみることにしました。


「HEAVEN」にささげる汚魔亜儒(オマージュ)画 by木村了子

まぁそのまんまっちゃそのまんまなんですけど。。^^;あーたのしかった!
この展覧会のタイトルである「都築響一とめぐる、社会の窓から見たニッポン」。やっぱ「社会の窓」といったらココだよなと。そしてゾク車を描くのは男子にお任せするとして、やはり男を描くオンナ画家としては、乗り手であろうイケメンヤンキー君と、その社会の窓を中心に描くことにしました。私の中高生の頃はあたりまえにいたヤンキー男子、描くのは初めてでしたがかなり面白かったです(ちなみに氣志團ファン)!

きっと私をウズかせたのは、都築さん自ら前線に赴き地をまさぐった対象への愛と、それらを公立美術館まで引っ張って展覧会という巨大な本に仕立てたジャーナリスト&編集者魂、そしてやたらにブ厚みのある「ド根性!」に触発されまくったからだと思います。

遠かったけど、本当に広島に行ってよかった。。。うだるような暑さのなか「HEAVEN」展を観終えて東京へ帰る道中、突っ走るハイウェイをキョロキョロしても残念ながらデコトラ&ゾク車は走ってなかったけど、頭の中には今見た展覧会と、来年行う私自身の展覧会の構想がぐるぐる回って、今だに洗濯機のように私の中で疼いて回ってDon't Stop!止まらないのです。

規模はずっと小さいけれど、私も来年春に行う私自身の個展を、好っきなように迷緊愚(メイキング)して仏血義理(ブッチギリ)!ろうと、改めてブラジャーを締め直し(※ふんどしを締めなおすと言いたい!でも女なので!)、がんばりたいと思います!!!
中目黒のミヅマ・アクションで開催します。まだずっと先ですが、そこんとこ、夜露死苦おねがいいたします〜〜〜!!m(_ _)m!!!

それにしても、また、どこかの地方美術館で、「Heven」に逢いたい。。。

優良精子、吸出中!


18禁の秘宝館コーナー(アナウンスも収録!)


→都築響一氏による「Heaven」特設サイト

☆ ちょっとP.S’s ☆
★P.S. その1/HEAVEN ちょっとだけプチ不満
本展覧会でただ一つ不満があるとすれば。。。ここは@広島、美術館内も十分な広さがあったし、個人的に文ちゃん(菅原文太)のトラック野郎の大ファン!(子供の頃文ちゃんの嫁になりたかった!)だった私としては、やっぱ広島でホンモノのデコトラ観たかったな〜!でもって、中にも入ってみたかった!


カリスマトラック絵師・関口工芸から10トンデコトラ貸し出しOKが出ていたとのことですが、美術館の構造上、館内に色んな邪魔なものがあったとかで(変な位地に階段とか)搬入不可、あえなく断念したとの事。。。(涙)。ご本人もトークショーで、本当に残念だとおっしゃっていました。ちなみに広島現美は黒川紀章先生設計だそうで。。。ってオイ!美術館が大物搬入展示できなくてどうする〜〜〜!!!


★P.S. その2/ 「BASARA」展
ご存知な方は多いと思いますが、魅寿帝号が天明屋尚氏キューレーションによる「BASARA」展(表参道スパイラル)にて展示されるそうです!出品項目にデコトラもあったけど、実物なのかな?
パステルなカラーリングとふちに付いたボンボンがキュートな魅寿帝号!広島にいけなかった方、是非表参道でご覧になって下さい!
こちらのブログにうpするのが遅れたので、本日まで。私は今日見にまいります〜。

→BASARA展
http://red1press.com/?p=6745


★P.S. その3/@伴天連

美術館を出た後赴いた、都築さんオススメの広島のゴシックホラー喫茶「伴天連(ばてれん)」。マスターはまさにナマ『巡礼』の世界。。。広島に行った際は是非お立ち寄り下さい!私は素直に、おもいっきりビビらせてもらいました。
でも喫茶店だけあって、意外なことにアイスコーヒー美味しかったですよ(笑)


★P.S. その4/ KimuraRyoko@ついった
前記事にも記しましたが、最近、Twitterはじめました。
http://twitter.com/KimuraRyoko

ブログもこのごろやっとマメに更新できるようになって、調子付いてついったにも挑戦!マメにつぶやけるまで、もう少し慣れが必要な感じですが、こちらもなにとぞ、ヨロです〜!

 
Posted at 13:22 / exhibition / この記事のURL
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